レイ・ダリオ衝撃的な米国覇権終了と株暴落予測
レイ・ダリオの予測の解き明かし
レイ・ダリオ(Ray Dalio ) 1949年生
世界最大のヘッジファンド「ブリッジウォーター・アソシエイツ」創業者です。
複数の資産運用の革新的手法の提唱者です。(備考欄参照)
レイ・ダリオの大きく俯瞰した視点や言動から投資の神様と呼ばれるウォーレン・バフェットより格上だと認識しています。
レイ・ダリオの解説は高度だったり断片的だったりして分かりにくい部分があるので解析し、簡潔に明確に解説しました。
ここまで分かりやすいレイ・ダリオの予測解説は他にないように思います。
レイ・ダリオの予測、つまり
米国覇権終焉の予測
金融危機の予測
は、今生きている私たちが経験したことがない衝撃的なことなので大事な予測から先に記します。
米国覇権終焉の予測
レイ・ダリオが予測する米国の覇権終了までの大きな流れは次の通りです。
①信用支出が拡大しすぎてバブルが発生
リーマンショクやコロナで大量のドルばら撒きでバブル発生
②バブルが弾けて金融危機
リーマンショック以降のバブルもすでに天井を打ち
静かに金融危機進行中
③米国が多額の軍事費を払う余裕がない時に戦争になる
代理戦争のウクライナに大量の資金投下済
イスラエル戦争にも大量の資金投下前夜
④ドルと米国債に不信感
すでに反米国がドル離脱ムーブメント
⑤ドルと米国債を持つ者が売却
すでに中国が毎年、米国債を大量売却
⑥米国覇権の終了
実に現状にぴったり符合しています。
米国覇権の終焉が近い警告といえます。
米国金融政策の予測
レイダリオが予測する米国の今後の金融政策は次の通りです。
①再び、金融緩和(利下げ)
②ゼロ金利にしても間に合わない
③量的緩和開始(中央銀行が国債購入)
④スタグフレーション・悪性インフレが加速
⑤ドル安に向かう
⑥中央銀行破綻
中央銀行が国債をどれだけ買っても財政破綻に陥ることはあり得ないと思われているが歴史を見ると明らか
⑦米国の覇権の終焉
中央銀行が破綻するレベルの金融危機が来るということです。
私も、今後金利は下落に向かう局面がくると思っていますが
この米国の金利下落が株大暴落のサインだと思っています。
つまり、②と③の間に株大暴落・金融危機があり、凄まじい量の量的緩和をするため悪性インフレとなり中央銀行が破綻という流れです。
https://real-int.jp/articles/1970/
レイ・ダリオの思考ロジック
衝撃的な結論から先に書いたので、その結論に至った経緯を解説します。
以前から、レイダリオの相場観や世界動向予測は、私、松島修と似ていると言われてきました。
レイダリオの相場観や世界動向予測などを私の書いてきたものと照らし合わせると理解度が高まるので、比較して解説したいと思います。
現在、米国株と日本株は連動しているので、米国株動向は日本株動向と同じです。
リーマンショックを予測したグローバルマクロ
レイ・ダリオもリーマンショックを予測し、対処してきました。
100年に一度と呼ばれるような金融危機を乗り越えることができたのは過去の債務危機がどのように起きたのかを理解するテンプレートを開発していたからです。
グローバルマクロ戦略に基づく投資家として学んで得てきたと本人が語っています。
世界の全ての相場や動向を俯瞰して見て判断するグローバルマクロの考え方は、極めて大事で、その時々に一番美味しい相場にポジションを持つことを可能にします。
日本では、株、為替、商品と別々の専門家に分かれてしまっています。
大きな視点で全ての投資や世界動向を把握して、その時々に適切な投資をするというプロは、ほとんどいません。
https://real-int.jp/articles/2305/
今、学者、政府関係者、投資の専門家は株の強気発言が多いですが、レイ・ダリオも私も、すでに金融危機が始まっていると判断しています。
レイ・ダリオの見方は大きく異なる
レイ・ダリオの相場観は、学者や政府関係者とは大きく異なります。
レイ・ダリオの言葉
自分は投資家で、多くの経済学者や政府関係者とは見方が異なる。
経済変化が反映される相場にて、経済変化にお金を賭けているからだ。
大衆はいつも間違えるのと同じように、学者や政府当局も、いつも間違えます。
プロパガンダもありますし、学者や専門家ほど、大衆心理になっていることが多いです。
こちらを参考にしてください。
https://real-int.jp/articles/2064/
500年の歴史から判断している
レイダリオが凄いのは500年前からの歴史を調べて周期的に覇権が移っていくことに目を付け、バブルとバブル崩壊、覇権の移動に一定のパターンがあることを見出したことです。
プロも含め、ほとんどの人は最近の数年の相場や社会動向しか見ていない中、レイ・ダリオは500年前からの覇権の推移を検証して、今の相場予測に応用しているのです。
当たり前といえば、当たり前のことですが、長年の歴史をしっかり見て検証している人がほとんどいないのです。
私の場合、500年の検証はしていませんが、2007年6月8日が激動の開始日だとしてリーマンショック前の日経225の天井で全ての投資を止めるように言ったのは、そこから激動の時代・黙示録の時代に入ったとユダヤ暦から判断したからです。
合わせてお読みください。
https://real-int.jp/articles/1784/
レイ・ダリオの相場判断の理論
レイ・ダリオが作り上げた相場判断の仕組みは3つあります。
①大規模な債務サイクルの原型のためのテンプレート
②3つの象徴的なケーススタディ
超長期サイクル分析でバブルとバブル崩壊を予測
1918年~1924年 第一次世界大戦のドイツ
1928年~1937年 米国
2007年~2011年 リーマンショク
③48個のケーススタディ
レイ・ダリオの言葉
テンプレートによって前例のない大嵐にうまく備えることができます。
100年に一度の大洪水や疫病を研究している人は、それを事前に察知することは一般人より容易にでき、うまく備えることができるのに似ています。
レイ・ダリオは本質を理解しているといえます。
レイ・ダリオの覇権推移図
レイダリオの覇権推移を図にしたものがこちらです。
レイ・ダリオは覇権国である米国は現在、末期症状で図の右中央近辺に位置していると警告しています。
具体的な状況は次の通りです。
①巨額の債務
②内戦状態、2024年11月大統領選、民主党と共和党対立・貧富差拡大
③戦争 ウクライナ代理戦争 イスラエル戦争
④米国と中国、大国の対立
米国の覇権は天井を打ち、下落して現在、戦争モードに入っているという判断です。
レイダリオは、この図の天井がいつだったのかは明言していないようですが、
個人的には激動の時代が始まった原点と判断した日2007年6月8日近辺がレイ・ダリオの図の天井に相当するのだと思います。
また、レイ・ダリオが米国株の天井がいつになると判断したか分かりませんが、個人的には、米国株・ニューヨークダウの相場の天井は2022年1月1日だと判断しており、事前にお伝えしてきました。
https://real-int.jp/articles/1090/
レイ・ダリオはゴールド好き
レイ・ダリオは個人が投資として保有すると良いものとして以前からゴールドを推奨しています。
レイダリオが金・ゴールドを推奨する理由は次の通りです。
・インフレ対策
・ゴールドは国に依存しない国際通貨
レイダリオは「金利は貨幣のコスト」という表現をしています。
ゴールドの裏付けのない紙幣・貨幣に価値を付けるためのコストが金利です。
ゴールドに金利が付かないのは、そのものに価値があるからです。
トルコリラが高金利なのに長期下落しているのは、インフレが激しい、つまり通貨価値の下落が激しいからです。
この状態で金利が無くなると通貨はさらに暴落することになります。
私も、金・ゴールドは今の激動の時代の保険だと判断しているので2001年より金融資産の半分をゴールドで保有することをお勧めしてきました。
縦軸は2001年からの変化率です。
ニューヨークダウ以上にゴールド上昇しているのは、今の米国覇権が末期であることを意味していると思います。
https://real-int.jp/articles/2072/
レイ・ダリオは新興国好き
現在、中国が米国債を売却し、反米諸国はドル離脱して、他の基軸通貨に移行しようとしているので、確かに米国の覇権の末期といえます。
レイ・ダリオは覇権が移動する時に戦争があるので、中立な新興国に投資をすると良いと判断しているため、レイ・ダリオの投資先は中立の新興国への投資が大半です。
そしてレイ・ダリオは中国が次の覇権国になる可能性が高いと判断しています。
新興国や中国の覇権についてはレイダリオの相場観と私の相場観は違います。
私は、新興国は大きく下落してからは買いですが、今はまだ早いと思っています。
先進国の株が暴落するとそれ以上に新興国の株は下落する可能性が高いと判断しているからです。
また、中国が今後の覇権国になるイメージも現在はありません。
今の激動の時代は黙示録の時代であり覇権国という概念が消滅すると考えているからです。
https://real-int.jp/articles/2336/
過去の金融危機、災害で投資利益にしてきた秘訣を公開していますので、是非お読みください。
https://real-int.jp/articles/2316/
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備考
資産運用の革新的手法とはリスクパリティ・為替オーバーレイ・ポータブルアルファ・グローバルインフレ連動債運用などの手法があります。
写真は bloomberg.co.jp