ブラックスワン、灰色のサイの可能性 激動の時代に備える

ブラックスワンとは
ブラックスワンとは黒鳥(コクチョウ)のことです。
白鳥(スワン)は白いと信じられていたのですが、オーストラリアで黒い白鳥が発見されたことで常識が大きく覆りました。
日本語だと黒白鳥となるので、特に違和感があります。
このように今までの常識・知識・確率論などからは予測できない極端な事象が発生し、それが人々に大きな影響を与えることをブラックスワンと呼んでいます。
相場の世界ではマーケットにおいて事前にほとんど予想できず、起きたときのマーケットへの衝撃が大きい事象を指します。
ブラックスワンの具体例には次のようなものがあります。
- 2008年 リーマンショック
- 2016年 英国のEU離脱
- 2016年 米国のトランプ大統領当選
- 2020年 新型コロナウイルス
現在、中国の三峡ダムが決壊することをブラックスワンと表現しています。今まで壊れないとされてきたダムが、壊れるかもしれないという思う人が増えてきたからです。
中国の洪水は、中国でも報道が限定的であり、日本では、ほとんど報道されていませんが規模が凄まじく被害拡大中です。
想定外の災害がブラックスワンですが激動の時代は想定外の災害が多発する時なので、ブラックスワンは当たり前にいると思った方がよいです。
報道では想定外という言葉が多いですが想定外を想定内と認識することが大切です。
灰色のサイ(グレーリノ)とは
最近はブラックスワンだけではなく、灰色のサイという言葉も使われるようになってきました。
ブラックスワンは想定外のことが大きな問題となることですが、反対に灰色のサイは想定内のことが起きて大きな問題となることです。
サイは大きく重たい体のため普段は動きが鈍くおとなしいです。
しかし、一旦暴走し始めると誰も手を付けられない爆発的な破壊力となります。
マーケットにおいて高い確率で大きな問題を引き起こすと考えられるにも関わらず、皆から軽視されたり、考えないようにしている材料を灰色のサイと呼びます。
具体例には次のような灰色のサイがいます。
- 無制限の金融緩和のツケ
- 少子高齢化(日本は少子高齢社会を超えて超高齢社会)
- 格差拡大
- 国民を圧迫する独裁政策
- 大地震
新型コロナウイルスによる株価暴落をブラックスワンと表現されましたが、その時、同時にマーケットは無制限の金融緩和のツケという灰色のサイも感じ取ったと思います。
米国が無制限の金融緩和政策を出しても最初は無視して暴落を続けたからです。
激動の時代はブラックスワンがトリガーとなり灰色のサイが暴れだしたり、灰色のサイが暴れだして他の灰色のサイを暴れさせることになるのでしょう。
現在、ブラックスワンが見え隠れし灰色のサイが沢山いる状態だと理解し、備えておくことが大切です。
激動の時代は、準備していない人から、知識を得て準備していた人に富が移動するからです。
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