ゴールドは金融危機の保険
ゴールド/ドルが高値更新するか
ゴールド/円は過去最高値を更新しました。
ゴールド/ドルも過去最高値を更新しそうです。
チャートをご覧ください。
ゴールド/ドル週足 Tradingview
相場の本質として高値を更新すると上昇加速する傾向があります。
といっても高値を買うのは推奨しません。
プロは高値を越えたら買いをする人が多いのですが、近年はこれがうまくいかなくなっています。
高値を結んだラインが抵抗ラインになるので、ライン突破後、そのラインまで下落してきたらストップロスを入れて買いです。(押し目買いといいます)
高値になればなるほど乱高下するのが相場の特徴です。
本記事は次の記事の続きです。
https://real-int.jp/articles/2072/
ゴールド上昇しても困らないので上昇しやすい
コモディティ(商品)には、ゴールド、原油、小麦など穀物などがあります。
ゴールド価格は上昇してもあまり困らないですが、原油や穀物価格は上昇すると困ります。
つまり、ゴールド価格が上昇するとIC内の配線やコネクターなどの金メッキ部分などが上昇しますが、使用量は微量なので大きく困ることはありません。
一方、原油価格が上昇すると、プラスチックだけではなく、ガソリン代・運送費、全ての物価が上昇することになりますし、穀物価格が上昇すると新興国は不安定になるので困ります。
政府も価格抑制対策をします。
価格が上昇しても困ることが少ないゴールドは上がりやすいといえます。
株大暴落の最初はゴールドも下げる
金融危機(金融信用収縮)になり株が暴落開始するとゴールドも最初は下落する可能性が高いです。
従って、金融危機でゴールド価格が低下した時に買うのは良いと思います。
暴落の原因によってはゴールドは下げないかもしれません。
しかし、いずれにしても株の大暴落後は株より早くゴールドは上昇する可能性が高いです。
ゴールドを推奨しなかった人も推奨
ゴールドを見向きもしなかった人たちが買い始め、
ゴールドを推奨していなかった人も推奨をはじめました。
金利の付かないものは投資対象として向かないという考え方があります。
しかし、それは平時の考え方で、激動の時代には通用しません。
激動の時代は次のようなことがあり、どれもゴールド上昇方向だからです。
大量の通貨発行・通貨下落・インフレ
金融危機
戦争
想定外の災害
国・中央銀行の信任低下
国家破綻・米国債務上限問題
新金本位制導入
激動の時代、金融危機の時には
株より債券の方が安全
債券より現金の方が安全
現金よりゴールドの方が安全
という流れが発生し、
ゴールドより安全なものがないのです。
金利や配当がないものは投資しないという人は一番美味しい投資先を避けることになります。
ゴールドは保険
ゴールドは本来は投資対象というより保険に近い存在です。
激動の時代に一番必要なものが保険なので、ゴールドを保有するのが良いということです。
反対にいえば、激動の時代の保険はゴールド以外に思いつきません。
「長期投資できるものはゴールドしかない」とお伝えしてきた理由です。
金利低下でゴールド上昇ではない?
通常は米国の金利が変動すると
金利上昇はゴールド下落
金利下落はゴールド上昇です。
ところが、現在のようなインフレ懸念で米国の金利が上昇してきた局面では
金利上昇の途中からゴールド上昇
金利下落で株暴落する可能性が高く、
ゴールドも最初は下落するものの、
その後真っ先に上昇する可能性が高いと判断しています。
こちらの記事を参考にしてください。
https://real-int.jp/articles/1970/
米国債務上限問題とゴールド
国家破綻すると通貨の価値が急落し、ゴールドの価値が上昇します。
米国がこれ以上国債を発行できないという上限があり、上限を越えると米国が国家破綻するという問題が米国の債務上限問題です。
つまり、政府は議会の承認を得て上限を引き上げる必要があるものの、引き上げられないと国債の新規発行ができなくなり、債務不履行(デフォルト)になるのが米国債務上限問題です。
現在、米国の景気が悪化、税収低下により、上限に達するのが早まっています。
今迄は米国の債務上限問題について騒がれても上限を引き上げてきたので茶番で終わっていました。
ほとんど全ての人が上限は、また引き上げられると楽観視していますが過去の延長線上に未来がない激動の時代、グレートリセットも懸念されているので「まさか」に備えることが大事です。
現在、バイデン大統領の周辺の動きがきな臭く信任低下しています。
揉み消されていたハンターバイデンのPC事件などが急に表面化しています。
債務上限を引き上げる力が失われる方向です。
最近のバイデン大統領の不祥事続きは米国が破綻に導かれている説があります。
日本は国家破綻するのか
2023年(令和5年)3月末の国債発行額は1068兆円で、毎年増加しています。
www3.nhk.or.jp
日本のGDPは550兆円くらいです。
財務省の日本の借金の状況資料を見ても、日本の国債の量は主要先進国の中で飛び抜けて高い水準です。
国債金利が上昇すると国の利払いが増えることになり財政悪化になります。
日本だけが利上げしないのは、国債の利払いが増大するからです。
日本では、国に資産があっても国債が売れ残る(未達)と国家破綻に導かれます。
中央銀行が国債を買うので大丈夫という声もありますが、中央銀行が国債を買い続けるとハイパーインフレとなり、実質国家破綻と同じです。
国家破綻するとゴールド上昇です。
そもそも日銀のホームページには「日本銀行における国債の引受けは、財政法第5条により、原則として禁止されています 。」と明示され、その理由も書いてあります。
https://www.boj.or.jp/about/education/oshiete/op/f09.htm
新金本位制でゴールド上昇
金本位制が崩れたのは1971年8月15日のニクソン・ショックです。
金と米ドルの兌換(交換)が停止されたのです。
それまでは、ゴールドの保有量までしかドルを発行できなかったのですが、ゴールドと交換しないことになったので比較的自由に通貨発行できるようになりました。
最近、世界は急激に米ドルを使わない方向に動いており、ペトロダラーが崩れてきています。
ペトロダラーとは原油取引を米ドルで行うことであり、これが米ドルの強さの源泉でした。
原油が湧き出るのとリンクして米ドル需要が発生するからです。
ロシアや中国は基軸通貨を狙っており、そのためには新金本位制となる可能性があり、そうなるとゴールド上昇です。
https://real-int.jp/articles/1477/
金鉱山株は買ってはいけない?
前の記事で、2001年のゴールドの大底で金鉱山株を買って半年で3倍から5倍になったので売却してゴールドに乗り換えたことを書きました。
この時から今も、金鉱山株はゴールドより魅力がないので、お勧めしません。
ゴールド価格が上昇しても産金コストも上昇していることと、採掘可能な鉱脈が少なくなっているからです。
金の世界埋蔵量は約5万トンといわれ現在のペースで掘っていくと20年後には底を突くといわれています。
鉱脈を掘りつくすことで金鉱山株の価値はゼロに近づいていくことになります。
もちろん、一時的だったり、一部の金鉱山株には妙味があるのかもしれませんが、ゴールドの方が安心感があります。
現在も黄金の国ジパング
日本は昔、黄金の国ジパングと呼ばれていたようにゴールドが取れました。
東京の多摩川でも砂金取りができますし、全国に砂金取りができる川があります。
塩は金の隠語で塩山は金山を意味します。
日本は緯度と経度からゴールドなどが産出しやすいエリアです。
オーストラリアも北朝鮮もゴールドの産地です。
日本の秋田県などの国定公園の中の山には眠っている金鉱山があるものの、対外的に掘らせてもらえない状態になっているようです。
これは日本の保険だといっても良いかもしれません。
オーストラリアと日本の緯度は同じです。
Google Map
北朝鮮と秋田の経度は同じです。
Google Map
ちなみに北海道札幌市南区定山渓には世界最大のインジウム産出量を誇る豊羽鉱山(とよはこうざん)があったのですが、深く掘り進み、岩盤の熱さにダイナマイトが自然発火してしまうため閉山となっています。
鉱脈自体はさらに深部まで続いていることが確認されています。
日本には、大量のゴールドやレアメタルが眠っていると思います。
金融危機が静かに進行中
現在、金融危機が静かに進行中だと判断していますので、次の記事も合わせてお読みください。
日本のゴールデンウィーク時には、株が急落することが多く、そのように株が急落する時はゴールドも下げる良い買い場となる可能性があります。
https://real-int.jp/articles/2088/
https://real-int.jp/articles/2090/
続きの記事
https://real-int.jp/articles/2098/