チーフトレーダーとは?プロ中のプロから学ぶ
チーフトレーダーは別格
「個人の専業トレーダー」のことを「プロトレーダー」と言われることがあるようですが、個人の専業トレーダーは本来のプロではなく一般の個人投資家です。
本来のプロトレーダーとは、金融機関内にて会社や顧客の資金を業として運用・取引する者です。
ではプロトレーダーが皆、優秀かといえば、そうではありません。プロトレーダーとして配属され運用開始しても最初の一定期間の成績が悪いと、どんどん辞めて、成績が良く適正がある人だけが残ることになります。
プロトレーダーも最初は素人です。そのようなプロトレーダーたちを指導、育成し、利益をまとめる役が、ベテランのチーフトレーダー(チーフディーラー)です。
従ってチーフトレーダーは基本、とても優秀です。
金融機関のプロトレーダーの中で何十人かに一人の貴重な存在です。
それゆえ、チーフトレーダーはプロ中のプロといえます。ただし、最近は普通のプロトレーダーレベルの人でも肩書きとしてチーフトレーダーを名乗ることが多くなってきているようです。
教える人にもいろいろなタイプがいる
これはプロも個人も同じですが、専業トレーダーは世の中に対して存在価値がないため、どんどん生きる意味を感じなくなり、セルフイメージもどんどん低くなっていきます。
そこで投資・トレードを教えたり、ボランティア活動やトレード以外のことを始めることになります。チーフトレーダーでも教える役割ではない人は教えることが苦痛なので長続きしません。
投資・トレードで利益にならないから投資・トレードを教えることで稼ごうとするケースもありますが、そのレベルは書籍で学べるレベルです。
蛇足ですが、日本では一般の人が普段会う「金融のプロ」「投資のプロ」と呼ばれる人のほとんどが「投資商品を売るためのプロ」つまり「投資商品のセールスマン」なので投資・トレードを教える人ではありません。
プロ中のプロのチーフトレーダーから学ぶ
相場は常に変化していくものです。また、事件が起きると国策などでトレンドが大きく変化することがあります。
例えば、コロナ騒動によって株の大暴落がありましたが、各国の中央銀行が無制限の金融緩和をすることで株価を支えるだけではなく上昇させることになり、下落トレンドから上昇トレンドに反転させました。
コロナ騒動で企業の業績が大きく落ちているのに、株価はコロナ騒動前以上に上昇して米国では過去最高値を更新しています。金融緩和(量的緩和)という政策によって下落トレンドを上昇トレンドにしたのです。
現在、世界の各相場の連動性が高くなっており株価に連動して為替相場や商品相場なども動きます。また、相場は予測に反して動くことも多いものです。
下落トレンド発生と思ったら、一旦少し下落してから上昇トレンドになったり
上昇トレンド発生と思ったら、一旦少し上昇してから下落トレンドになったり
トリッキーな動きをすることも多いです。
思い込みは禁物です。
トランプ大統領が就任したら株価は暴落するとマスコミでは言われていて、実際には就任した直後に株価は一瞬下げましたが、その後暴騰し、就任中の4年間、高値更新を続けた上昇トレンドになりました。
このように相場には独特な動きがあり、相場の本質を理解することが大切です。
それには、まず、プロの取引から学ぶことが大切です。
短期でも長期でも1分前と反対のことを言えるようになればプロとして一人前です。
相場を見ながら自分の思い込みを排除して方向性を転換できるのが大事であり、それができるのがプロだからです。長期でも相場のトレンド転換をしっかり見ていくことが大切です。
リアルインテリジェンスではプロ中のプロである元チーフトレーダーが4人も相場分析や投資の考え方などを発信していますので、どうぞ参考にしてください。
プロの取引の特徴
プロの特徴として次のようなものがあります。
間違ってもしっかり利益にする・ドテン
プロはドテンと呼ばれる反対売買ができます。
ドテンとは、上がると思って買いポジションを持ったものの間違えたと思ったら即手仕舞い、反対に売りポジションを持つということです。プロはドテンも頻繁に自然体で出来ます。自分の予測と相場が違ってきたら即判断を修正です。
一般の投資家は頻繁に取引をする必要がないので、ドテンをすることはほとんどないと思います。しかし、ここで重大な問題が発生することが多々あります。
多くの人がプロの最初の発言を聞いてポジションを持ち、市況が変わってプロが反対のポジションに乗り換えていても、ずっと最初のポジションを持ち続けてしまうことが実に多いのです。そのような時は大きな損失になるので注意が要です。
相場はどんどん変化していくということを理解していくことが必要です。
ロスカット(ストップロス)を活用する
ドテンは反対のポジションを持つことですが、その基本は間違ったと思ったらすぐにロスカット(損切り)です。プロはロスカットが経費だと思っているので全く動揺せずに機械的にロスカットします。
自分でロスカット(損きり)したり、設定していたストップロスにかかったら、冷静になって時間を取り相場をしっかり見直す時にします。
ストップロスにかかったら、すぐに同じポジションを持つ人も多いですが、これではストップロスの意味がありません。
一般の投資家は今が底だと判断して買ったものの下落が続き、最初に確信を持って買ったことから自分の判断を否定できずに手仕舞いせず大損失ということが多いのです。
自分の判断の間違いを認めるためにストップロスがあります。
資金管理
プロは最初に資金管理をしっかり学びます。
相場がどのくらい動くとどのように損益が変わるかを把握することが最初に理解することです。つまり今の相場が1円上昇したら損益はどうなるかを知るということです。
資金管理は簡単にいえばロスカットがきちんと入れられるかです。
ロスカットの目安は資金の2%です。
次の記事も参考にしてください。
https://real-int.jp/articles/547/
プロより個人の方が優位
個人トレーダーは分かりにくい相場の時は休むことができますが、プロトレーダーは常にポジションを持つ必要があるので、分かりにくい相場の時にもポジションを持つことになります。
これは決定的に個人投資家・個人トレーダーに有利です。
従ってプロの考え方を学び、利益がでる確率が高いところだけ取引すると、プロより高いパフォーマンスを狙えます。ただし、個人投資家の場合、一発当てて自分でも優秀だと思っていても翌年に大損失ということも多いです。
コンスタントに利益を出せることが重要で、プロは安定的に利益を出せることが求められています。
プロの考え方をしっかり学ぶことが大事です。
次の記事に続きます。
https://real-int.jp/articles/587/
動画でも解説していますので、こちらをご覧ください。
チーフトレーダーとは?プロ中のプロから学ぶ 松島修
一連記事
https://real-int.jp/articles/586/
https://real-int.jp/articles/587/
https://real-int.jp/articles/588/