FX取引は技術
アマチュアトレーダーに必要なこと
個人投資家でありながら、FX関連の書籍を多数出版している田向宏行が、10年以上前に自分がトレーディングを始めた頃に読んだら、参考になるだろうなというコラムをお届けしていきます。
田向宏行です。今回も初心者の方にコラムをお届けします。拙著でも書いたのですが、私はFX取引は技術だと思っています。
外科医が手術の技術を高めるように、職人が自分の技を磨くように、トレーディングも続けていると徐々に自分の技術が進化するものだと信じています。(そうでなきゃ困ります・笑)
トレーディングが技術だということは、適切なステップを踏んで継続することで、誰でもある程度のトレーダーにはなれるのだと思います。
天性の才能があったり、天才的な人はどの分野にもいるので、そうした人にはかなわないと思いますが、FXに興味を持って努力を続けると、ある程度のトレーダーにはなれるはずです。
そうでなければ、素人の私が10年以上も相場で生きていけるはずがありませんし、個人投資家はみんな最初は素人です。
トレーディングが技術であるとすれば、技術の進歩には必ず段階があります。私のツイッターの固定コメントで拙著の段階を示しているように、技術習得は適切な段階で適切なテクニックを身に着ける必要があります。
なんでも努力すればいい、なんでもやってみればいい、ということはではなく、正しい方向の努力をする、ということが必要なのです。
小学校の時、初めてプールで泳いだことを思い出して下さい。最初は水が怖かったり、バタ足の練習をしたり、ビート板にしがみついていた自分が、教えてもらいながら徐々に泳げるようになっているのではないでしょうか。
水泳でオリンピック出場は無理でも、多少は泳げるようになって海やプールに行けるのは、適切な泳ぎ方を習得したからです。そしてクロールだけだったのが、平泳ぎができたり、背泳ぎができたり、技術の幅が広がるとレベルアップして行きます。
FXも同じでまずはローソク足で値動きを理解することから始まります。そのうえで、様々な時間軸を使い分けることができるようになり、自分流のテクニカルを組み合わせられるには、自分が進化する時間と経験が必要となります。
泳ぎと違いFXの場合は習熟して多様な技術を使い分ける段階になる前に、中途半端にいろいろな知識を虫食いしているあいだに口座資金が底をついて、マーケットから退場してしまう事が多いのかもしれません。
相場で勝っている人は1割と言われるのも、自己流で見よう見まねで泳ごうと思ったら溺れてしまった、という人が9割ということなのだと思います。
私自身の体験として相場の技術は時間と共にいろいろ学んでいくので、最初は最も基本的なローソク足の動きを理解することだと思いますが、これができていない人がたくさんいます。
技術の習得には知識と経験そして精神が必要なので、時間をかけて徐々に自分のものにすることが大事だと考え、私も進化を続けようと思っています。