日米欧中銀は9月利上げへ

ECBの9月再利上げは既定路線
ECBは7月23日の政策理事会で、政策金利である中銀預金金利を2.25%に据え置くことを決めた。
ECBは6月11日の前回会合で、政策金利を0.25%引き上げていたが、今回は様子見となった。
ホルムズ海峡の再封鎖により原油価格が反騰し、インフレ懸念が高まるなか、ECBが様子見の姿勢となったのは、6月のユーロ圏消費者物価(7月1日に速報値発表、17日に改定値発表)が前年比2.8%と前月(3.2%)に比べ鈍化、エネルギー、食品を除くコア指数についても同2.4%と前月(2.6%)に比べ、上昇率が鈍化したことが大きい。
そして、6月の消費者物価の伸びが鈍化したのは、6月18日に米・イランが紛争終結とホルムズ海峡開放のための覚書に署名し、原油価格が大幅に下落したためだ。
ラガルド総裁は「基調的な物価上昇率は現時点では抑制されている」「現時点では待つことが適切だと判断した。今後数週間の情勢の推移と、その間に公表されるデータを極めて注意深く見守る」と、金利据え置きの理由を述べている。
ただ、その一方で、ラガルド総裁は、以下のように述べ、先行きのインフレ加速に対し、警戒的な姿勢を表明している。
「インフレ見通しには上振れリスクがある」
「エネルギーショックの影響はまだ十分には表れていない」
「エネルギーショックがさらに強まる恐れがあり、他の物価や賃金への影響も現在の想定より大きくなる可能性がある」
「エネルギー価格の高止まりが長引くほど、より幅広い物価の押し上げにつながるだろう」
「エネルギー価格のインフレは6月に鈍化したが、戦争開始以降のエネルギー価格上昇と、それが食品や財、サービス価格に及ぼす影響によって、2027年上期にかけてインフレ率は目標を大きく上回る可能性が高い」
また、ラガルド総裁は「利上げを検討する必要はないか自問した中銀総裁も一部いた」とあかし、ECBメンバーの何人かが利上げに傾いていることをほのめかし、次回9月10日会合での利上げに含みを持たせた。
7月31日、9月1日にそれぞれ発表される7月、8月の消費者物価の数値に注目されるが、6月に前年比2.4%と鈍化したコア消費者物価前年比が再び加速していくような動きが少しでもみられれば、9月利上げの公算は高まるだろう。
オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場から想定される利上げ確率は7月23日時点で88%とすでにかなり高い。
インフレを最重視するECBのスタンスからみて、利上げは既定路線になりつつある。
ウォーシュ議長は「持続的に高止まりするインフレを容認しない」意向
ユーロ圏同様、米国の消費者物価も、6月は原油価格下落の影響を受け、軟調な数値となった。
6月の米消費者物価は全体で前月比0.4%低下、エネルギー・食品を除くコア指数も前月比横ばいとなった。
前年比でみると、全体では3.5%上昇(前月は4.2%上昇)、コア指数は2.6%上昇(同2.9%上昇)と伸びが鈍化した。
だが、2%の物価目標を上回る状態は、全体の指数でみた場合、2021年3月以来、コア指数でみた場合でも、同年4月以来、5年以上にわたって続いている。
これは、パウエル前FRB議長のもとで、FRBがインフレより、どちらかと言えば、雇用(景気)に配慮した金融政策運営を行ってきたことを示す一つの証左と言える。
6月に軟化したインフレ率は、原油・ガソリン価格の反発を受けて、7月以降、再び伸びが加速する可能性が高い。
FRBにとっての二大責務は、物価安定と雇用最大化であり、確かに、昨年は雇用がほとんど伸びず、いったん企業のレイオフが本格化すれば、景気は危うい状態に陥るリスクがあった。
だが、今年に入り、雇用は緩やかながら再び上向き始め、企業のレイオフは低水準に抑えられている。
そして、トランプ政権による移民流入抑制策により、労働力人口が頭打ちになっていることから、緩やかな雇用増加でも、労働需給がひっ迫しやすい状況になっている。
実際、7月18日に終わる週の失業保険申請件数は18.7万件と1969年以来の低水準となった。
労働需給ひっ迫は、この先、賃金上昇率を加速させる可能性がある。
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9月は日米欧の金融政策が大きく動く転換点となる可能性があります。
この先は、FRB、日銀の利上げ見通しと、今後の為替・金融市場への影響について詳しく解説しています。
続きを読みたい方は、「イーグルフライ」よりご覧ください。
2026/7/28の「イーグルフライ」掲示板より抜粋しています。
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