公開日 2024年4月11日

豪ドル/ドルの低ボラティリティーとは

逼迫する労働市場と下方粘着性の強い物価動向から豪州が直面するインフレ圧力は根強い。RBAの前年比2~3%インフレ目標の早期実現は難しい。利下げの時期は24年後半以降にズレ込みそうである。となると豪州経済の成長鈍化は2024年を通して不可避となろう。
豪ドル/ドルの低ボラティリティーとは

RBAも動き様がない

豪ドルが対円で100円台まで上昇した。日本からの豪州旅行者にとっては、換算がしやすいものの、物価の高さには閉口するしかあるまい。

ただ、対ドルでは昨年12月末以降、ジリ安の展開にあり、豪ドルが強い通貨とは言えない。というか、ここでもやはり「ドル一強」トレンドが覆い被さっている。

したがって、豪ドル/ドルで鞘稼ぎするなら、ドルが下げトレンドに転じたとき以外は避けるべきと思われる。

まずは3月19日のRBA(オーストラリア準備銀行)会合について結果をお伝えしておこう。

政策金利(4.35%)の据え置きを決定した。23年11月会合での利上げ(4.10%→4.35%)以降、据え置きは3会合連続。

前回会合間で、1月のCPI、23年10-12月期実質GDPが公表されたが、いずれもインフレの再加速を懸念させるものではなかった。

1月CPIは、総合CPIが前年比プラス3.4%(23年12月も+3.4%)、変動の大きい品目と旅行費を除くCPIが同+4.1%(前月+4.2%)と、いずれも前月と同じ伸びで推移した。

23年4Q(10-12月)の実質GDPは前月比+0.2%と市場予想(同+0.3%)を下回り、経済活動の鈍化がより鮮明なものとなった。

据え置きの背景についてRBAは、インフレ率は最新のRBA見通しと一致して、緩やかに低下しているものの、依然として高い水準にあり「高い金利水準は、経済の総需要と総供給のより持続的なバランスを確立するために作用している」として、引き続き金融引き締めの累積効果を見守る姿勢を取った。

サービス価格については、依然として高止まりしているか、緩やかなペースで低下していると評価した。

インフレの見通しについては、足下はRBAの見通しと一致して推移しているとしつつも、依然として不確実性は高いとしている。

声明文では、引き続き不確実性を高める要因として、以下のリスクを挙げている。

  1. サービス価格の高止まりや海外紛争による供給制約によるインフレ率の上振れリスク
  2. 金融政策の波及効果のラグや中国経済の減速を、
    国内経済を想定した以上に下押しするインフレ率の下振れリスク
  3. 個人消費の方向が見えていないリスク

つまり、インフレ率の変動リスクは上下双方向にある状況が続いているというわけである。

先行きについては、声明文で「適切な期間内にインフレ率が目標に戻ることを、最も確実にするための金利のパス(先行き見通し)は依然として不透明であり、理事会はどのような可能性も決定していないし、排除もしていない」、「データとリスクの評価がどう進展するかに依る」と、利上げの可能性を残したものの、前回会合での「金利のさらなる引き上げの可能性は排除できない」という直接的な表現は削除された。

この点について、ブロック総裁は政策決定後の記者会見で、足下のデータから「金利のさらなる引き上げを否定できるほど、まだ確信はないが予測期間内にインフレ率を目標に戻す道筋が見えている」ことから、表現の修正を行ったとコメントしている。

ブロック総裁の会見では、利上げも含めてあらゆる可能性を排除していないことを強調する場所が、たびたび見られたが、前回会合よりもインフレ抑制の確度が高まったと判断していると言えよう。

利下げのタイミングについては言及を避け、引き続き慎重な姿勢を示した。

7月1日には個人消費税の減税が控えていることもあり、インフレ圧力になり得るのか実際のデータで確認するため、少なくとも年央までは現状の据え置きを継続すると考えられる。

減速経済の状況と今後

豪州経済の減速が続いている。

23年通年の成長率は前年比+2.0%(22年=同+3.9%)から大幅に減速した。インフレや利上げにより、個人消費の低迷が続いている。

また、・・・

続きを読みたい方は、「イーグルフライ」よりご覧ください。
2024/4/11の「イーグルフライ」掲示板より抜粋しています。

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金森薫

金森薫

国際エコノミスト。元外為・債券・株先ディーラーという実践経験を生かした経済分析、マーケット分析。

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