日経225オプション取引入門 プットとコール戦略
正しいオプション取引を学ぶ
投資の基本は、為替・株・商品(金・原油・穀物)オプションの中から、その時々に一番良い投資をすることです。これはローリスクハイリターンを狙うということです。
オプション取引の仕組みを理解して正しく仕掛けることで
急落する相場の時に短期間で大きく利益を出すことや
レンジの相場の時に確実にコツコツ利益にすることも可能です。
(但し、オプションの組み合わせをしないと、コツコツ利益にしてドカンと大きな損失になります)
平時から正しく学んでおくと良いでしょう。
オプション取引の実例
イーグルフライで推奨してきたオプション取引で、一番分かりやすかったのが2015年チャイナショックの直前に日経225プットオプションの買い推奨した時のケースです。
36万円分のプットオプションを買い、
3営業日後(土日含めて5日後)に約1000万円になりました。
ピークは約1500万円になっていました。
追従した人は短期間で大きく利益にすることができました。
これは、36万円の投下資金で最大約1500万円の利益が可能で
リスクは最初の36万円に限定していたということです。
失敗しても最初の36万円を捨てればよいという宝くじ的な投資です。宝くじは期待値が極めて低いのでお勧めしませんがプットオプションの買い戦略は自分の判断で宝くじより確率を高くすることが可能です。
オプション取引を仕掛ける時
①レンジで利益 (レンジ相場の時)
利益限定・損失無限大の取引です。
利益になることが多いので安直に仕掛ける人が多いですが相場の急変で破綻する人が続出します。
10万円の元金が短期間で1000万円の損失というケースさえある危険な取引です。
「コツコツ利益」にして「ドカンと損失」を出す人が多いですが、オプションを組み合わせることで「ドカンと損失」を回避することが可能です。このリスク回避方法を知っている人は少ないですし、その方法を教えることができる人は、ほとんどいません。過去プロといわれた人たちを含めて損失無限大のリスクを正しく理解しないで破綻していきました。
②急落で利益 (急落しそうな時)
損失限定・利益無限大の取引です。タイミングが全てで急変する前に仕掛けます。
10万円の元金が短期間で1000万円にもなる取引です。
コンサートチケットで理解する
コンサートチケットで考えることでオプションの原理を簡単に理解することができます。
人気で価格が乱高下するコンサートチケットがあったとします。現在価格は1万円です。
①あなたは、チケットを15000円で買う権利を持っています。
チケットの市場価格が2万円になっていても、
あなたは15000円でチケットを買うことができます。
「1500円で買って市場価格2万円で売ることがでるので、5000円儲かります。」
1500円で「買う権利」 をコールといいます。
②あなたはチケットを5000円で売る権利を持っています。
チケットの市場価格が2000円に暴落していても、
あなたは5000円でチケットを売ることができます。
「市場価格2000円で買って5000円で売ることができるので3000円儲かります。」
5000円で「売る権利」をプットといいます。
権利を買うことができるということは権利を売る人がいるということで、権利は売りも買いも可能です。
① 15000円で買う権利(コール)
チケットが2万円になったら評価益5000円
チケットが3万円になったら評価益15000円
チケットが15000円以下なら評価益ゼロ
(市場で15000円以下で売っているのであれば15000円で買う必要がない)
② 5000円で売る権利(プット)
チケットが2000円になったら評価益3000円
チケットが1000円になったら評価益4000円
チケットが5000円以上なら評価益ゼロ
(市場で5000円以以上で売れるのであれば5000円以下で売る必要がない)
買う権利や売る権利には価格がついて権利を売買することができます。
日経225オプションの仕組み
チケットの考え方を日経225オプションに当てはめてみましょう。
5月11に「限月6月(6月11日はSQ決済日、第2金曜日)のオプションを取引したとします。
オプションの取引は次の4種類になります。
①コールの買い
②コールの売り
③プットの買い
④プットの買い
個々にみていきましょう。
① コールの買い
5月11日に日経225 29000円の時
6月11日に日経225 32000円(行使価格)で
買う権利を買う(コールを買う)オプション価格12円
6月11日に日経225が33000円だったら実現益は、1000円
12万円の投資だったら1000万円の利益になります。
6月11日に日経225が32000円以下なら評価益はゼロなので12円の損失
② コールの売り
5月11日に日経225 29000円の時
5月11日に日経225 32000円で
買う権利を売る(コールを売る)オプション価格12円
6月11日に日経225が33000円だったら実現損は、1000円
6月11日に日経225が32000円以下だったら12円の実現益
相場が大きく動かないとコツコツ利益になります。
③ プットの買い
5月11日に日経225 29000円の時
6月11日に日経225 25000円で
売る権利を買う(プットを買う)オプション価格24円
6月11日に日経225が24000円になったら実現益は、1000円
6月11日に日経225が25000円以上だったら買ったプットオプション24円はゼロ(実現損)
④ プットの売り
5月11日に日経225 29000円の時
5月11日に日経225 25000円で
売る権利を売る(プットを売る)オプション価格24円
6月11日に日経225が24000円になったら実現損は、1000円
6月11日に日経225が25000円以上だったら実現益が24円
相場が大きく動かないとコツコツ利益になります。
「③ プットの買い」の損益のイメージがこちらです。
オプションの売りはヘッジしない限り絶対にしないこと
相場は年間、大きな動きがない時が多いので、動かない時にはオプションの売りでコツコツ利益にする人が多いです。毎月、毎月、しっかり利益になるからです。しかし、オプションの売りは相場が大きく動くと大きく損をすることになります。利益限定、損失無限大だからです。
私がプットの買いを持ち3営業日で36万円を1000万円にしたということは、その反対にプットの売りを持った人は36万円儲けるつもりが1000万円の損失になることもあるということです。
過去にリーマンショック後の金融危機や東日本大震災後の日経225の暴落の時に、オプションの売りで大きな損失を出して相場を撤退していった人が多いのです。証券会社までが破綻しました。聞いた話ですが、オプション取引の売りだけを推奨していた投資アドバイス会社が、お客さんもその会社も大損をして大変なことになったという事例もあったようです。
現在の激動の時代は、突然の想定外の出来事が多発するのでオプション単体の売りは避けることが大切です。ただし、オプションを組み合わせしてリスクヘッジが正しくされていれば問題ありません。
実践な知識 日経225の急落前の仕掛け方
日経225が急落しそうな時のプットオプションの買い方と利益確定方法です。
オプションの仕組みが良く分からなくても利益にする方法です。
① タイミングは急落直前
急落直前がベストですが、東日本大震災(311)の時などは日経225が下落開始してからでも十分利益になっています。急落する時を判断するには、いくつかの要素がありますが、一番分かりやすいのは「時間分析」です。
② 限月は1ヶ月先くらいを狙う
遠い限月だとオプション価格が高いので1ヶ月先くらいが適切です。
③ オプション価格が20円~30円くらいのプットを買う
この価格帯が利益を狙いやすいです。
行使価格は遠いですが行使価格まで下げると思っているわけではありません。むしろ行使価格まで下げることは少ないです。
行使価格まで下げなくても十分オプション価格は上昇します。
④ オプション価格が急騰したら途中で利益確定
20円~30円くらいのオプション価格だと権利行使価格まで下げないことがほとんどなので途中で利益確定です。
36万円が1000万円になった時も行使価格に届いていないので利益確定しないで持ち続けていたとしたら最後はゼロになっています。
また、オプションは時間との勝負であり、日経225が上昇しなくても時間が経過するだけでオプション価格がどんどん減価していきます。(タイムディケイといいます)
時間の経過で減価する タイムディケイ を理解する
オプション価格(=オプションプレミアム)の実際の動きのイメージは次のようになります。日経225が急落するものの最終的に行使価格まで下落しないケースのプション価格推移です。
プットオプションの買い直後に日経225が急落していく時の利益推移のイメージ
実際には途中はかなり乱高下します。36万円が1000万円になった時も数時間で1000万円が1500万円になり、また数時間で1000万円に戻っていました。
最後まで持っているとゼロになることが多いので途中で利益確定です。
日経225の価格とは別に「時間の経過とともに減価していく(タイムディケイ)」感覚を掴むため、小さい金額でやってみてコツを掴むと良いです。
日経225オプション取引は個人が簡単に取引できるデリバティブ取引なので、一度トライしてみると面白いです。
1円のオプションを買うには1000円が必要なので
20円のオプションを買うには2万円が必要です。
捨てても良い資金で取引することが大事です。
くれぐれも売りと買いを間違えないようにご注意ください。
売買タイミングについてはイーグルフライで情報提供しています。
最近は官製相場で急落局面が少なくなりましたが、急落を狙っていきたいと思います。
オプションを組み合わせることで「ドカンの損失」を回避しながらコツコツ利益になる方法も含めて日経225オプションを基礎から応用までしっかり教えることができるのは元チーフディラーの竹内のりひろさんです。
オプションを学びたい方は、こちらのコースから受講されることをオススメします。
オプションエキスパート塾
https://www.xfine.info/sl2023op7/
動画での説明はこちらをご覧ください。