FXデイトレードで稼ぐ4つのコツ
FXのデイトレードで稼ぐコツは?通貨ペア選びや取引時間帯などを解説
FXが一般的な投資になってから現在に至るまで、個人投資家にとってデイトレードは常に人気のトレードスタイルです。ここでは、デイトレードを始めたい方、始めたばかりの方などに向け、デイトレードとは何か、デイトレードのメリット・デメリットについて解説します。
さらに、デイトレードで稼ぐためのコツとして、通貨ペア選び、相場分析の基本的な流れ、デイトレードに適した時間帯、メンタル管理などのトピックを紹介します。デイトレードを始める準備のひとつとして、また成績アップに役立ててください。
今回のポイント!
- デイトレードのメリットはリスク量を減らし、少額資金でもコツコツ稼げること
- デイトレードのデメリットは売買回数が増えること、結果、取引のスプレッドを多く払うこと
- チャート監視の労力が大きいこと
- デイトレードに適した通貨ペア、チャートの時間軸、取引時間などを極める必要がある
- デイトレードで大損しないコツは損切りの徹底とメンタル管理
FXのデイトレードとは?メリット・デメリットは?
デイトレードとは、新規ポジションの保有から決済までを1日のうちに完結させる手法です。日本の相場用語では「日計り(ひばかり)」とも呼ばれます。平均的な保有時間は数分から数時間であり、スキャルピングよりは長くスイングトレードよりは短いトレードスタイルです。
FXデイトレードのメリット
デイトレードは翌日(翌取引日)まで持ち越さないため、土日や祝日などの間における相場急変による損失リスクを抑えられます。損切り注文さえしっかり入れておけば損失額をコントロールしやすく、レバレッジ(口座資金より大きなポジションを持てる仕組み)を有効活用することも可能です。
そのため、一定水準以上のスキルを持つデイトレーダーに成長できたら、少額資金からでもコツコツと効率的に利益を増やしていけます。得意のチャートパターンが出現した通貨ペアでトレードを繰り返すことで、アインシュタインが「人類最大の発明」と呼んだ「複利」の恩恵も受けやすくなるでしょう。
スイングトレードや長期トレードでは新規ポジションを持つためのトレードチャンスが少なく、投資資金を寝かせている期間が少なくありません。一方、デイトレードなら日々チャンスがあり、資金効率を向上させやすい点がメリットです。
FXデイトレードのデメリット
デイトレードは、スイングトレードや長期トレードに比べて取引回数が多いため、売買スプレッドを度ごと払うことになります。FX会社におけるスプレッドは、1万通貨で片道30円程度(スプレッドが0.3銭の場合)と昔に比べれば、微々たるものです。ただ、積もり積もると意外にばかになりません。保有時間が短いデイトレードでは1回のトレードで得られる利益も少なく、利益に対するスプレッドの割合が大きいことに注意が必要です。
また、兼業トレーダーの場合は、チャートをモニターする時間が長くなるという点も考慮しておきましょう。投資本やトレーダー向けサイトでは1日何回もトレードすることを、さも簡単なことのように書いていますが、実際にやるとなるとかなり大変です。1日1回程度のゆったりめのデイトレードのスタイルであっても、少なくともポジションを持つ30分ぐらい前から、スマホでなく、パソコンでしっかりチャートをモニターする必要があるでしょう。
FXのデイトレードで利益を出すためのコツ
ここでは、デイトレードで利益を出していくためのコツとして「通貨ペアの選び方」「チャート分析の基本的な流れ」「デイトレードに適した時間帯」「おすすめのテクニカル指標」を解説します。利益を出すための方法は人それぞれ違いますが、投資初心者は一通りチェックしておきましょう。
デイトレードに合った通貨ペアを選ぶ
先にも紹介したように、デイトレードのデメリットは、期待収益に対するスプレッドの割合が大きいことです。トレードスキルに関係なく利益を確実に残せる方法のひとつは、実質的な手数料であるスプレッドが狭い通貨ペアを中心にデイトレードをしていくことです。代表的な通貨ペアには、米ドル/円、ユーロ/円などが挙げられます。
このようなメジャーな通貨は取引量が大きいため、指値や逆指値と約定値(注文が執行され価格)が離れにくいのもメリットです。デイトレードといえども、要人発言や経済指標の発表などで相場が急変することがあります。その際の損切りや利食いを的確に行うためには、取引量の多い、市場流動性の潤沢なメジャーな通貨を選んでおくことが安全です。
値動き(ボラティリティ)が大きくなっている通貨ペアを選ぶことも重要です。デイトレーダーは大きな動きのなかの一部で利益を上げていくスタイルであるため、相場に活気があり値動きが拡大している通貨ペアほど利益を上げやすくなります。このような状況のほうが、多くの参加者が注目するチャートポイントで規則的に動く傾向があります。
逆に値動きがない通貨では、損失に対する利益を大きく出せません。利益確定ポイントまで価格が進まず一旦撤退するなどによって、無駄な出費がかさみやすいことにも要注意です。
時間足・分足で相場の流れを読む
デイトレーダーは、長期投資をメインにしている大規模な投資会社やヘッジファンドなどに比べると、とても小さな存在です。仮に5分足でセオリー通りの下落トレンド発生のポイントであったとしても、日足ベースのトレーダーにしてみれば「ちょっと下がったから買い増ししよう」というような状況が多々あります。
そのため、デイトレーダーは、1時間足などを使い、まず相場の方向性を把握する必要があります。次に、動くと想定される値幅(ゾーン)を決め、値動きの目標を見定めます。1時間足の方向性をみて、15分や5分足を使い、調整局面を利用して相場に参入します。このようにして、大雑把にでもトレードする場所やタイミングを想定しておきます。
多くの投資本や投資サイトでは、個人投資家の受けがよいこともあり、エントリーの方法論だけを取り上げ、「勝率○○%」などと大々的に喧伝される傾向があります。しかし実は、より長期足と短期足を上手く組み合わせ、エントリーポイントを絞り込むことこそが、デイトレーダーの主な作業です。
値動きしやすい時間帯にトレードする
デイトレーダーの利益の源は、値幅と変動率(ボラティリティ)です。そのため、値動きが大きくなる時間帯を狙ってトレードすることがコツのひとつです。仕事の忙しい人やチャートの監視時間を短くしたい人にとってもメリットがあるので、時間帯を考えてトレードしましょう。特におすすめの時間帯はズバリ、以下のとおりです。
21~翌2時頃:ロンドン市場とNY市場の取引が重なる時間帯
一日のなかで、一番取引が活発であり、さらに市場を動かす投機的な売買が持ち込まれる時間帯だからです。ただ、ロンドン時間の終わりにかけて、ポジションを手じまう動きが活発となり、想定外の値動きが発生することには注意を要します。これはチャート分析等では把握出来ないことですから、ストップロスをしっかり入れる等、事前にこうした想定外の動きへの準備を怠ってはなりません。
テクニカル指標を使う
デイトレードでほとんどの人が使う基本指標はローソク足と移動平均線です。以下、ポイントを箇条書きで説明します。
ローソク足:
デイトレードでは分足や時間足がよく使われる。バーチャートよりも相場の強弱を視覚的に把握しやすい。ただし海外ではバーチャートが主流であることから、ヒゲ部分も実体部分同様に重視される傾向があることに注意。
移動平均線:
コアチャート(デイトレードではより長期の時間軸(1時間足)でトレンドを把握し、短期軸(15分、5分)でエントリーポイントを絞り込むことが基本。4時間足や8時間足を使い、より長期の大きなトレンドを把握することも可能。エントリーを図る移動平均線の活用法としては、ゴールデンクロス・デットクロスやグランビルの法則が有名。ローソク足や移動平均線の価格情報をベースにして加工したテクニカル指標で人気があるものは以下のとおりです。
- ボリンジャーバンド:値動きの分析に統計学を取り入れたテクニカル指標。本来はトレンド相場向けだが、レンジ相場での逆張り(短期トレンドの行き過ぎからの反転を狙う手法)にも使われる。
- ストキャスティックス:買われすぎ、売られすぎを判断する指標。オシレーター系(振り子系)と呼ばれる指標のひとつで、逆張り、レンジ相場向けの指標。
- MACD(マックディー):移動平均線を発展させて反応を早くするとともに、「だまし」を少なくしたテクニカル指標。トレンドフォロー、トレンド相場向けとして非常に人気があり、5分足のエントリーのトリガーとしてMACDのシグナルを使う人は多い。
デイトレードで大損しないためのコツ
初心者のデイトレーダーは、まずは資金を守るルール作り、つまり資金管理が重要です。ここでは大損をしないためのデイトレードのコツを、テクニカル分析からメンタルケアまで含めて4つ解説します。
利益確定・損切りポイントを決めておく
パンチを放ったボクサーが手を伸ばしたままにしていれば、たちまちノックアウトされてしまうでしょう。エントリーと同時に損切り設定を行っていないデイトレ―ダーはこれと同じです。ですが、一度デイトレーダーが新規ポジションを持てば「すぐに価格が順行するはずだ」「一刻も早く利食いしたい」などと思い、損切りのことを忘れてしまうのは、ある程度仕方ありません。
これを克服するためのおすすめの方法はIFO注文を活用することです。IFO注文とは以下の3つをセットで注文する方法です。
- エントリーする価格(逆張り・レンジ相場では指値、トレンドフォロー・トレンド相場では逆指値を使うことが多い)
- エントリーが執行された場合の利益確定の価格
- エントリーが執行された場合の損切りの価格
IFO注文を使うと、あらかじめトレードの入口と出口が決まっているので、感情的にならず冷静にトレードできるでしょう。コツコツと利益を得るには、エントリーする前に利益確定や損切りのポイントを決めておくことが重要です。
損切りを徹底する
結婚式のスピーチの定番(あるいは死語)に「人生には上り坂、下り坂、まさかがあります」というものがありますが、デイトレーダーにとっての「まさか」は、大抵1年に数回は起こります。相場が予想とは違う方向に動いたときは、ためらわずに損切りしましょう。損切のタイミングを逃してしまえば、大きな損失につながってしまいかねません。特にハイレバレッジで取引していれば致命的な損失となり、口座資金の大半を失ってしまいます。
上手なデイトレーダーに成長するためのコツは、1回の負けにこだわらないことです。禅の考え方の「前後裁断」ではありませんが、さっさと損切りして目の前のチャートに集中し、トータルで「損小利大」を実現していくことが重要です。
相場の動きが予測できないときはトレードしない
「休むも相場なり」という相場格言があるように、相場の動きがわからないときは何もしないのが最良の策です。たとえば、重要な経済指標の発表が控えており、相場の動きが予測できない場合にポジションを決済しておくのは資金を守るコツのひとつです。戦争やテロ、災害などが起こったときも、相場参加者全体がナーバスな状態に陥っています。要人発言などのちょっとしたことで、ハチの巣を突いたように注文が殺到して相場が急変することもあるので油断は禁物です。
もちろん、こうした状況は値動きのよい相場ともいえるため、リスクを管理しやすいデイトレーダーならば必要以上に恐れてはならないことも確かです。実際、普段の相場よりリーマンショックのような激動相場のほうが、デイトレーダーにとってはよい相場環境といえます。ただ、自分の判断スピードやメンタル面を考えて無理だと思ったなら「休むも相場」に徹しましょう。
欧米が長期休暇に入るクリスマスや年末年始などは「閑散相場」といって緩やかな動きになる傾向があります。しかし、こうした時期は、市場参加者が少なくなり、市場流動性は急低下します。投機的な売買で急に大きく動くことがあり、予想外に大きな損失につながることもあるので要注意です。
トレードに感情的にならない
感情をコントロールできないと、強欲から利益確定のタイミングを逃すことや、恐怖によって損切りできないケースなどが増えてしまいます。また、自分に都合よくチャートを解釈して次々に無駄打ちをしてしまうことや、前回の損失による痛みや恐れからルールどおりエントリーできなくなるなどもあります。
自分の気持ちを上手に切り替え、メンタルの管理をしっかりやる必要があります。冷静な判断力を持ち続けることは、デイトレーダーが成功するための重要なコツのひとつです。
デイトレーダーの目的とは、言うまでもなく「口座資金を増やすこと」です。しかし、「マーケットをやっつけたい」「聖杯を見つけたい」「天・底でポジションを取ってSNSで自慢したい」などは全くこれを逸脱しています。本末転倒であり、いつの間にか当初の目的を忘れる人が少なくありません。こうした慢性的な感情のバイアスも自己分析してケアしましょう。
まとめ:FXデイトレードのコツを知ってコツコツ利益を出そう!
デイトレードは毎日コツコツ利益を出したい人におすすめです。損失がコントロールしやすく、テクニカル分析のスキルがあれば複利の恩恵を受けやすくなります。本記事でも紹介した「通貨ペア選び」「チャート分析の基本的な流れ」「デイトレードに適した時間帯」「自分に合ったテクニカル指標」などの基本をまず押さえたうえで、技術を磨いていきましょう。デイトレードにおいてはメンタル管理も重要です。
基本知識を学んだら少額資金でトレードを行って実戦的なコツを体得し、少しずつ利益を積み重ねていきましょう。