AI・機械学習で日本の社会を読み解く

日本の社会は教師あり学習に偏重
AI・機械学習の視点を持つと世の中の色々なことがよりハッキリと見えてきます。
機械学習とは何か、という基本を知りたい方は以下を参照ください
https://real-int.jp/articles/2866/
日本の社会は三つの学習の中では、ほとんど教師あり学習の世界観になっています。
例えば、受験勉強のような正解を覚えてアウトプットする、これは教師あり学習そのものですが、企業や役所において、先輩や上司に言われた通りに仕事をすることも教師あり学習です。
学校も職場もほとんど教師あり学習だけです。
教師あり学習は前例があり、それを模倣すれば良いような場合、日本経済が右肩上がりのような局面では有効ですが、今のような激動の時代には強化学習の方が合っています。
強化学習が必要な時代に、教師あり学習に偏重していることが多くの問題に繋がっているともいえます。
AIが得意なのは教師あり学習
三つの学習のうち、AIが最も得意なのは教師あり学習です。
ホワイトカラーが職を失う、アメリカでは8割から9割が削減されるとまで言われていますが、その最大の原因はホワイトカラーが教師あり学習に特化してきたからです。
日本でも受験勉強や偏差値、学歴や専門家や官僚といった世界観で社会を形成してきましたが、これらは全てAIの方が優秀であり、将来的にはほとんど不要になります。
従って、AIにもできないこと、すなわち教師なし学習と強化学習の組み合わせが大事なのですが、日本の社会も教育システムも全くそれに対応できていません。
変化が激しい時は強化学習
ここ数十年でパソコン、スマホ、そして最近はAIと、あらゆるものがデジタルになり、激しく時代が変化しています。
このように時代が激しく変化した場合、強化学習が合っていますが、日本のエリートの大半は教師あり学習が優秀な人を育てる仕組みになっています。
日本の官僚も政治家も、教師あり学習しかやったことがないのに、強化学習の課題を急に突きつけられ、対応ができず、人材不足感もあります。
これに対して、アメリカはトランプやイーロン・マスクなど、起業で強化学習が鍛えられた人材が豊富で、日本はそれに振り回されている印象です。
強化学習者と教師あり学習者では、前提が異なるので、コミュニケーションも難しいはずです。
なぜ日本からはイノベーションが生まれないのか
ここ最近の日本は、なぜスティーブ・ジョブズやイーロン・マスクのようなイノベーターが生まれないかも、機械学習の視点からある程度説明可能です。
基本的にイノベーションとは、機械学習でいえば、教師なし学習+強化学習に相当します。
特に未知のパターンを発見する、というのは教師なし学習の領域になります。
これに対して、現在の日本の起業、スタートアップ業界自体が教師ありの世界観で構築されています。
すなわち、起業の本を読み、起業家の成功体験を聞き、失敗しないモデルにベンチャー・キャピタルが投資する、これは全て教師あり学習、つまり模倣の世界観です。
本来、人にはないパターンを見つけるには、リベラルアーツのような教育と、試行錯誤すること、つまり教師なし学習と強化学習の組み合わせが合っています。
スティーブ・ジョブズの自伝を読むと、大学でカリグラフィーを学び、ガレージで試行錯誤と、まさにイノベーションに適した学習をしていることがわかります。
日本人の権威主義
日本人の権威主義的な価値観、お上や政府、マスコミや専門家が正しい、と思考停止になりやすいのも、機械学習から簡単に説明ができます。
義務教育や職場で教師あり学習だけをずっとやらされるからです。
模倣しかしたことないので、思考という概念が育っておらず、また感覚も封じられています。
まとめ
このような多くの事例、社会問題、ビジネスに関することの解決への糸口が機械学習の視点から様々な示唆が得られることがわかります。