「トランプ関税」、法的敗北と政治的継続

米連邦最高裁は先週金曜日、トランプ大統領が2025年4月に発動した関税措置について、国際緊急経済権限法(IEEPA)は恒常的な貿易赤字を理由とする広範な関税を認めていないとの判断を示しました。
6対3での決定は、議会の通商権限を大統領が越権したと明確に線引きしたものであり、トランプ政権にとっては象徴的な敗北となりました。
そして今回の判決は、単なる通商政策の是非を超え、経済政策における大統領権限の限界を改めて確認した点に意味があるとも言われています。
関税の返金には触れず
今回の判決では、返金の可能性を巡る問題については未解決であり、これまで徴収された約1,300億ドル相当の関税の返金については、今後数か月のうちに下級裁判所で判断されることになるそうです。
調べたところ、その手続きを管理するのは米国国際貿易裁判所であり、返金は自動的に行われるわけではないため、返金を求める輸入業者は個別に提訴しなければなりません。
既にこのプロセスは始まっており、現在1,000社を超える企業が法廷闘争に関与していると書かれていました。
トランプ大統領の反応
ホワイトハウスは、このような違憲判決を想定して、事前に準備を進めていました。
現時点で米政権が取れる手段としては、
- 301条(不公正貿易慣行)
- 232条(国家安全保障)
- 122条(国際収支問題)
- 338条(米国輸出に対する差別措置)
この4つがあるそうで、これらのうち、122条が最も迅速な選択肢を提供し、手続き上の要件も最小限。
実施はほぼ即時に可能だという事で、トランプ政権は1974年通商法122条に基づく新たな関税を発表。122条は国際収支問題を理由に最長150日間、最大15%の関税を課すことを認める一時的措置で、適用期間終了後の継続には議会参加が必要です。
このように、IEEPAは封じられましたが、関税政策そのものが終わったわけではない点は覚えておく必要があります。
金融政策を左右するインフレ面では、現時点までは企業側がコストの大半を吸収していましたが、価格転嫁が進めば消費財価格への波及は時間の問題となりかねません。
幸いなことに、賃料の伸びの鈍化やエネルギー価格の落ち着きなど「ディスインフレ要因」が緩衝材として機能しており、直ちに金融政策見通しを修正する局面ではないと、私は考えています。
関税は続く
関税に関しては、最高裁は憲法上の制約を示したに過ぎず、通商政策の方向性そのものを変えたわけではありません。
そして企業にとっては、返金が実現するか否かの不透明な中での訴訟リスク、新たな関税への移行、そして新たな関税標的分野有無など、不確実性が一気に高まってきました。
初動はドル売り
ドル売りで反応
金曜日の違憲判決を受け、マーケットはドル売りで反応しました。いろいろ考えてみたのですが、今回のドル売りは、
- 米国の政策の一貫性に対する疑念
- 通商政策の予見可能性の低下
- 司法と行政の衝突
などが表面化し、安全通貨ドルに対するプレミアムの剥落だったと理解しています。
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続きを読みたい方は、「イーグルフライ」よりご覧ください。
2026/2/24の「イーグルフライ」掲示板より抜粋しています。
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