大地震の時の相場の動き方
東日本大震災の40日前(2011年1月31日)に大きな地震が近そうだと判断して緊急メルマガ「地震対策についての緊急配信」を発行しましたが、現時点ではその時のレベルには至っていないものの最近の小規模地震の多さは大きい地震の予兆にみえます。
6月18日に、ニュージーランドで M7.4の地震があったのも気になります。過去、ニュージーランドで大きな地震があると、その後、日本でも大きな地震がある傾向があります。
2011年2月22日 ニュージーランド カンタベリー地震 M6.1
2011年3月11日 日本 東日本大震災 M9.0(日本の観測史上最大規模)
2016年2月14日 ニュージーランド クライストチャーチ地震 M5.8
2016年4月14日 日本 熊本地震 M7.3
日本全体の危険度が高いですが特に関東が一番気になります。備蓄やリスクマネジメントはしっかりしておいてください。寝る時に頭の近くにタンス等の重いものを置かないことも大切です。
家を買う時もハザードマップを確認したり、軟弱地盤を避けるなどは基本中の基本ですが、その意識は薄いです。災害の被害を受けやすいエリアはハザードマップに掲載されています。
ハザードマップポータルサイト
https://disaportal.gsi.go.jp/
元沼地などの軟弱地盤のエリアは、ずっと放置された後、高級新築住宅街として開発されることも多いです。区画が広く割安に見えるため人気となることも多いのですが、その理由は防災の視点が希薄だからです。
都心部で大地震になると株は大幅下落となります。東日本大震災の時、リアルタイムに為替相場を見ていました。
ドル/円・クロス円などは、地震発生直後、数十分は少しだけ円安になりました。細かく振れながら動いていたので出来高(取引高)も多かったと思います。その後、じりじり円高に振れていき、一週間後には一瞬急激に円高となり(セリングクライマックス)その後急反転し、最初の価格以上に円安となっていきました。
豪ドル円 日足ボリンジャーバンド 矢印のところが地震発生時
Tradingviewチャート
ここで大事なことは最初の一週間は円安になったことです。そして、セリングクライマックス(急落)後に反転上昇したことです。
セリングクライマックスのピークでは買い推奨しましたがこのポイントが知識を得て準備していた人に富が移動する時です。
東京都心部で大地震がおきた場合、すぐに円安になり、少し離れた地域の場合、最初は円高になってから円安になることが多いと思います。都心部から遠いエリアの大地震では相場への影響はほとんどありません。
地震がおきて円高になるのはレパトリエーション(レパトリ)が意識されたからです。レパトリとは損害保険会社などが海外の資産を売り日本に送金する(円を買う)ことで、このフローが発生すると予想されて円高になったのです。実際にレバトリが発生したのではなく、その懸念から円安となったのです。
阪神・淡路大震災の時には、テレビでビルや高速道路が倒壊する映像が毎日流されたことから、関東ではマンション価格が一瞬で20%減となりました。
このように災害時の各相場の動き方を予め知っておくという「実践的な知識」が大切です。投資の教科書には書いてないことばかりです。
日刊ゲンダイWEB版にも掲載