公開日 2023年1月11日

ゾルタンポズサー【3】2023年 FXでの勝者と敗者

先日、中国の石炭輸入再開のニュースで豪ドルが急騰したように、中国経済の回復と共に2023年半ばから豪ドルは上昇するでしょう。(全4部構成記事)
ゾルタンポズサー【3】2023年 FXでの勝者と敗者

前回の記事はこちら(全4部構成記事)

【1】ブレトンウッズ体制3は起きるのか?

【2】米ドル時代の終焉と人民元時代の到来

金価格が現在の倍の3,600ドルになる?

ゾルタン・ポズサー(ZoltanPozsar)からは、さらにショッキングな予言もありました。金価格が現在の倍の1オンス=3,600ドルになるというのです。その前提は以下のような3段論法です。

西側諸国はロシア産原油の上限価格を1バレル=60米ドルに設定しました。ゾルタンは、この制裁に対しプーチン大統領は、ロシア産原油を米ドルではなく、2バレル=1グラムの金と交換するというシナリオを打ち出せば良いというのです。

現在の価値で計算すると金は1オンス=1,800ドルです。
1オンス=31グラムなので、金1グラムは1,800ドル÷31=58ドルとなり、ロシア産原油1バレルの上限価格以内におさまります。

2バレルを金1グラムと交換すると、ロシア産原油価格が1バレル=58ドルならば2バレル=116ドルであり、金1グラム=116ドルとなります。
オンスに変換すると1オンス=3,600ドルとなります。

制裁によりロシア産原油価格が欧州産原油ブレントの現在の実勢価格の80ドルなく60ドルになったとしても、金価格が上昇すればロシアは儲かることになります。何故ならば、金の世界生産ランキングでは1位が中国、3位がロシアだからです。西側諸国では、2位が豪州、4位が米国、5位がカナダとなっています。

ゾルタンによると、このシナリオ通りに動くと問題となるのは、金融機関が一斉に金をロングするので、金先物・オプション・CFDなどのペーパー・ゴールドと呼ばれる実物の金を扱っていないデリバティブの流通が枯渇することだそうです。皆さんがCFDで金を購入できなくなるということになります。

大変なことになりますよね?ゾルタンが、なぜこのようなプーチン大統領に知恵を授けるような発言をしたのかが、不思議です。EUメンバーの中で唯一ロシアのウクライナ侵攻への制裁に反対しているハンガリー出身ということが関係しているのでしょうか?

金利差などその他の要因からみた2023年のFXでの勝者と敗者は?

ここで誤解しないでいただきたいのは、ゾルタンの提唱するブレトンウッズ3体制は中長期の話だということです。ブレトンウッズ体制は1944年から1971年まで27年も続きました。まだ始まったばかりであり、2023年に急にユーロや、ポンド、円、米ドルが弱くなるわけではありません。2023年だけ見ると、2022年度同様に、金利差も重要になるでしょう。

2022年末時点での政策金利

ニュージーランド:4.25%
米国:4.25〜4.5%
カナダ:4.25%
英国: 3.5%
豪州:3.1%
欧州:2.5%

2023年の最終到達金利(予想)

ニュージーランド:5.5%
米国:5.1%
英国:5%
カナダ:4.45%
欧州:3.5%
豪州:3.35%
と予想されています。

2023年の利上げ幅

英国:1.5%
ニュージーランド:1.25%
欧州:1%
米国:0.6%
豪州:0.25%
カナダ:0.2%

住宅ローン金利

一方、住宅ローン金利においては、金利上昇の影響を受ける変動金利の割合は豪州が9割、ニュージーランドは6割、英国は半分弱なのに対し、米国はほとんどが固定金利です。住宅ローン支払い増により、豪州、ニュージーランドと英国は利上げのペースを落とす可能性もあります。2022年10月に豪州が利上げ幅を0.5%から0.25%に予想外に落としたことを覚えていられる閲覧者の方も多いでしょう。ロイターによると、これは住宅価格下落を警戒してのことのようです。

金利と住宅ローン金利という観点からみると、中長期での観点で話をしているゾルタンの寄稿とは異なり、豪ドルは弱いとなります。しかし、先日の中国の石炭輸入再開のニュースで豪ドルが急騰したように、中国経済の回復と共に2023年半ばから豪ドルは上昇するでしょう。そして、金価格が現在の倍になるとしたら、西側諸国の通貨で一番恩恵を受けるのは生産量世界2位の豪ドルです。西原宏一さんが昨年から豪ドルを推奨している理由がようやく理解できました。

ポンド

ポンドは微妙です。インフレと住宅価格下落の板挟みになり、イングランド銀行の舵取りは世界一難しいことになりそうです。

ニュージーランド・ドル

ニュージーランド・ドルはコモディティー国かつ金利上昇どちらの観点からも強いとなります。このキウイも昨年からの西原宏一さんの推奨通貨です。

米ドル

資源国通貨ですが利上げ幅は昨年の8分の1程度に落ちるので徐々にドル安でしょうか?

ユーロ

ユーロは0.5%の利上げが2回続く前半は強い可能性もありますが、コモディティー通貨ではないので、ゾルタン説に従うと後半に失速しそうです。

円もユーロと同様でしょうか?

続きはこちら

最新の記事をお届けします

Real Intelligence無料メルマガ

無料メルマガ登録

各講師のオンラインサロンや有料サービスもございます。詳しくは商品一覧ページをご確認ください。

プロフィール

松田遼司

松田遼司

東京大学史学科を卒業後、内資メーカーに入社、半導体需要予測を担当。IVYリーグ系M.B.A.をアート・マネジメントとインターナショナル・ビジネス専攻で修了後は外資系半導体メーカーでアナリスト・広報・企画等を担当。その後ウェブ系外資系企業CEOを経て起業、2度のイグジットを達成。さらには内資メーカーでメディカル事業部を立ち上げ、ロンドン市場上場の黒字企業のM&Aを実現させた。

映画・写真・美術・旅行・料理・ワイン・漫画などについて造詣が深い。
自分ではなく、世の中のためになる仕事に就くことを理想としている。

会員サービスに登録して
より有益な情報を手に入れよう

富を拡大するため一流で正統派の金融リテラシー・実践的情報を
元チーフディーラー集団からお届けします

会員サービス紹介
運営会社情報
エフピーネット株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第1898号
金融商品取引業の種別:投資助言・代理業
加入協会:一般社団法人資産運用業協会
よくあるご質問お問い合わせ
Copyright © FPnet Co., Ltd. All rights reserved.