学生のための本質的な金融投資教育①
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金融庁が主導の元、2024年から 金融経済教育推進機構 が立ち上がり、本格的に高校生からも金融、投資教育が始まります。
金融庁は、すでに前段階の「高校生のための金融リテラシー講座」をPDFで公開しています。
高校生のための金融リテラシー講座
https://www.fsa.go.jp/news/r3/sonota/20220317/package.pdf
このPDFの内容自体は良いですが、高校生にはもっと手前の、根本的な話が必要です。
そもそも豊かさとは何か
投資や資産管理の前に、そもそもなぜ多くの人は仕事をして、お金を稼ぐのでしょうか。
大部分の方の目的は大なり小なり、豊かになること、幸福になることではないでしょうか。
お金はその富、豊さの一部です。
また、お金をどう稼ぎ、どう使うかがその豊さを決めていきます。
まずはそうした、お金や富そのものを理解することから始めていくことが大事です。
富は複数ある
まず、富を理解する時に大きく、7つくらい種類があることをイメージすると良いと思います。
参考までに富を7つに大まかに区分しています。
7つの富
❶お金・財産
❷スキル・才能
❸知恵
❹愛情(人間関係や家族含め)
❺環境(生まれ育ちや経験含め)
❻健康(肉体的、精神的)、品性
❼天職(使命、自分に合った仕事)
ポイントは、お金や財産、つまり投資教育で習うのは、7つの富の一部でしかないことです。
また、お金以外にも愛情や健康が幸せに欠かせないことは、感覚的にわかると思います。
また、富はお互いに関係しています。
たとえば、才能や知恵という富を使って仕事をして、お金を増やします。
健康であるから仕事でお金を稼ぎ、またその稼いだお金で自己投資することで、より健康になっていくわけです。
反対に、お金のために健康や家族を犠牲にするとどうでしょうか?
お金という富は増えても、7つの富トータルで見たときは、むしろマイナスになっている可能性が高いです。
そうすると、本来の幸せになることからは遠ざかることになります。
富を増やすというのは、お金だけでなく7つの富の総量で考えていくことが大切です。
どのようにお金を増やすのか
そもそもの話として、お金を稼ぐ方法は複数あります。
投資もその一つですが、あくまでその手段に過ぎません。
大きくは3つのお金の稼ぎ方があります。
①会社員や公務員として勤めて給料をもらう
②自分で起業して、事業を作り自分で稼ぐ
③投資による資産運用
③の投資運用に関しては、元手が必要になるので、①か②をまずは考えていくのが普通だと思います。
①と②、つまり自分は勤めるタイプなのか、起業するタイプなのかは適性があると思います。
従って、まずは自分を知ること、自分の適性を見つけることが大事です。
どのように富を増やすのか
7つの富を満遍なく増やしていくには秘訣があります。
それは、天職、自分に最も合った仕事をしていくことで、お金を稼ぐことです。
金融庁の投資教育はお金を稼いだ後の話ですが、
そもそもどのようにお金を稼ぐのか良いのか
それが、義務教育全体から大きく抜け落ちています。
天職とは、自分が最も得意で最も好きなこと、やりがいが持てる仕事です。
あるいは、これは自分にしかできない、という使命感を感じてする仕事のことです。
天職という概念は非常に重要ですが、偏差値中心の義務教育ではなかなか対応できていない分野です。
まず、偏差値や受験勉強というのも、一つの天職を知るツールに過ぎません。
受験勉強が非常にできる人は、例えば官僚や公務員としての適性があることはわかりますが、
音楽や芸術の才能があるかまではわかりません。
野球の歴史を変えた大谷翔平選手も、学校の勉強もできたかもしれませんが、その中で彼の才能を測ることはできなかったでしょう。
天職とは、一人一人が大谷翔平選手のような、自分だけにしかできない仕事、熱中できる仕事を見つけることです。
どうやって天職を知るのか
自分の天職を知るには、まず興味があるものを実際に色々やってみることが大切です。
学生の時間は、そうした天職を知るために時間を使う時期だと思います。
もう一つは自分の性格を知ること、難しくいえば自己理解と自己認識になります。
例えば、社交的で人といつもいることが好きなタイプの人は、一人で黙々と進める事務職のような仕事は合っているようには見えないです。
性格に関しては性格ドットコムで大まかに四つの性格タイプを知ることができます。
性格ドットコム
https://www.seikaku.com
他にも、自分が何に興味を持ち、何が今まで人生の出来事で影響を受けたか、などノートに書いて自分を理解することから始めてみることが、天職を見つける上で役に立ちます。
あとは、楽しんで自然にできるところが天職の可能性が高いです。
日本人は努力、頑張ることを美徳としている人が多いですが、天職を知る上では、その概念はむしろマイナスになることがあります。
なぜなら、懸命に努力をしている、頑張らないとついていけない時点で、その分野には才能がない可能性が高いからです。
たとえば、有名人で東大の主席だった成田悠輔氏などは、自分が、興味があることを勉強していたら、結果的に主席になったと言っていました。
努力そのものを否定する意味ではないですが、自分が得意なこと、好きだから苦がなく続けられ、結果、成果が勝手についてくる、ということの方が天職には近いです。
そして、どんな天職を見つけても、7つの富をどれだけ重ねて持っていても、正しいマインドセットを身につけていないと、根底から崩れていきます。
正しいマインドセットについては、次の記事で説明していきたいと思います。
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