見れば見るほど間違える チャートの予測と認知バイアス
動画で見たい方はこちら
脳の特徴を知る
8月5日に日経225の歴史上最大の暴落がありましたが、それでも右肩上がりを信じている人は多いです。
人には金融危機の予兆があっても、警告があっても金融危機を認識できないという脳の特徴があることを次の記事で指摘しました。
本記事は、この続きなので合わせてお読みください。
https://real-int.jp/articles/2641/
書籍「ブラックスワン」にも書いてあるように「人には不確実性を扱えない」という不都合な真実があります。
今の激動の時代に投資で利益になる人は、このことを理解し、対応できている人です。
チャートを見続けると先読みできない
相場を予測するためにチャートをずっと見ている人がいます。
実はこれは相場予測ができなくなる原因なのです。
なぜなら、チャートを見続けることで脳の先読みをしなくなるからです。
これは毎日相場を見ているプロが失敗する要素の一つです。
実に興味深い脳の特徴です。
実例
例えば、消火栓の映像を、最初に真っ白な完全にピントが合ってない状態から次のように二種類のピントを合わせた状態にします。
① 徐々にシームレスに明確にしていく動画
② 徐々にコマ送りで明確にしていく動画
するとコマ送りの方が消火栓と認識できるのが早くなります。
イメージ図
元画像
シームレスに変化しているものは
脳が先読みをしなくなり
コマ送りの変化の方は
脳が先読みをするのです。
つまり、毎日チャートを見ている人は相場予測が遅くなるということです。
毎日、チャートを見続けない人の方が相場予測がしやすいのです。
チャートを見続けると相場に飲まれる
チャートを見続ける人は、
未来が予測できなくなるだけではなく、
相場に飲まれることになります。
冷静に相場を見ているはずなのに、買うと下落、売ると上昇することになります。
特に乱高下する相場では市場参加者の多くが相場に飲まれている状態です。
激動の時代を認識できない
私たちが生きている世界は、加速度的にいろいろな事件が起きています。
近年の想定外の事件
100年に一度といわれるリーマンショック
地震リスクが低いエリアの東日本大震災
あり得ないと言われていた原発事故
世界的パンデミック事件と都市封鎖
想定外のウクライナ・ロシア戦争
想定外のハマス・イスラエル戦争
人類初の中央銀行バブル
大きな世界的インフレ
地震リスクが低いエリアの能登半島大震災
過去にないような猛暑・ゲリラ豪雨
過去にない不思議な台風の動き
始めての南海トラフ地震の注意報道
日経225の歴史上最大の暴落
想定外のことが多発する時代になり、報道でも想定外という言葉が多く使われています。
日々、徐々に変化していくことで、激動の時代になっていることに気付かない人も多いです。
ゆでガエル現象
これは、ゆでガエル現象と同じです。
ゆでガエル現象とは、水を入れた鍋の中にカエルを入れて徐々に加熱すると、カエルは熱くなっていくのに気づかず湯だってしまうということです。
ゆでガエル現象とは「人が危険が迫っているにもかかわらず変化がゆるやかなため気付かず、気付いた時には手遅れになっている状況」をあらわす言葉です。
投資では、環境が変わったり、前提が変わった時には、その時の状況に合わせること、つまり、相場についていくことが大事です。
相場についていくことは次の記事を参考にしてください。
https://real-int.jp/articles/2640/
実際に、カエルを使った実験では、熱湯になる前にカエルは飛び出てしまうそうですが、人の場合、気付いた時には手遅れになっていることは多いと思います。
初めてのことは理解できない
現在、バブルだと思っていない人が多いのは、今回のバブルは人類が初めて経験する中央銀行バブルだからです。
過去に経験がないものに対して理解できないのは当然です。
合わせてお読みください。
https://real-int.jp/articles/2586/
対策:思考の片寄りを防ぐ方法
思考の片寄りを防ぐ方法は、ある意味簡単で「反対意見も聞いて、じっくり思考する」ことです。
自分は「株は上昇する」と固く信じていても、反対意見も聞いて吟味するとよいです。
多くの人は自分の意見と反対の意見を聞かないので、歴史上最大の日経225の暴落を警告かもしれないと考えずに、確信を持って買い増しのチャンスだと思うのです。
反対意見を聞いてリスクを理解した上で、自分の選択として買うのであれば良いのですが、反対意見を聞く耳を持たないのは、脳の特徴です。
本能で投資すると損失となるというのが、投資の世界の常識です。
認知バイアスがあるからです。
こちらを合わせてお読みください。
https://real-int.jp/articles/2260/
SNSの時代は自分の意見と同じ意見だけを目にするようになるので、片寄りが激しくなります。
特に2008年9月のリーマンショック以降、下げたら買いが成功パターンで、それだけが頭に焼き付いているのでなおさらです。