史上初の“ダブル恐怖”相場 投資するなら原油ETFがお勧め
米国や日本が行っている利下げや株買い政策は、新型コロナウイルスの問題も、原油の下落も直接的な解決策になりません。つまり、金融緩和してもウイルス抑止にはなりませんし、原油価格を上げることもできません。ガラガラの飛行機や新幹線の空席を減らすこともできません。
そして市場では、株の下落による恐怖と新型コロナウイルスによる恐怖とのダブル恐怖が売りを加速させていたと思います。株価が暴落すると、人は“死の恐怖”を感じ、株などを全て現金化するわけですが、これに新型コロナウイルスによる死の恐怖が加わったのです。このようなダブル恐怖の相場は過去になかったと思います。恐怖心は免疫力を低下させるので、恐怖心を持たないことが大切です。
ゴールドや穀物まで売られる状況は、全ての投資資金を引き揚げる金融収縮の特徴です。本記事を読まれて株式(日経225=日経平均株価)の高値圏で売りポジションを持っている人は下落に追従です。
長期の株を新規に買いたい人もいますが、今はまだ長期の買い場ではありません。短期取引は乱高下する相場では買ったら下落、売ったら上昇となりやすいのでご注意ください。
“中東紛争”で上昇局面も
為替は、今は難しい時です。
ここからの投資対象としては、日経225は戻り天井で新規売りポジションを持つことと、原油(WTI)の現在の水準、20ドル近辺から下をレバレッジ1倍以下で、パラパラと少しずつタイミングをずらして買っていくといいと思います。
原油を買うにはETFがお勧めです。原油は、サウジは大増産をして供給増。景気後退は需要減。現在、飛行機も便数が減って需要減なので原油の供給過多となり、原油は3カ月で3分の1の価格になりました。需給から考えると原油はしばらく低迷するので市場は原油が長期下落相場と判断しています。
落ちてくるナイフを拾うなという言葉もありますが、激動の時代の一番の火種は中東、イスラエルなので、原油の暴落により石油施設への軍事攻撃や中東紛争につながることも考えられます。中東で紛争が勃発すると原油は上昇する方向となります。
皆が殺到しないうちに食料品の備蓄をお勧めしてきましたが、今後の緊急事態に備えて数カ月分の生活費(現金)も用意していくこともお勧めいたします。
日刊ゲンダイWEB版にも掲載