不正アクセス次の攻撃はここ 3ステップで対策する

不正アクセス拡大の3ステップ
先日、不正アクセスとパスキーの問題と対策について書きましたが、その後も被害は拡大しています。
攻撃内容も変化していくので先回りして対策することが重要です。
対策する側の混乱が激しく、的外れな対策をしたり、何がリスクなのか分かっていないことで、かえってリスクを増やしている人もいます。
現時点の問題を3つのステップに分けて考えると、対策方法も明確になります。
①個人へのフィッシング・乗っ取り(個人レベル)
②不正アクセスによる個人情報の大量流出(企業レベル)
③金融機関のデータ破壊(金融システム・国レベル)
それぞれの内容と対処方法を見ていきます。
①個人へのフィッシング・乗っ取り
一番多い被害は「自分がフィッシング詐欺にだまされる」ことです。
偽サイトにIDとパスワードを入力して情報を盗まれてしまいます。
対策としては、メールやSNSのリンクからサイトを開かないだけでなく、先日書いたように、検索して最上位に出てきたサイトも使わないことです。
検索広告などを使って、本物のサイトより上に偽サイトが表示され、被害が拡大した事件が実際にありました。
公式アプリか、自分で登録したブックマークから開くのが基本です。
フィッシング詐欺の被害を防ぐために導入されたのがパスキーです。
パスキーはフィッシング詐欺には極めて有効ですが、スマホ乗っ取りのリスクもあります。
スマホが全財産の金庫

スマホが全財産の金庫になっている状況を真に理解する必要があります。
全財産を、普段から持ち歩くこと自体がリスクです。
スマホの置き忘れや紛失した経験を持つ人は4人に1人です。
パスキー自体はフィッシングに極めて強い仕組みです。
一方で、パスキーやパスワードを同期するApple・Googleなどのアカウント、信頼済みの端末、アカウントの復旧手段まで含めた「アカウント全体」を守る重要性が高まっています。
そもそも、
・スマホで銀行振込をする
・スマホで株の売買をする
・二段階認証の端末を取引に使うのと同じスマホにする
といったことが危険です。
スマホやパスキーを管理できていない人が、スマホで取引すること自体が危険だということです。
取引専用のPCを用意し、そのPCでは取引以外のことをしない、というのが良い方法です。
スマホの弱点の本質は、
紛失・盗難、
スマホ1台に財産へのアクセスと認証が集中してしまうことです。
専用PCも、OSの更新とウイルス対策を欠かさないことが前提になります。
次の映画をご覧になると、スマホを安易に使うことの危険性を実感できると思います。
映画「スマホを落としただけなのに」2018年 スリラー・ホラー映画なので注意
②不正アクセスによる個人情報の大量流出
個人情報の大量流出は、何年も前からずっと継続し拡大し続けています。
ほとんど全ての人の情報がすでにどこかで流出していると考えたほうが良いでしょう。
攻撃者は、流出したメールアドレスとパスワードの組み合わせを使い、楽天市場、Amazon、証券会社、銀行などに手当たり次第にログインを試みていると考えたほうが良いです。(リスト型攻撃)
そのため、パスワードを使い回さないことが重要です。
「パスキーを設定したから安心」と思っている人が多いですが、パスキーを設定しても、IDとパスワードで入れる入口が残っているケースが多くあります。
その入口から、外部攻撃で侵入される危険があります。
(扱いは証券会社によって異なります)
パスキーに移行した場合には、IDとパスワードでのログインをできなくする設定が必要です。
たとえば松井証券は2026年7月から、「パスキーでのみログイン」を選べる設定を導入しています。
お使いの金融機関に同様の設定があるか、確認してください。
③金融機関のデータ破壊
次の戦争はハッキングによるインフラ攻撃(電気、ガス、水道、輸送、銀行、病院への攻撃)が主流になると推測しています。サイバー攻撃
金融機関のシステムが攻撃されてデータが破壊され、銀行の全データが消えるケースも想定しておいたほうが良いでしょう。
現実には、銀行はデータを複数の拠点にバックアップしており、全データが消える確率は非常に低いとされています。
それでも、この想定は決して大げさではありません。
米国では、ランサムウェア(身代金要求型ウイルス)がバックアップまで破壊する事態を想定し、銀行業界が「シェルタード・ハーバー」という仕組みを作っています。
参加銀行は毎晩、顧客の口座データを本体のシステムから切り離された保管庫に送り、万一の際にはそこから残高を復元します。
プロ自身が、最悪の事態を想定しているのです。
私たちにできることは、万一の時の自分の資産の証拠の保管です。
自分でできる証拠の保管
自分の残高と取引の証拠は、自分で残しておくことが大事です。
銀行通帳の場合、こまめに記帳して紙で残しておくのが確実です。
紙の通帳がない口座の方は、次の方法でも証拠を残せます。
・ ネットバンキングの入出金明細を定期的にPDFで保存し、パソコンとは別の外付け記録媒体や紙に残す
・ 証券会社から届く「取引残高報告書」を保管する
・ 必要に応じて、金融機関に「残高証明書」を発行してもらう
一つの金融機関に資産を集中させず、複数に分けておくことも有効です。
データが消えると政府保障されない?
預金保険で保護されるのは、一つの金融機関につき、預金者一人あたり元本1,000万円とその利息までです。
利息がつかないなどの条件を満たす「決済用預金」(当座預金や決済用普通預金)は、全額が保護されます。
但し、銀行がハッキングされて全データが消失した場合、一般的には政府保障制度は使えないと思います。
自分の資産残高を証明できれば保障される可能性があると思います。
最後に
不正アクセスの構造や手口がお分かりいただけたでしょうか。
何がリスクなのか分かっていないことで、かえってリスクを増やしている人も多いので、ぜひ攻撃の構造を理解したうえで対処してください。
イーグルフライでは投資アドバイス・投資助言だけではなく、サバイバル時代の資産防衛も重視しているので参考にしてください。
参考記事
・ 松井証券「パスキーでのみログインする設定について」(2026年7月)
・ Grant Thornton「Shelter from the worst-case cyber scenario」(シェルタード・ハーバー)
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