今後の日米欧政治の注目点

中間選挙後、トランプ大統領はより強硬路線に踏み切ることも。米イラン戦争再開なら原油価格は120ドル超へ
11月3日に米国で中間選挙が実施される。
435議席すべてが改選される下院では民主党の過半数奪還がほぼ確実視され、定数100議席中、3分の1が改選される上院でも、民主党が過半数を制する可能性がある。
上下院で民主党が過半数を制した場合、予算や税制改正などの権限は議会にあるため、予算面などでのトランプ大統領の権限は低下する。
トランプ関税恒久化を目指した、2025年7月のOBBBA法案(One Big Beautiful Bill Act)は、議会の支持を背景に実施された。
仮に、議会で民主党が過半数を制した場合、そうした法案の実施は望めなくなる。
しかし、トランプ大統領が、この2年間、議会を無視してきた面があることも事実だ。
大統領令を用いた大統領権限を行使し、さらに強引な法解釈を行うことで、高率な関税賦課などによる通商政策を行使し、対イラン戦争を遂行し、移民を強制送還するなど、経済や金融市場に大きな影響を及ぼす政策を実施してきた。
中間選挙で共和党が大敗しても、トランプ大統領は歴史に名を残す大統領になることを、目指し、同様の方法で、より強硬な施策に踏み切る可能性がある。
現時点で最も懸念されるのは、イランの核開発阻止を名目に、イスラエルとともに再びイランに大規模攻撃を仕掛けるのではないかという点だ。
1973年戦争権限法によれば、大統領は開戦前の議会への説明が努力義務となっており、事後48時間以内の議会報告義務があり、60日以内の議会承認が必要であると規定している。
今回の対イラン戦争で、民主党による大統領の戦争権限を抑制するための決議に共和党が反対し否決された。
議会が民主党主導になり、改めて同様の決議が提出された場合、トランプ大統領がどこまで議会の動きを無視できるかが問題になるだろう。
対イラン戦争再開となれば、原油WTI価格は4月7日の高値(112.95ドル/バレル)を突破する可能性が高い。
今回の対イラン戦争で、ホルムズ海峡は封鎖されたままの状況が続いており、世界の原油需給は供給不足状態が続いている。
米EIA(エネルギー情報局)によれば、世界の原油需給は、同海峡を迂回するパイプラインの稼働や7月の一時停戦により、日量27万バレルとわずかに供給超過に転じたが、8月は同297万バレルの供給不足、9月も同294万バレルの供給不足となった。
ここまで、石油消費国は、国家備蓄放出なども交えた在庫の取り崩しで、原油が枯渇する事態に陥ることが避けられてきた。
だが、在庫の減少は需給ひっ迫に対する緩衝材がなくなってきていることを示す。
米EIAによれば、先進国の商業原油在庫は9月末時点で26.8億バレルと2月末の28.2億バレルから1.4億バレル減少している。
これは、ロシア・ウクライナ戦争により原油WTI価格が120ドル台に上昇した2022年6月末(26.6億バレル)以来の低水準だ。米イラン戦争再開となれば、供給不足幅拡大によって、原油価格は4月の高値112.95ドル/バレルを上回ることは言うまでもなく、120ドル/バレル超への上昇が避けられないだろう。
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※本記事は、2026/11/2の「イーグルフライ」掲示板より抜粋しています。
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