公開日 2026年6月26日

過去の円高時代の介入手法を振り返る

GW介入の効果は消滅。次回介入へ向けた秘策・奇策はあるのか。外貨準備の評価益と過去の介入手法から読み解く。
過去の円高時代の介入手法を振り返る

昨日に米国時間に入り発表されたFRBが最重要視する物価指標である5月のコアPCEデフレーターの結果は以下の通り、

5月コアPCEデフレーター(前月比)
+0.3%(予想+0.3%、前回+0.2%)
5月コアPCEデフレーター(前年比)
+3.4%(予想+3.4%、前回+3.3%)
Q1(1-3月期)のGDPの確定値
+2.1%(速報値+1.6%)
に上方修正されています。

コアPCEデフレーターは完全に市場予想通り、もっと大きな数値が織り込まれていたことともあり、金利低下から、為替市場ではドルは高値圏より反落となっています。

トレードポイント

USDJPYは2024年の高値に面合わせ、162円の防戦売り等に頭をおさえられ、その後は161.56まで反落しています。

11.7兆円の外貨準備を取り崩して実施されたGWの政府・日銀の円買い介入の効果が短期間に消えたことで、次回の介入に向け手法等を再検討していると思います。

かつて2000年前後の円高時代に取られた円売り介入の手法をざっと振り返ると(財務官が違いますので、同じ方法が採用されるとは限らない前提で)…。

(1)比較的流動性の乏しい東京時間の朝(またはオセアニア時間)から介入を開始した

(2)ある一定の水準にビッドを置き、ドル売りを全て吸収した

(3)一旦介入した時点よりさらに上にビッドを置き、ドル売りを吸収した

(4)ECBやFRBなどの他の中銀に円売り介入を委託した

(5)対ドルだけではなく、対ユーロや対新興国通貨で円売り介入を実施した

こうした円売り介入が積み上がり、2000年以降、2011年の東日本大震災後の円高対対応まで約53兆円の円売り介入が実施されたわけです。

今とは時代背景も異なり、市場の流動性も厚くはなかったので、この程度の額で奏功しました。

今回はどうか、2022年以降、すでに36.2兆円も費やし、新高値更新が迫り、想像以上の円売り圧力に押され危機感を強めていることでしょう。

昨晩161.95で押し戻されたことで、上の(2)(今回は円安局面なのでオファーとなりますが)が気になりますが、可能性は低いと思います。

一部には、かつて高市首相が(円高時代の介入から、外貨準備に大きな評価益が計上され)ホクホクと発言していました。

今、ドル売りを実施するだけで、莫大な実現益を確保できるわけで、ガソリン補助金、食品消費税減税を推進するなか、外貨準備の実現益は喉から手が出るほど欲しいことでしょう。

162円水準での介入の可能性は低いと思いますはが、いろいろな秘策・奇策が検討されている可能性はあります。

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プロフィール

竹内のりひろ

竹内のりひろ

元外資系銀行チーフディーラー。 エフピーネット(株)インベストメントアドバイザー。 為替・金利など幅広いアプローチからの独自の相場展望をできることが強み。

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