MMT現代貨幣理論の真実
MMT現代貨幣理論とは 登場の経緯
現代貨幣理論、MMTとは「Modern Monetary Theory」(MMT)の略で、新しい経済理論です。
MMT理論は今までの貨幣理論とは違った複数の理論であり、就業保障の提言なども含まれる幅広い理論で、1990年代から構築されてきました。
今からちょうど50年前、1971年8月ニクソンショック(ドルショック)によりドルと金(ゴールド)が兌換できなくなりました。
それまで為替は固定相場性であり、基軸通貨であるドルを通して世界の通貨が金(ゴールド)と交換できていたことになります。日本円は1ドルが360円で固定でした。
ニクソンショックの前、金(ゴールド)の量が通貨発行の上限だったために経済拡大に足かせになっていましたが、ニクソンショック以降、先進国の為替は変動相場となり、今の貨幣理論が構築されていきました。
50年前から現在の貨幣理論がスタートしたのです。
しかし、経済の動きが理論どおりではないことから、新しい理論としてMMT理論の登場となりました。
また、MMT理論の延長では何の裏づけも無いビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)もあります。
MMT理論はメガネ(レンズ)
MMT理論は過去の理論ではない新しい理論を提供することなので、今までのメガネとは違うメガネを提供されたと捉えることができます。MMT理論ではメガネのことを「レンズ」と表現しています。
新しいメガネを通して政策を考えることになります。
ということはMMT理論で考えた政策は、人によって、時代によって全く異なる政策になる可能性があるということです。
MMT理論が時間をかけてできてきたように、今後も新しい理論が展開されていくのだと思います。
MMT理論の前の正しい認識が必要
MMT理論以前に従来の通貨理論、経済理論の基本的な理解が大切です。
財務大臣や日銀総裁の発言でも間違った認識が多いので、専門家だからといって正しい理解をしているとは限りません。自分の都合が良いところだけに注目して主張しているのです。
次の記事が、間違いを指摘しています。
https://real-int.jp/articles/960/
https://real-int.jp/articles/822/
MMT理論で注目されていること
現在MMT理論で注目されている政策の主張は次のようになります。
インフレにならない限り、
為替が変動相場性の国で、
きちんと財政管理できる
自国通貨を発行できる国であれば
財政赤字であっても国債を発行し
中央銀行が国債を買っても破綻しない。
最初に書いてあるとおり、インフレにならないことが条件ですがインフレを無視して主張する発言が多いです。
インフレになったら通用しない理論なのにインフレを考慮せずに発言することで「財政赤字を極端に増やすべき」となります。
インフレを無視して大量に通貨発行していくとハイパーインフレになるので無限に通貨発行してはいけないことは明確です。
現在、すでに世界はインフレ基調が明確です。日本でも低価格の代表だった牛丼も、すき家では320円から380円に値上げとなります。
現在の世界的インフレは量的緩和を続けることが危険領域に入っています。
金融政策だけではなく、使命に進むことが大切
MMT理論では 就業保障の提言をしているように、そもそも金融だけで経済をコントロールしようとすることが間違いです。
政府が行う景気対策は3つです。
① 金融緩和・量的緩和
② 公共投資・財政投資
③ 減税
いずれも限界に近づいているので金融以外の抜本的対策が必要です。
景気対策や財政健全化で一番大切なことは国民の生産性、創造性を高めることであり、それは一人ひとりが使命に進むことで実現可能となります。