理想の投資教育 投資知識5段階
人は本能で投資をすると損をする
興味深いことに高度成長時代の右肩上がりの株式相場でも株式投資で損をする人が多かったのです。
なぜならば、投資の勉強をして、報道を参考に投資をすると
「目先の天井で買って目先の底で売る」
のが、標準的な人の感覚だからです。
つまり、 投資の勉強をして、報道を参考に本能のまま取引をすると損をするということです。
相場は欲と恐怖で動きますが、一般の多くの人が、欲と恐怖で取引をすることから大衆心理となり、大衆心理は損をする心理だからです。
儲けたいという欲と損をするのが怖いという感情で投資をすることが敗因の1つです。
それゆえ、何も考えずに買って長期保有すると良いと言う人もいらっしゃいますが、今の激動の時代の株式相場でそれをやるのは危険です。
適切な投資の勉強をすることが大切です。
投資で損をする原因
投資で損をする原因を簡単にまとめます。
①間違ったマインドセット
・正しいマインドセットを身に付けていない
・儲けたい欲と損をするのが怖いという恐怖で取引する
②投資の本質が分からない
・相場が動いている原則が分からない
・売買タイミングが分からない
・チャートを勉強しても相場の本質を理解していない
今回、投資の本質を理解する投資知識について解説します。
投資知識5段階
適切な投資教育が必要になるのですが、投資知識(相場知識)にはレベルが5段階あります。
①教科書的知識を持っている
②後講釈の市場分析・解説ができる
③的確な市場分析・解説ができる
④相場の本質が分かる
⑤相場の本質が分かり相場全体を見る
それぞれを詳しく解説します。
① 教科書的知識を持っている
確信を持って反対のポジションを持ち、投資で損をするレベルです。
教科書的知識とは一般的にFP・銀行・証券会社が投資教育と呼んでいるレベルです。
・株とは何か
・為替とは何か
・経済と株との関係
・世界情勢と為替の関係
このような基本的なことを学ぶことは必要ですが、投資で利益にする具体的な方法を学ぶわけではありません。
そもそも、相場でしっかり利益にしているような人は「投資の教科書的な本」は書いていないといえます。
教科書の内容を完璧に理解していていても実際の投資には、ほとんど役立ちないばかりか、反対のポジションを持ってしまうことが多いです。
つまり、天井で買って、大底で売ることになります。
方向性(相場観)やタイミングは全く分かりません。
さらに教科書通り動くことは少ないですし、むしろ今は教科書とは反対に動くことも多いです。
そもそも、投資の教科書に書いてあることは昔の知識です。
相場の連動性が高くなった
昔は相場連動性が少なかったので、分散投資(ポートフォリオ)が有効でした。
今は各相場が相場連動するので分散投資(ポートフォリオ投資)がしにくいです。
つまり、全ての相場が同じような動きになるのです。
昔は業績相場、今は金融相場
ここ何十年も、
景気が良いから株価が上昇していくのではなく、
景気を良くするために株価上昇させてきました。
犬が喜ぶと尻尾を振りますが、犬の尻尾を振ることで犬を喜ばせようとしているような状態です。
不景気の株高という表現があり、現在では金融緩和で株高にする意向が強いことで使われています。
景気が良いから株が上昇する相場を業績相場といい
景気が悪い時に金融緩和で株を上昇させている相場を金融相場といいます。
景気が良い指標が出た場合、通常、株価上昇しますが、近年は株価下落することも多かったです。
景気が良いと金融緩和を後退させる懸念があるからです。
動くロジックが異なる
このように、教科書的な知識と実際では、相場が動くロジックが違う部分が多いです。
たとえば、他にも
教科書では、株が下落すると債券が上昇する」と書いてありますが、
株と債券が同時に上昇したり、下落することも多いです。
その時々で相場は変化する
昨年までは株価が急落すると円高になりました。
ところが、今年、2022年1月から株価が急落したら大きな円安になりました。
その時々で、相場の動きが変わってきます。
同じ相場は3ケ月くらいしか続かないので、自動売買(EA)のように現在の相場に最適化しても3ケ月程度で使い物にならなくなります。
状況により同じ材料でも反対に動く
同じ材料でも情勢により反対に動くこともあります。
ITバブルの時、ソフトバンクは株価上昇局面で株式分割をすることで、株価を上昇させてきました。
そこで、ITバブルが弾けて株価下落局面になった時に、株価を上げようと思って株式分割したら、下落加速・暴落したのです。
② 後講釈の市場分析・解説ができる
本人は相場を良く知っているつもりですが、実際に投資をすると確信を持って相場と反対のポジション持ち、損をするレベルです。
相場の方向性(相場観)が間違っていますし、タイミングも分かりません。
教科書的なことが分かるだけではなく材料と相場の説明が後講釈できますが、後講釈は有害です。
テレビ等に出演する元プロディーラー・コメンテーター・アナリスト・エコノミスト・学者も、ほぼこのレベルです。
ということは「報道の多くは有害」だということです。
後講釈の説明はロジカルに見えるだけで直接的な原因か疑わしいです。
そして、相場の方向性が分からないか、反対になってしまいます。
また、これも本人は気づいていないものの大衆心理に陥りやすいです。
これが確信を持って間違える原因です。
大衆心理になると大底で売り、天井で買ったりするように確信を持って反対にポジションを持ちます。
金融危機で株価急落の最後で「株下落止まらず」と報道されますが、その時が大底で、そこから相場は反転上昇する局面ですが、多くの人が大底で売ることになります。
材料出尽くしという現象もあります。
好決算発表があると天井になることも多く、多くの人が天井で買うことになります。
上昇に置いていかれたくない欲があるからです。
コメンテーターの言葉で買ったら、そこが天井だったり、売ったらそこが大底だったりする原因は、大衆心理のコメンテーター発言が、大衆に響く、つまり大衆が自分の感覚と同じだと判断するからです。
自分は正しいと思い込むために「相場が間違っている」という発言をすることもあります。反面教師として使えます。
極めて興味深いことに、このような人がトレーダーとして採用されたことがあります。
周りでは、その人のポジションと反対のポジションを何倍か持たせたことで、大きく利益になったそうです。
「買うと下げ、売ると上がる」という、このレベルの人の活用方法です。
③ 的確な市場分析・解説ができる
このレベルの人の情報は投資情報としてはとても良いです。
しかし、方向性(相場観)は正しいのですが売買タイミングが分からないため利益にならないレベルです。
このレベルの人は、投資で利益にはなりませんが、かなり優れた知識を身に付けた人で、テレビ等に登場するコメンテーターの中にもほとんどおらず希少価値があります。
このレベルの人の市場分析を聞いた人にも有益な情報です。
ある時、某アナリストが抜群の相場分析をし、相場観も正しい(方向性も正しい)ので運用をしてもらうことになりました。
しかし、運用成績は不振なのです。
方向性(相場観)が合っていただけでは利益にならないことが分かります。
投資ではタイミングが一番大切であり、タイミングが分からないことが一番の敗因です。
つまり、上昇だと判断していてもポジションを持った後、一旦下落して、ロスカットされてから上昇するようなことが多いのです。
④ 相場の本質が分かる
投資で利益にすることができる素晴らしいレベルです。
チャートも理解しています。
方向性(相場観)+タイミング
の両方が分かることで、利益になります。
但し、全ての相場が分かるのではないための一番美味しい相場に投資するのは苦手です。
日本の縦割り社会では株・債券・商品(金・銀・原油・穀物)・為替など専門が分かれているために全分野は分からない人が多いです。
株は分かるが為替や商品は分からないということになるために一番美味しい投資先への投資は苦手です。
⑤ 相場の本質が分かり相場全体を見る
レベル4に加え全ての相場を見ることができる人です。
その時々に一番美味しい相場に投資できるレベルです。
方向性(相場観)+タイミング+市場全体把握
が揃った理想レベルです。
1990年以降20年間下落の日本株で利益を出すのは困難ですが、米国株やゴールドに移行していれば簡単に大きな利益になります。
全ての相場を見ていてどの相場が良いか判断できる人は少ないです。
その時々に一番美味しい投資とは
その時に一番分かりやすい相場
ということになります。
これがローリスク・ハイリターンのポイントであり、投資の王道です。
また、個人投資家が目指すところです。
まとめ
5つを簡単にまとめます。
①教科書的知識を持っている
投資で損をする
知らないより知っておいた方が良い
②後講釈の市場分析・解説ができる
投資で損をする
確信を持って反対のポジションを持つ
③的確な市場分析・解説ができる
投資で利益にならない
方向性(相場観)は正しい
④相場の本質が分かる
方向性(相場観)+タイミングも分かる
その時々の一番美味しい相場は分からない
⑤相場の本質が分かり相場全体を見る
方向性(相場観)+タイミング+市場全体把握
一般投資家の目指すもの
その時々の相場で助言を受ける
レベル5は難しい思った人もいらっしゃると思いますが、その時々の相場の中で、次のような助言を受けることでクリアできます。
・今の相場はどうなっているか
・今は、どの相場が良いか
・売買タイミング
これらが揃うことで、投資で利益が出る実践的な知識となります。
理想的な投資教育だといえます。
つまり、
「その時々に本質的で実践な知識」
「ポジションを持つタイミング(助言)」
がセットで利益になる投資教育です。
投資助言を受けながら相場の本質を理解していくことが「理想的な投資教育」です。
理想的な投資教育
「その時々に動いている相場の本質の解説」と
「売買タイミングの助言」を提供しているのが
イーグルフライです。
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投資の本質の理解に加えて自分自身のパターンを知ることも大切です。
一人ひとり性格別に投資で損をするパターンがあるからです。
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