教師のための金融投資教育
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金融経済教育推進機構が立ち上がる
金融庁主導の元、2024年から金融経済教育推進機構が立ち上がり、本格的に高校生からも金融、投資教育が始まります。
日本では長年、金融機関主導で投資商品を売るための教育を投資教育といってきました。
金融機関の都合の良い内容で本質的なものではありませんでした。
本質的なリテラシー教育が求められています。
教科書を読む前、教える前の前提
正しい投資リテラシーや金融リテラシーを身に付けることで、詐欺に騙されない知恵を得ることは可能ですが、もっと本質的な知恵が必要です。
金融や投資を教える立場の人に必要な前提知識があります。
教科書を読む前、教える前に理解しておく必要がある大事な基礎をまとめました。
投資の本質
昔から日本では大手金融機関が、買ってはいけない投資商品を購入したり、金融危機の時に最後のババを引くのが日本の金融機関といわれてきました。
金融機関自身が買ってはいけない投資商品を買うのは他社が買っているという理由だったり、危険度の認識が低いからです。
このような状態であることを理解するのがリテラシーの第一歩です。
具体的に見ていきます。
1.投資の本質が分からない
テレビに登場する金融や投資の専門家・学者の方々において投資で利益を出せる人は少ないです。
相場の方向とポジションを持つタイミングが分からないからです。
実に興味深いです。
https://real-int.jp/articles/2090/
2.金融危機を予測できない
投資で利益を出せない一番の理由は金融危機を予測できないからです。
担当が入れ替わるので、担当者が前回の金融危機を知らないということもあります。
7年に1度など周期的に金融危機が起きるのですが、常に相場を見ていることで人は変化に気付かなくなるという特徴があります。
たとえば、消火栓の画像を最大にぼかした状態からフォーカスを合わせてどこで消火栓だと認識できるかの実験があります。
この時にフォーカスを合わせるために2つのやり方があります。
① スムーズにシームレスに徐々にフォーカスを合わせていく
② コマ送りでフォーカスを合わせていく
すると②のコマ送りの方が早く消火栓だと認識できるのです。
シームレスに変化するものに対して脳の認識に遅れるのです。
つまり毎日、ずっと相場を見ていると脳が未来を予測しにくくなり
一週間に一度相場を見る方が、脳が未来を予測しやすいということです。
ずっと相場を見ていることがプロの弱点といえます。
さらにプロが金融危機を予測できない理由は次の視点が抜けることです。
① 高い視点
② 金融危機を予測する視点
③ 世界の株、商品(ゴールド、原油)為替、債券など全てを見る視点・グローバルマクロの視点
3.報道を鵜呑みにしない ポジショントーク
TVなどの報道情報を得ることが大事とも言われますが、報道はポジショントークやプロパガンダが多いことを知ることが大切です。
ジョージソロスがゴールドを買う時に、「ゴールドはこれから下がる」と発言し、それが報道されます。
報道を見た投資家があわててゴールドを売るのでゴールドは一旦下げますが、下げたところをジョージソロスが買うのです。
しばらくすると、元価格以上に上昇していくので、投資家は安値で売らされることになります。
4.報道を鵜呑みにしない プロパガンダ
政府は選挙に勝つために選挙前に株が上昇する政策をします。
また、景気が悪くなりそうだと、株が上昇するという発言で株を上昇させます。
景気が良いから株が上がるのではなく景気が悪いから株価を上げて景気を良くするのです。
政府が嘘でも株が上昇する予測を発表し、それが報道されることで株を買う人が増えるため景気が良くなります。
勿論、一時的に景気が上昇しても、トレンドを変えることはできないので、最終的にもっと悪い状況になることが多いです。
政府情報は常に株上昇のバイアスがかかることになりますし、それが許されています。
民間が株式の嘘の情報を流すことは「風説の流布」といい犯罪ですが、政府は犯罪になりません。
特に、日銀の政策は本当のことを言わなくても良く、価格変動が起きないように玉虫色の発言をしたり、相場操作を目的に発言しても良いので、それを鵜呑みにしないことがリテラシーの基本です。
口先介入という言葉もあります。
日銀は円安を止めるために手持ちのドルを売る介入をすることがあります。
口頭で介入するような表現をするだけで円高に振れるので、実際にドルを売るのではなく、介入を思わせるだけの口頭だけの介入もあるのです。
メディアは真実を伝えるものではないと認識することが大事です。
5.教科書的知識は使えない
教科書的知識は必要ですが、今の相場は、昔の相場とは違って教科書に書いてあることと反対に動くことが多いです。
たとえば、
昔は、景気が良いと株価は上昇します。
今は、景気悪化指標が発表されると金融緩和(利下げ等)を期待して株価が上昇することも多いです。
長らく景気を良くするために金融緩和してきた弊害により、相場の動きが政府の政策依存型の不自然な相場になっていることが原因です。
これは、その時々によって、相場の動きが違うということです。
長期投資においても教科書的知識が使えなくなっている部分が多いのです。
つまり、教科書的知識だけで投資してはいけないということです。
これを聞いて投資をYOUTUBEで学ぼうとすると、これも危険です。
投資系のYOUTUBERで、株や為替など相場の方向性を語っている有料サロン、LINEなどは全て違法だからです。
https://real-int.jp/articles/2161/
リアルインテリジェンスの記事を参考にしてください。
6.投資商品は基本的に避ける
例えば、ファンドマネジャーが頭を使って運用するアクティブファンドより、何も考えずに機械的に指数銘柄を買うインデックスファンドの方がパフォーマンスが良いという不都合な真実は何十年前から海外では常識でした。
それではインデックスファンドなら何でも良いかといえば違います。
金融機関の窓口でインデックスファンドを推奨されたとしても、それは手数料の高いインデックスファンドで、一番投資家にとって一番お勧めのETF(=上場投資信託)を推奨してくれることはありません。
ETFとは株式市場に上場している投資信託で、株と同じように簡単に取引できる銘柄です。
ETFの方が運用手数料が安いのでパフォーマンスが高いためETFがお勧めですがETFを推奨しても金融機関は全く儲からないので基本的に勧めません。
7.奴隷教育を避ける
日本の戦後の義務教育は奴隷教育です。
奴隷教育とは、次のようなものです。
自分の頭で考えない教育
先生の教えること、教科書の内容を覚える教育
本質を深掘りする思考をさせない教育
成績が良いと褒め、悪いと叱る教育
成績が良いと褒め、悪いと叱る教育が当たり前になっていますが、これは典型的な奴隷教育です。
成績が悪いと価値がないと教育するからです。
https://real-int.jp/articles/489/
日本の義務教育は自分の頭で考えるのではなく、先生の言うことを理解するという視点が強いです。
日本人の投資リテラシーが世界でも低いのは、自分で考える教育ではなく奴隷教育を受けた結果だと思われます。
会社の福利厚生で投資教育には、次のような結論の教育もあるほどです。
「投資は難しいからプロに任せましょう」つまり、
「ファンド・投資信託を買いましょう」という教育です。
これは教育ではなく、投資商品のセールスです。
ほとんど全ての分野で前提を無視することが多いのも教育で前提を考えさせないことが理由なのでしょう。
8.世界はどうなるか理解する
投資はもちろん、全ての分野で何かをしようとする時には最初に前提の確認が大切です。
投資をする前に「世界はこれからどうなるか」を理解することが大切です。
ほとんど全ての人が無意識に世界経済や日本経済や株が右肩上がりを前提にしていまが、それが正しいのかと考えることが大事です。
投資の本質を理解するためにこちらも合わせてお読みください。
どこにも書いていない大事なことです。
https://real-int.jp/articles/2414/
投資の前提を理解するための関連記事
https://real-int.jp/articles/2247/
https://real-int.jp/articles/544/
https://real-int.jp/articles/2064/
https://real-int.jp/articles/2305/
https://real-int.jp/articles/2359/
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