公開日 2021年4月16日

ダブルノータッチオプションでの3つの戦略

今回は、オプション・バリアの性質についての解説に加えて、オプションの壁を利用したトレード例もご紹介していきます。
ダブルノータッチオプションでの3つの戦略

西原宏一著 『30年間勝ち続けたプロが教えるシンプルFX 』(SPA!BOOKS)より一部抜粋しています。すべてを読みたい方は、こちらをご覧ください。

前回の記事「オプションの壁を利用したトレード」の続きです。

83円の壁とオプションの行使期限

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先ほどの例でいえば、「83円をつけさせないために、その手前で大量に売り注文を出す」といった動きが考えられ、そのためにバリア価格に達しづらいわけです。

ところが、防戦売りもむなしく、83円を超えてしまうと、今度は「83円は超えないだろう」と考えていた売り手の損切り買いが一斉に始まります。需給が一気に逆転するので、急騰しやすくなります。図5を見ても、「83円の壁」を抜けてから上昇が加速しているのがわかります。

こうした特徴を知っていれば、「83円の壁」の10銭上に新規の買いの逆指値を置いておく、といった戦略が立てられます。高値を買っていくのは怖いかもしれませんが、この場合はトレンド方向も上でしたから、積極的に買っていける場面です。

ただし、オプションでひとつ気をつけたいのが期限です。先ほどの83円のオプションであれば、真偽のほどはわかりませんが「12月半ばが期限」との情報があり、83円を突破したのは12月12日でした。

相場に多大な影響を及ばす巨大なオプションの力も、行使期限を過ぎてしまうと、その時点で消滅してしまうので要注意です。

2つのオプションバリア

ダブルノータッチ・オプション

オプションを使ったトレード例をご紹介しましょう。材料となるのは「ダブルノータッチ・オプション」と呼ばれるタイプのオプションです。

1ドル100円のときに「1ドル99円まで下げず、1ドル101円まで上昇もしなければ利益になる」といったような上と下、両方に価格が設定されたオプションです。「指定した一定のレンジ内に収まれば利益になる」オプションと言い換えてもいいでしょう。

この「ダブルノータッチ・オプション」を利用したトレードで、印象に残っているのが2013年1月初旬の米ドル/円です。

1ドル86円75銭と、90円75銭の間に大きなダブルノータッチ・オプションが置かれているとの情報が為替専門ニュースでも流れ、僕は3つの戦略で売買しました。【※図6】

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オプション・バリア

もっとシンプルで利用しやすいのが、オプション・バリアです。下の86円75銭近くまで落ちてきたところで買えば、トレンド方向とも合致し、下はオプション・バリアが守ってくれるので、効率のいいトレードができます。

それに、もし仮に、86円75銭のバリアを突破し下抜けしたとしても、トレンド方向のポジションなので、あわてて損切りしなくても、いずれ近いうちに戻るだろうと多少の含み損は我慢できます。

一方で、上の90円75銭近辺まで上がってきたときは、先ほどの「83円の壁」で紹介したのと同じ発想での短期ショート戦略です。ただ、トレンドと反対方向のポジションなので、「十分に引きつけてから」と強く意識していました。

加えて、86円75銭のオプションで十分利益を上げている参加者は、トレンドと逆である90円75銭のオプションに対しては、それほど防戦売りをしてこない可能性もあると考えていました。

結果的には、90円75銭はさほど時間をかけずに抜けたのですが、抜ける10時間ほど前、「ならでは」と思わせる攻防がありました。90円75銭手前での防戦売りです。【※図7】

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90円70銭に並んだ大量の売りが上昇を阻み、90円69銭が高値となったのです。ただ押し目が非常に浅いため、トレンドと逆行したこのオプションは抜けると考え、抜ける手前で自分のポジションはロングに戻しました。

さらに3つめの戦略は、「オプション・バリア」を抜けると跳ねやすいという特徴を利用した、99円77銭での逆指値の買い注文でした。

オプションそのものを取引するのは、高度な金融知識が必要で大変ですが、オプションを利用したFXでの戦略は難しいことはありません。オプションの存在感が為替市場で増している昨今では、とても有効です。

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プロフィール

西原宏一

西原宏一

元外資系銀行チーフディーラー。 エフピーネット(株)インベストメントアドバイザー。 株式会社CKキャピタル代表取締役・CEO。 鋭い視点のファンダメンタルズ分析が強み。

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