FXは欲望と恐怖のゲーム 欲望のコントロールが重要
アマチュアトレーダーに必要なこと
個人投資家でありながら、FX関連の書籍を多数出版している田向宏行が、10年以上前に自分がトレーディングを始めた頃に読んだら、参考になるだろうなというコラムをお届けしていきます。
「欲」のコントロール
勝負事には王道と言われる方法があります。私は週末にテニスをしていますが、試合では自分の弱点を守りつつ、いかに自分の得意パターンに持ち込めるかで勝敗が決まります。
FXでの自分の弱点とは、「欲」です。トレードの失敗の多くは自分の強欲さからきています。
野球に例えると、ボール球に手を出すのも欲張りだからです。レバレッジが高く損失を大きくするのも欲深さです。いわゆるメンタルの問題も欲に起因します。
そもそもFXは欲望と恐怖のゲームですから、いかに自分が欲望をコントロールするかが重要になるわけです。
相場格言で「利食い千人力」というように、欲張り過ぎずに利益を確保することが重要なのも、人間のあくなき欲望への戒めではないでしょうか。
FXで自分の弱点をあらわにすれば資金を失います。
・欲に狩られて自分が得意でない取引をしない
・自分の資金に対して過大となるようなロット(レバレッジ)を持たない
ということが、マーケットから自己資金を守り抜くポイントだと思います。
ただ、なかなか仙人のような心境にはたどり着けません。だからこそ、賢い人は知識を入れようとします。
欲が間違ったトレードを誘発することを知っていれば、ポジションを持つ際に、一瞬でも、「これは欲張りなトレードではないか?」と思料するだけで、収益は改善するかもしれません。
経験を積むのももちろん大切ですが、その前に、十分な正しい知識を入れることも合理的なアプローチだと思います。
自分の勝利のスタイルを信じきれるかどうか
欲張らないということは、すぐに諦めるように思われるかもしれませんが、簡単に諦めないことも取引の王道のひとつだと思います。
例えば、自分のトレードに得意パターンがあるなら、相場が変わってそれが機能しなくなるまで徹底してそのトレードを続けることがとても大事です。
これは単に欲張りではなく、自分で検証された勝ち方を徹底するということです。
弱点を守るだけは収益は増えません。いつでもどんな相場でも儲けられるという人はいません。トレードが上手な人は自分の得意パターンで勝負しています。
FXは自分の心との闘いなので、他人がどうであろうと、自分の勝利のスタイルを信じきれるかどうかが試されます。
それはインジケーターでも、時間軸でも、なんでも構いません。自分のトレードが上手く行くパターンやルールができていれば、それを徹底するだけで利益に繋がる確率はずっと高くなります。
取引の幅を広げ得意パターンを増やすことは大事ですが、それは小額取引やデモトレードで十分に検証してから勝負の場に持ち込むものです。
勝負の世界で自分に確証のないもので攻めるというのは無謀で、カモになってしまいます。これも勝ちパターンを増やして、いつでも儲けたいという間違った「欲」から来るものです。
自分なりの勝ちパターンを徹底することが、誰にとっても勝利の王道です。
単にトレードが楽しくて趣味としてFXをするなら損失も楽しみの対価ですが、収益を狙うなら勝てる勝負をキッチリ取ることが必要になってきます。