スティーブ・ジョブズに学ぶ 最初は投資を小さく始めるのがお勧め
アマチュアトレーダーに必要なこと
個人投資家でありながら、FX関連の書籍を多数出版している田向宏行が、10年以上前に自分がトレーディングを始めた頃に読んだら、参考になるだろうなというコラムをお届けしていきます。
アップルの創業者スティーブ・ジョブズ氏は自宅のガレージでアップル・コンピュータを創業したのは有名な話ですが、当時彼はアップルコンピュータの仕事だけをしていたわけではありませんでした。つまり「専業」ではなかったのです。
ほかの仕事をしながら、ガレージで小さくスタートし、徐々に事業が大きくなってきてからアップルの事業に専念したとのことです。
これは投資でも同じことです。というより、起業はまさに投資なので、小さく始めて大きくするのが王道であるわけです。
FXや投資を始めるとき、損をすると思って始める人はいません。誰もが儲かっている将来の自分を想像しています。
すると、利益が大きくなるように口座に入れる資金も多くなりがちで、取引枚数を大きくしがちです。儲かる前提でいますから、利益を大きくしようと思うわけです。
でも現実の相場では、賢明な読者の皆さんがご承知の通り、勝つときもあれば負けることもあります。だから損切りを入れます。
勝ったときに大きな利益となるシナリオの取引規模は、負けた場合には大きな損になります。
自分のトレード・スタイルが確立していれば、その損も計算のうちですが、そうでない場合は少額でスタートして損を小さくした方がいいと思います。
手持ちの資金を自分のスタイルが確立したときに使うために温存しておき、最初は小さく始めるのがお勧めです。
私も最初はこうした考えがなく、見事に口座を飛ばしたことがあります。安易な理想は、現実の損失という形で突きつけられました。
トレードで負けない人はいないので、負けトレードも含めてどのように収益を増やすかを考えるのが大事だと思います。
こうした考え方が、資金管理の最も基本的なところなのではないでしょうか。