FXはレバレッジなしでも稼げる?FXならではのメリットと注意点
FXトレードでは「絶対にレバレッジをかけなければいけない」という決まりはありません。レバレッジなしでのトレードはもちろん、リスクを抑えて利益を狙うトレードも可能です。
この記事では、レバレッジなしのFXトレードとはどんなものなのか、特徴やメリット、注意点、トレード方法も含めて紹介していきます。
今回のポイント!
- レバレッジなしでトレードするメリットと注意点
- レバレッジなしのトレードと外貨預金の違い
- レバレッジなしで稼ぐ方法がわかる
FXはレバレッジなしでも取引できる!
FXトレードではレバレッジをかけた取引が一般的ですが、レバレッジを全くかけない取引もできます。まずは、レバレッジをかける取引とはどんなものなのか、逆にレバレッジをかけない取引にはどんな特徴があるのか、基本的な部分から見ていきましょう。
レバレッジをかけるメリットと注意点
そもそもレバレッジとはどういうものか、基本からおさらいしましょう。FXでは証拠金を口座に入金すれば、その何倍もの金額の通貨をトレードできます。この特徴が、小さい力で大きなものを動かすテコの原理に似ていることから、英語でテコの意味をあらわす「レバレッジ」と呼ばれているのです。現在、国内のFX会社では最大25倍のレバレッジをかけられます。海外では25倍以上のレバレッジをかけられる会社もありますが、日本の認可のない会社なので証拠金が保全されていないことが多いので避けましょう。
例えば、「レバレッジ5倍」は、証拠金の5倍の金額分をトレードするという意味です。レバレッジのおかげで元手が小さくても大きな金額を取引し、元手に対して大きなリターンが期待できます。しかし、損失を出せばそれだけ元手を大きく減らすリスクがあることに注意が必要です。
レバレッジなしのFX取引とは
では、逆にレバレッジをかけないFXトレードはどんなものでしょうか。レバレッジなしのFXトレードとは、レバレッジを1倍にしたトレードを意味します。レバレッジ1倍とは証拠金と同じ金額分の通貨だけを取引するトレードです。
例えば、ドル円が1ドル100円、10万円が証拠金の場合を考えてみましょう。レバレッジなしであれば、10万円分のドルを取引するので、1,000ドルをトレードする計算になります。レバレッジが25倍の場合は250万円分のドルを取引するので、25,000ドルをトレードすることになります。元手の資金が同じ額でも取引量にこれだけの違いが出るわけです。
レバレッジなしのFX取引は外貨預金と同じ?
「レバレッジが1倍なら外貨預金とどう違うの?」という疑問がわいてくるかもしれません。一見、違いは全くないように見えますが、実は異なる点が多数あります。
コストと利益の面で言うと、一番の違いは手数料です。例えば、ドル円を外貨預金した場合、1通貨につき1~2円の手数料が取られるのに対して、FXトレードなら1通貨につき0.02円程度の手数料ですみます。
加えて、FXトレードの場合、スワップポイントという通貨の金利差分が毎日加算されますが、外貨預金であれば満期になる間ずっと預けないと利息分は受け取れません。
その他の違いとしては、万が一金融機関やFX会社が破綻してしまったときの保証です。FXなら信託保全により口座のお金は返ってきますが、外貨預金は預金保険の対象外となるため、お金が戻ってくるという保証がありません。
また、好きな時間に取引できるFXに対して、外貨預金は金融機関の窓口営業時間内のみ取引できるという違いもあります。このように外貨預金とレバレッジなしのFXトレードは実に多くの点に違いがあるのです。
【外貨預金とFXの違い】
FXのレバレッジなしで為替取引をするメリット
ここまでレバレッジの基本やレバレッジなしのFXトレードの意味、外貨預金との違いをみてきました。では、レバレッジなしのFXトレードのメリットはどういうものがあるのでしょうか。
強制ロスカットのリスクが低い
FXトレードで一番避けたいのは強制ロスカットです。強制ロスカットとは評価損が大きくなってきたときに、ルールに従って自動的にポジションが強制決済されてしまう仕組みです。
ロスカットルールはFX会社によってそれぞれ異なりますが、現在の口座の評価額が必要な証拠金と同額以下になった場合に発動するのが一般的です。
例えば、資金に対して余裕を持たずにフルレバレッジでドル/円をトレードした場合、たった1~2円変動するだけで強制ロスカットになってしまうケースもあります。これがレバレッジなしでのトレードであれば、20~30円程度まで変動しても耐えられるでしょう。
このようにレバレッジなしの取引は、レートの変動にそれほど過敏にならずに取引ができることがメリットです。
外貨預金より手数料が安い
外貨預金との違いでも触れたように、レバレッジなしのFXトレードは手数料が安いことが大きなメリットです。投資には損失以外にも避けて通れないコストがあり、その一つが手数料です。手数料をいかに安く抑えるかが、トレードで利益を残すためには重要となります。
FXトレードで手数料にあたる部分がスプレッドです。スプレッドはFX会社によっても異なりますので、よりスプレッドが小さい業者ほど手数料を抑えられます。FXトレードの手数料は外貨預金よりは間違いなく安くつきますが、FX会社間でもスプレッドの小さい業者を選べばさらに手数料を抑えられます。
相場が下がっているときも稼げる
こちらも外貨預金との対比になりますが、FXトレードでは相場が下落基調の時も差益を狙った取引ができることが特徴です。外貨預金の場合は、取引の方向としては通貨を買うことからしか始められません。そのため、長期的な下落基調が予想されるときは、下げ止まるまでただ待つしかないのです。
その点、FXは実物の通貨をやり取りするわけではないので、いきなり通貨を売ることから始められます。したがって、同じように長期的に下落基調になっているときでも、FXトレードではその下落の波をとらえて差益を出せる可能性があります。円をベースにした取引でわかりやすく言うと、今が円高基調であっても円安基調であっても変動差益を狙えるというわけです。
スワップポイントで稼げる
レバレッジなしでFXトレードをした場合、ある程度のレートの変動リスクにも耐えられるのは前述のとおりです。そのため、あたふたとトレードしなくても、長期保有できることがレバレッジなしのFXトレードのメリットです。長期的なトレンドを読んでレートの差益を狙えるのはもちろん、スワップポイントがプラスの通貨を保有していれば、スワップポイントでも利益を積み上げられます。
スワップポイントは、より高金利の通貨と低金利の通貨の買いポジションを持っているだけで毎日利益を得られることがメリットです。年間の利回りで計算すると数十%や100%を超えることもあります。現在の銀行の定期預金は高いところでも0.2%前後なので、銀行と比べると非常に大きな額を受け取れる計算になります。
FXのレバレッジなしで取引する際の注意点
レバレッジなしのFXトレードのメリットをみてきましたが、もちろんリスクが全くないわけではありません。では、具体的にはどんなことに注意すべきなのか、詳しくみていきましょう。
急激な価格変動に注意
長期保有を目的にレバレッジをかけないトレードをしている場合、頻繁にチャートをチェックして売買することは少ないかもしれません。また、損切りポイントも特に決めず、いわゆる「ガチホ」と呼ばれる戦略でトレードする人も多いでしょう。多少の変動であればそれほど気にする必要もないかもしれませんが、政変や世界情勢によってレートが急激に動くこともあります。
特に、高金利通貨では「暴落」といわれる大きな下落となるケースも珍しくありません。そんな場合は、スワップポイントでの利益を吹き飛ばすだけでなく、最悪の場合、強制ロスカットにもなります。いくら長期保有といえども、ほったらかしでも安心というわけにはいきませんので、急激な価格変動には注意しましょう。新興国通貨は高金利通貨ですが、新興国通貨は流動性が低く、突然暴落することが頻繁にあるので取引しないようにしてください。
スプレッドの変動に注意
スプレッドは、実質、FXトレードの取引手数料になります。スプレッドの大きさは業者によっても異なる点に注意が必要です。また、多くの場合スプレッドの大きさは固定ではなく、瞬間ごとに幅が変動しています。スプレッドはトレードにおけるコストなので、なるべくスプレッドが低い業者、低いタイミングでトレードしたほうが有利です。
また、経済指標の発表や要人発言があったとき、取引量の少ない時間帯にはスプレッド幅が大きくなりがちなので、トレードのタイミングとしてはなるべく避けたほうがいいでしょう。レバレッジなしのトレードとはいえ、スプレッドには注意することが大切です。新興国通貨は突然スプレッドが開くことがあるので、取引対象外通貨です。
スワップポイントはマイナスになることもある
スワップポイントはプラスばかりではなく、マイナスになることもあります。前述したとおり、スワップポイントは二国間の通貨の金利差によって生まれます。この金利は国が決める政策金利により常に変動するため、スワップポイントも連動しているのです。
最初は高金利だった通貨が低金利になったり、低金利だった通貨の金利が上昇したりして、当初に想定していたよりも金利差が出なくなることもあります。場合によっては金利差が逆転して、マイナススワップになるかもしれません。マイナススワップの通貨ペアのポジションは持っているだけで、資産が自動的に減っていくため、スワップポイントの変動には注意が必要です。
FXのレバレッジなしで稼ぐ方法
では、実際にFXでレバレッジなしで長期保有を前提に利益を狙う場合の方法を整理していきます。
- まずは、取引する通貨分の証拠金を用意します。
- 次にスワップポイントがプラスになる通貨ペアと売買の方向の組み合わせを選びましょう。外国通貨と日本円の通貨ペアの場合、買いポジションのスワップポイントがプラスになっている場合がほとんどです。間違って売りポジションを持つと、マイナススワップがつくので注意してください。
- あとは、長期のトレンドの方向性を確認し、タイミングを見てトレードしましょう。タイミング悪く高値掴みをしてしまうとレートの変動差益で損失からなかなか脱出できないケースもありますので、注意してください。
- 利益が積みあがったら、タイミングを見て利益確定します。
FXのレバレッジなし取引はリスクを軽減したい人におすすめ
レバレッジなしのFXトレードは、FXの中でも比較的リスクを抑えた投資ができるトレードです。価格変動による損失が拡大するスピードも遅く、トレードに対してゆったりと構えられます。また、長期保有すれば、スワップポイントで稼げるという大きなメリットもあります。
特に、トレードそのものに不慣れな初心者やあまりリスクを取らずにトレードしたい人には、レバレッジなしのFXトレードがおすすめです。もちろん、金利差やレートの変動には十分注意しながらトレードしましょう。
関連記事
自分の取引データを集めることが重要である理由
https://real-int.jp/articles/894/
FXのレバレッジで大きな儲けを出すには?設定方法や注意点なども解説
https://real-int.jp/articles/112/
FXでレバレッジをかける危険性とは?リスクを抑えて効率的に運用しよう!
https://real-int.jp/articles/68/