株反発

米中間選挙は民主党の大勝利となりました。
バンス副大統領は「われわれが敗れた理由は戦争だ」と投稿しています。
9カ月目に入ったイラン戦争によるガソリン価格の高騰が、生活費への不満を一気に押し上げた形です。
民主党の大勝を受けて、4日の東京市場では日経平均の下げ幅が一時3,000円を超えました。
上下両院を制した民主党がAI関連の規制強化に動く可能性が意識され、半導体関連株に売りが先行しました。
ただその後、トランプ大統領が選挙結果を受け入れたことで、結果の正当性をめぐって争う「最悪のシナリオ」は回避されました。
buy the factの動きも加わり、日経平均は下げ幅を大きく縮めています。
ドル円は157円ミドルから158円ミドルまで値を戻しています。
NY市場では、原油安を追い風に株と国債がそろって上昇しました。
原油
有権者のイラン戦争への不満が鮮明になり、戦争終結への期待からブレントは10%近く急落、100ドルを割り込んで94ドル台になりました。
株
S&P500は1.6%高と、8月上旬以来の大幅高です。ねじれ議会で政策が膠着し、トランプ大統領の財政拡大や関税政策に歯止めがかかるとの見方が好感されました。
債券
米国債の利回りは全年限で低下し、10年債は4.88%です。米財務省が中長期国債の発行ガイダンスから「少なくとも」の文言を削除し、早ければ2027年にも長期債の発行を減らす可能性を示したことも、長期金利の低下を後押ししました。
ドル
ドル指数は一時0.6%下落と、この2カ月で最大の下げ幅になりました。
金
一時3.1%高と8月以来の大幅高で、4,000ドルの大台を回復しました。2月末のイラン戦争の勃発以降、金融引き締めへの警戒から約25%下落し、先週には1年ぶりの安値をつけていたので、明確な反発です。
goldがここまで反発したことからも、基本はドル安の流れと見ています。
ドル円の反発は、株の下げ渋りによるリスクオンの円売りが中心と考えています。
民主党が上院を奪還したことで、トランプ大統領がFRBの人事を通じて金融政策への影響力を強める構想には歯止めがかかりました。
新議会ではウォーレン上院議員が銀行委員長に就く公算が大きく、政権寄りの理事の承認は難しくなります。FRBとウォーシュ議長は政治的な圧力を受けにくくなり、利上げでインフレを抑えやすくなります。
これは本来ドルの支えになる材料なので、今後の金利見通しには注意が必要です。ただ、個人的には株の調整はまだ終わっていないと想定しています。
注目しているのはデータセンター建設の行方です。テキサス州では民主党候補が現職の共和党知事を破り、州内のデータセンター開発の即時凍結を公約に掲げています。
インフラ建設の許可を出すのは州なので、民主党の知事が建設に反対するリスクは、今後も意識されそうです。実際、4日の米国株は中身が大きく分かれました。
上昇
すでにデータセンターを持つマイクロソフト(+6.7%)やアマゾン(+6.1%)。アップルは時価総額で世界首位に返り咲きました。
下落
これから建設資金を調達する必要があるコアウィーブ(-9.9%)、半導体のマイクロン(-7%)やエヌビディア(-3.2%)、規制強化が懸念されるテスラやスペースX
全体の株高とは裏腹に、AIブームを支えてきた銘柄ほど売られています。東京市場で半導体関連株が売られたのと同じ構図です。
さらに来年1月からは、民主党が多数派を握る議会による調査が本格化します。
* トランプ一族の汚職疑惑
* 企業への優遇措置
* 暗号資産、予測市場、プライベートクレジット
* AI投資のリスク
ウォール街への監督強化も含め、企業にとっては新たな不透明要因です。
内政で手足を縛られるトランプ大統領が、外交・安全保障でより大胆な行動に出る可能性も指摘されています。
* イランへの追加攻撃
* キューバへの軍事介入
* 関税の再引き上げ
投票日には、年間約40億ドルの対イスラエル軍事支援を年末で打ち切る方針も表明しました。ヘグセス国防長官の更迭も検討されていると報じられています。
この後は、イラン停戦交渉の行方、各州のデータセンター規制の動き、そして2週間以内に予定されている米中首脳会談に注目です。
西原宏一のシンプルトレードの一部を抜粋してお届けしています。
シンプルトレードでは、リアルタイムで相場観やポジションを配信しています。
関連記事
各講師のオンラインサロンや有料サービスもございます。詳しくは商品一覧ページをご確認ください。


























