公開日 2026年5月26日

ウォーシュFRBでドル円はどうなるのか?

ウォーシュ氏が次期FRB議長として正式に就任しました。今回のコラムでは、ウォーシュFRBとドル円について、考えたいと思います。
ウォーシュFRBでドル円はどうなるのか?

ドル高の可能性あり?

私を含め多くの市場参加者は、ウォーシュFRBはトランプ大統領による利下げ圧力により、ドル安に動く可能性があると考えていました。

しかし、ウォーシュさんの発言や債券市場の反応を見ると、現実はむしろ逆方向へ向かう可能性を無視してはいけないとも感じています。

「ウォーシュFRBの利下げ」を期待していた市場

そもそもマーケットがウォーシュFRBに利下げ期待を抱いた理由は明確です。

それはトランプ政権は一貫して、高金利は景気を壊すし、(金利が低ければ)アメリカはもっと成長できるという立場を取ってきたからでした。

そのため、トランプ大統領は「パウエル元議長の後任議長として、利下げに動く人物を選ぶだろう」という先入観を持っていました。

特に2025年前半は、商業不動産問題や地銀問題が発端となり景気減速懸念が台頭したため、マーケットではかなり積極的な利下げを織り込んでいたのも事実です。

「FRBの信認回復」が最優先

ウォーシュさんの問題意識の最初に来るのは、FRBが2021〜22年にインフレを止められなかったという点にあります。同氏はこれを「歴史的失敗」と認識しています。

そのため、ウォーシュFRBでは、利下げで景気支援をするよりも、FRBの信認回復が優先される可能性が高いのではないでしょうか?

QE否定は「本質的にはドル高」

QE策はFRBが国債を大量購入し、その代わりに市場へドルを供給しました。

QE策を通じてFRBはバランスシートを拡大しますので、基本的には「ドル供給増加=ドルの価値の希薄化」を意味していたと言えるでしょう。もちろんマーケットの動きはここまで単純ではありませんが、理屈的にはこうなります。

しかし、ウォーシュさんはQE策に否定的であることが知られており、議長就任後は膨れ上がったバランスシートを縮小(QT策) し、QE依存からも脱却し、今後はマネーサプライ重視へ向かう可能性があると見られています。

「水」を例に考える: QE策

FXを初めて間もない方にわかりやすいように例をあげましょう。

マーケットを巨大なプールだとします。QE策とは、FRBがそこへ大量の水(ドル)を注ぎ込む行為です。

水(ドル)が増えれば、行き場を求めて株や不動産にお金は向かうので資産価格は高くなります。当然、景気も刺激されるでしょう。

そしてインフレが起きやすくもなります。しかし同時に、水そのものの量が増えるので、その価値は下がりやすくなります。

「水」を例に考える : QT策

新議長に就任したウォーシュさんは、バランスシートを縮小し、マネー供給を抑制したいと考えているようです。つまり、プールへ注ぐ水を減らそうとしています。

すると何が起きるでしょうか?

絶対量が減少するので投機が起きにくくなったり、インフレが鎮まりやすくなるという期待が持てます。そしてQE策とは逆に、ドルの価値が上がる可能性が浮上してくるかもしれません。

少し難しくなりますが、もしFRBが今までのように簡単にドルをばら撒いたりしないとマーケットが考えれば、ドルの価値観そのものが変わる可能性も念頭におくべきなのでしょう。

これは単なる金利水準や金利差を飛び越える話しであり、高金利だからドル高ではなく、ドルそのものが再評価されるという世界に突入する意味があります。

日本側の問題はさらに深刻

一方、日本銀行はどうでしょうか?

仮に日銀が追加利上げを実施したとしても、日本の人口減少や財政赤字レベル、実質賃金低迷などを考えると、積極的な大幅利上げは極めて困難であるのは明白です。

そうなると「日銀の正常化は道半ばで頓挫」するリスクが浮上しやすくなり、強烈な円安要因と捉えかねません。

「米超長期金利5%超」定着リスク

ここからのドル円にとって最大の焦点は、「米30年物利回り(超長期金利)の5%台定着の有無」ではないでしょうか?

・・・

続きを読みたい方は、「イーグルフライ」よりご覧ください。
2026/5/26の「イーグルフライ」掲示板より抜粋しています。

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プロフィール

松崎美子

松崎美子

1986年にスイス銀行東京支店入行、ディーラーアシスタントとしてスタート。1988年結婚のために渡英。 翌年より英バークレイズ銀行本店ディーリングルーム勤務、初の日本人FXオプション・セールスとなる。

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