リーマンショック前夜も皆が強気だった理由 危機を認識できない

金融危機は常に想定外
リーマンショックの時、リーマンブラザーズが破綻してから、初めて皆が金融危機に気付きました。
リーマンブラザーズが破綻した時に金融危機がスタートしたのではなく
その前に金融危機は始まっていて、市場は金融崩壊でボロボロになり
リーマンブラザーズが破綻して株が短期間に暴落したので一気に顕在化しました。
金融危機が始まっていないのに名門のリーマンブラザーズが突然破綻するわけがありません。
リーマンショックから学ぶ
リーマンショック前から投資助言をしてきた立場で見た場合、人の考え方も相場の状況も、当時と今はとても似ています。
地震でも予兆や前震あってから本震があることが多いように
金融危機も予兆や転換点があって大暴落になることが多いです。
リーマンショク時の金融危機では
2007年6月8日に黙示録の時代(=激動の時代)がスタートしたと事前に予測し
2008年9月15日のリーマンショックまでに1年3ヶ月間ありました。
どうやって2007年6月8日と判断したかに興味がある人は次の記事をお読みください。

日経225はリーマンショックの後よりリーマンショックの前の方が下落幅が大きいのですが
人々が金融危機に気付くまでに1年3ヶ月もかかりました。
長期米国債(10年米国債)もリーマンショック時の金融危機のスタートポイント、信用収縮が始まったのは前年2007年6月12日です。

10年米国債金利
通常、金融危機のスタートポイントは後から見ないとわかりませんが、早く認識できれば損失の回避や利益にすることも可能です。
プロも危機は分からない
2007年6月にテレビ東京のOpening Bellという番組に出演した時、テレビ局のディレクターたちに次の2つをお伝えしました。
①2007年6月8日が激動の時代(=黙示録の時代)の開始日
②日経225は7000円まで下がる
その時、日経225は18000円くらいで、多くの専門家が口を揃えて年内に20000円を越えると言っていた時です。
伝説のディーラーと呼ばれるような人も「これからインフレになるので借金して不動産を買え」と、声高に主張していた時です。
多くの専門家が強気の時だったので、その時はほとんど聞いてもらえませんでした。
それから1年3ヶ月してリーマンショックとなり、実際に日経225は7000円まで下落しました。
暴落の日まで皆強気だった
リーマンショック後、テレビ東京のディレクターから電話があり
「毎日、多くのコメンテーターたちが予測をしてきましたが当たったのは松島さんだけだった。」と言われ、テレビ東京の番組「Closing Bell」に再びコメンテーターとして出演しました。
暴落の日までコメンテーターたちは皆強気だったのです。
その後すぐに番組は無くなったみたいですが、コメンテーターが強気発言ばかりしていたことが番組が無くなった原因なのかもしれません。
危機を認識できない原因
株が短期間に暴落すると皆が金融危機だと認識しますが、その暴落がくるまで金融危機に陥っていることに気付かない人が多い理由は4つあります。
①人間の心理バイアス
②経済構造の複雑さ
③専門家の予測限界
④政府やマスコミが真実を伝えない
①心理バイアス(行動ファイナンス)
人間は不確実な状況下で合理的な判断を下すのが難しく、以下のようなバイアスが働きます。
楽観バイアス(正常性バイアス)
「自分だけは大丈夫」「今の好景気が今後も続く」と根拠なく信じてしまい、リスクの兆候を過小評価したり、無視したりします。
確証バイアス
自分の見通しに都合の良い情報だけを集め、暴落を示唆する警告や否定的なデータを無意識に排除してしまいます。
大衆心理
周囲の投資家が買っているから安心だと思い込み、熱狂(バブル)に乗ってしまいます。
ヒューリスティック
最近の好調な市場の記憶が強烈なため、過去の暴落の教訓よりも直近の成功を重視して判断してしまいます。
②経済・市場の構造的要因
複雑化でリスクが見えない
複雑な派生商品などにより、リスクがどこにどれだけ蓄積されているか、専門家や政府でさえ正確に把握することが困難になっています。
「今回は違う」という過信
新技術や新しい経済政策が登場すると、「過去の理論はもう通用しない(今回は暴落しない)」というロジックが正当化され、警戒心が薄れます。
シグナルの遅れ
経済の歪みは水面下で徐々に蓄積されますが、それが「目に見える暴落」として現れるまでにタイムラグがあります。
大手企業の破綻などにより表面化した時にはすでに手遅れです。
③専門家の予測限界
統計の罠
金融危機のような「極端な事象」は統計的に予測が難しく、専門家も「想定外」としがちです。
特に今回の中央銀行バブル自体を認識していない専門家が多いのでなおさらです
④政府やマスコミが真実を伝えない
大本営報道・プロパガンダが多く、真実を伝えないことも原因です。
2022年、米中央銀行FRBが、「インフレは一時的(transitory)」と主張し続け、
利上げを遅らせたため、その後、急速な金利上昇になりました。
その時にFRBの「インフレは一時的」の言葉を信じて長期の米国債や住宅ローン担保証券(MBS)を持ち続けた次の銀行が巨額の含み損を抱え、2023年に破綻しました。
シリコンバレー・バンク Silicon Valley Bank
シグネチャー・バンク Signature Bank
ファースト・リパブリック・バンク First Republic Bank
シルバーゲート・バンク Silvergate Bank
この時、米政府は極めて迅速かつ異例な包括的救済策を打ち出して金融危機を食い止めました。
気づけない4つの原因まとめ
金融危機を認識できない原因をまとめると次の4つです。
・見たいものだけを見る心理
・見えないところで膨らむリスク
・専門家が確信を持って間違える
・報道や専門家のいうことを鵜呑みにする思考停止
どうすれば危機を気付けるようになるのか?
危機を気付けるようになる秘訣は次の通りです。
・人間の心理を理解する
・リスクに敏感になる
・情報に対して正しいか自分の頭で考える
疑心暗鬼ではなく正しいか疑うことが大切です。
常になぜと考えることが大事です。
リーマンショック時と今の類似点
現在、リーマンショック時との類似点がいくつもあります。
1.原油価格急騰 物価上昇による景気悪化
2.不動産ローンの焦げ付き リモートワーク普及によるオフィス需要低下で不動産価格低下
3.サブプライムローンに似たプライベートクレジットの焦げ付き増加
4.AI・ハイテク株の過熱感から調整局面に入る可能性
5.インフレ抑制のための利上げが長引き、企業の利払い増加
「リーマンショックの再来」よりも、高金利やバブル崩壊を起点とした
「社会構造の崩壊」への警戒感が強まっている状況です。
リーマンショック時との類似性については別途詳しく解説したいと思います。
次の金融危機がスタートしている可能性
今回の中央銀行バブルは過去のバブルと異なり、官製相場、官製バブルのため、過去に何度か金融危機になりそうな局面があったものの何度も抑えられてきました。
現在、米ドルの利下げ余地はあるものの、イラン戦争によるインフレ・スタグフレーションの懸念があるので利下げができず、一方で利上げすると国債の利払いが増えるので財政問題を加速させます。
イラン戦争による戦費増大要因もあります。
株はすでに天井を打ち、次の金融危機が始まっている可能性について吟味することが大事です。

S&P500 日足
知恵を得て準備した人に富が移動する時
今は知恵を得て準備した人に富が移動する時です。
今後も、他では聞けない本質的で実践的な情報の発信を続けていきます。
危機が段階的に進む展開を先読みして順次解説していきます。
つまり、危機の構造を説明していきます。
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