AIに負けない仕事や思考法を理論的に身につける②

3つの学習とは
前回のおさらいになりますが、AIとは機械学習のことでどのような機械学習、どれほどAIが発展しても基本は以下の3つから構成されている話をしました。
教師あり学習(supervised learning)
人間で言えば「模倣」に該当
教師なし学習(unsupervised learning)
人間で言えば「感覚」に該当
強化学習(reinforcement learning)
人間で言えば「思考」に該当
このうち、AIが最も得意とするのは教師あり学習であり、
人間で言えば、正解を暗記してアウトプットするので、受験勉強などは教師あり学習が強く使われているイメージです。
今回は、これらのうち、特にAIが得意な教師あり学習、そしてAIと少なくとも渡り合う、使いこなすためには必須な強化学習について掘り下げていきます。
とにかく便利な教師あり学習
前回、料理を例えに教師あり学習の説明をしました。
例えば、はじめて料理をする人であっても、レシピ通りにやれば、それなりに美味しいものを作ることは可能だと思います。
料理に限らず、日常生活において、教師あり学習は様々なところで使われています。
例えば医者など専門家に聞いて、その通りにすることのほとんどは教師あり学習です。
仕事でも上司に言われた通り、指示書通りに仕事をするのは教師あり学習です。
教師あり学習の特徴は、自分で考えたりしなくても、ある程度のことができてしまうことに強みがあります。
最強のコスパ学習と言っても良いです。
また、受験勉強など、ほとんどの優秀、賢いなどと言われる人は、この教師あり学習が非常に優秀である、と機械学習的には表現することが可能です。
よく、スポーツでもなんでもすぐにある程度までできてしまう人がいますが、それは教師あり学習が優れている可能性が高いです。
教師あり学習の落とし穴
このように極めて便利であり、日常的にも最も使われている教師あり学習ですが、便利な分だけ、当然リスク、落とし穴も存在します。
基本的に、正解を模倣しているだけなので、なぜそれが正解なのか、ということを理解していないため、応用が効かないのです。
例えば、投資の世界でも同じような局面であれば、過去のデータや専門家の意見は参考になりますが、これまで起きたことのないような事態には、これまでのデータがないため、使えないのです。
また、専門家や権威的なものにタグ付けされたもの、を無条件に信じてしまうため、専門家が間違える、嘘をつく、といった場合には完全に騙されてしまうことになります。
投資において前例がない局面では、専門家が言っていることを鵜呑みにすると、みんなまとめて同じ間違いを犯すようなことがよくあるのは、この教師あり学習が原因とも言えるでしょう。
他にもまた、結婚や起業、自身の天職を探すといった、固有性個別性が高いものになればなるほど、対応が難しいです。
個別性に対応できるのは、もう一つの強化学習の方になります。
個別性に強い強化学習
個別性、あるいは未知の局面に強いのは強化学習の特徴です。
強化学習のイメージはとにかく行動、試行錯誤をして正解に辿り着くタイプの学習です。
料理で言えば、0からレシピを考えて料理をすることになるので、美味しく作るには時間がかかると思いますが、なぜ美味しくなるのかを理解しやすくなると思います。
強化学習は人間で言えば、結婚や起業、天職といったその人の固有のもの、個性的なものに対して有効です。
最近、生成AIやAIエージェントが優秀になってきている理由の一つは、AIが思考ができるようになってきているからと言えます。
AIがユーザーのニーズや、場面において個別に考える能力を獲得しているからです。
従ってまず、AIにできない仕事をする、あるいはAIを使いこなすには、この強化学習を身につけることが必須になると言えますが、これができていない人が多いと言えるでしょう。
それは先ほど説明した教師あり学習が便利すぎるため、日常のほとんどのことが教師あり学習でできてしまうことです。
強化学習を使うのは、個別な問題に取り組む時や、前例のない問題に取り組むような時に基本的には限ります。
用途が限られ、コストが高いので、あまり多用するような学習ではないのです。
また、受験勉強も教師あり学習であり、社会に出てからも上司や先輩に指示に従って仕事をすれば良いだけの場合は、強化学習、すなわち思考が成長する機会がありません。
現代の日本の社会において、強化学習を日常的に行うのは、常に個別性の仕事が多いタイプの起業家など、一部に限られていると言えるでしょう。
(つづく)
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