注目は次の為替介入点
動画でも解説していますのでご覧ください。
先週の動き
先週1週間の主要通貨の対ドルでの騰落は、先々週に続き全て通貨の下落が続き、ドル高の動きが加速しています。
FOMCを通過しても材料出尽くしとはならず、ドットチャートやSEP(この先の経済見通し)のなかで誘導目標金利の上方修正が発表され、ドルが買われています。
日銀金融政策決定会合は異次元緩和を継続、金融政策の格差は拡大するばかり、日銀黒田総裁の会見後に円売りが加速して24年ぶりの高値を更新する145.90を示現しました。
その後、政府・日銀が為替介入に踏み切ったものの安値は140.36止まり、下値の堅さをかえって印象つけてしまいました。
英国では財源の裏付けがほぼない1972年以来の超大型経済対策が発表されていますが、金融市場が拒絶反応を示し株、英国債、ポンドのトリプル安に見舞われました。
余波は欧州通貨に波及、EURUSDも20年ぶりの安値を更新する0.9668まで下げ幅を拡大しています。
先週予想した値幅と実際の値幅
USDJPY
予想した値幅 626pts
実際の値幅 554pts
EURUSD
予想した値幅 350pts
実際の値幅 382pts
EURJPY
予想した値幅 544pts
実際の値幅 537pts
実際の値幅は事前に予想した値幅とほぼ整合的、オプション市場が織り込んだIV(予想変動率)は為替市場の値幅を制御していることになります。
今週予想する値幅 68%/95%の下限/上限
USDJPY
予想する値幅 550pts
68%下限/上限 140.60/146.10
95%下限/上限 137.85/148.85
EURUSD
予想する値幅 368pts
68%下限/上限 0.9509/0.9877
95%下限/上限 0.9325/1.0061
EURJPY
予想する値幅 570pts
68%下限/上限 136.09/141.79
95%下限/上限 133.24/144.64
9/22に集中した主要中銀の金融政策の発表を終えても、依然としてオプション市場は大きな変動を織り込んでいることになります。
ちなみに先週ポンドが急落した影響もあり、今週1週間でGBPUSDは683ptsの値幅を織り込み、余震が続く可能性があります。
値幅の概念、考え方はこちらの動画からご確認ください↓
https://youtu.be/77AfCia_GjE
今週の展望
まず、今週は先週の主要中銀の金融政策の発表を終え、週初はその消化期間、落ち着きどころを探る展開を予想します。
ブラックアウト期間(注)とFOMCが終了したことで、今週は多くのFRB高官や地区連銀総裁の講演等が予定されていますが、おそらくハト派的なものは何もないでしょう。
(注)中央銀行の金融政策の発表を前に、金融政策を担うメンバーが発言や講演を禁止される期間
注目は次の為替介入点、本欄では繰り返し申し上げていますが、円買い介入は外貨準備(外準)が実弾の上限ですから、安易に放銃するのは不可能です。
あくまで危機対応とすれば、先週引けの143円台では再介入の可能性が極めて低く、あるとすれば145円台、可能性が高いのは昨年来高値更新後とみえてきます。
8月末の外準は1.292兆ドル、このなかで証券が1.172兆ドル、大半が米国債でしょうから、これを売って介入原資とするのは対米関係からムリでしょう。
預金が0.136兆ドル、143円換算で19兆円ですから、おそらく現状、20兆円程度が限度とすれば、安易な放銃はさらに難しくなります。
今月末の9/30には財務省が「外国為替平衡操作の実施状況」を公開予定ですから、ここで先週の介入額が判明します。
続いて、英国の情勢、対策規模約25.5兆円という総額は多少上下する可能性はありますがほぼ決まり、動揺から資金の英国離れ、トリプル安が続く可能性があります。
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