FXの基本ルールを学ぼう!自分のトレードルールを決める方法も紹介
★今回のポイント!
・FXの基本ルールである取引時間や注文方法、利益の仕組みを紹介
・ルールを学ぶ方法は、ネットやセミナーなど
・自分のトレードルールを決めるポイント
FXを始める前に知っておきたい基本ルール
ここでは、FXでトレードをするための基本ルールを解説します。FXの手数料(スプレッド)、為替差益とスワップポイントによる利益の仕組み、海外市場のオープン時間と取引時間の関係、3種類の注文の方法についてまとめました。
取引手数料は無料でもコストはかかる
FXの取引手数料は多くのFX会社で無料です。しかし、取引手数料は無料でも「スプレッド」と呼ばれる取引コストがかかります。スプレッドとは、買値と売値の差額のことです。外国為替をイメージするとわかりやすいでしょう。
日本円をドルに交換したり、逆にドルを日本円に交換したりする際、タイムラグがほとんどなくてもドルの値段が変わります。たとえば、円をドルに交換する際の買値が105円20銭、売値が105円21銭の場合、買値と売値の差が1銭あります。
つまり、円をドルに交換し、そのドルを円に交換しただけで、1銭のコストが発生しています。この差額がスプレッドで、FX会社や金融機関の手数料になります。スプレッドは、金融機関やFX会社がそれぞれ自由に設定できます。そのため、スプレッドはFX会社によって異なります。
為替差益とスワップポイント
FXで利益を得るためには、なるべくスプレッドが小さいことが重要です。具体的な利益を得る方法は、「為替差益」と「スワップポイント」の2つあります。
為替差益とは、為替変動により生じる利益のことです。為替レートは常に変動しており、その差を利用して得た利益が為替差益です。たとえば、1ドル100円で米ドルを買い、1ドル110円で売った場合、10円の利益となります。
また、スワップポイントとは2つの通貨の間で生じる金利差のことです。各国で金利は異なるため、その差額を調節する必要があるからです。たとえば、日本円の金利が0.01%のとき、金利7.00%の南アフリカランドを購入すれば、6.99%の金利が毎日受け取れます。しかし、南アフリカランドを売り、日本円を買うと金利を支払わなければならなくなるため注意が必要です。
取引時間
FXは世界の通貨を取引するため、24時間どこかの為替市場が開いています。そのため、平日であれば24時間取引が可能です。ただし、時間帯によって取引が活発になったり、ゆるやかになったりします。
たとえば、日本時間の8時から16時は東京時間と呼ばれ、取引参加者が多い時間帯です。16時から翌2時は、ロンドン時間と呼ばれ、ロンドン市場が開くため、主に欧州系の通貨ペアの取引が活発になります。21時から6時は、米国株式市場がオープンします。ロンドン市場のオープンと重なっているため、取引する人が多く、値動きも活発になります。
基本の注文方法
FXでは複数の注文方法があります。基本の注文方法を表にまとめました。
成行注文は、リアルタイムの価格で約定する方法です。今すぐに売買したいときに使います。指値注文は、価格を設定して注文する方法です。設定した金額になれば自動で約定されます。逆指値注文は、不利な為替レートで指値注文する方法です。損失を増やさないために利用したり、今後の動きを予測してトレンドに乗るために利用したりします。
IFD注文は、売り買いをセットで行う注文方法です。注文が成立してから、決済の注文が出せます。そのほか、指値と逆指値を組み合わせるOCO注文や、IFDとOCOを組み合わせるIFO注文もあります。
レバレッジは最大25倍まで
レバレッジとは、てこの原理を意味し、FX最大の特徴です。FX会社に預けたお金「証拠金」にレバレッジをかけることで、元手資金の何倍もの取引ができます。国内のFX会社の場合、最大で25倍までレバレッジをかけられます。
たとえば、1ドルが100円だった場合、1万ドル分(100万円)投資をするのであれば、100万円必要です。しかし、FXでは、レバレッジを効かせて取引できるため、10万円あれば、10倍のレバレッジを効かせて1万ドル分取引できます。
もし25倍のレバレッジを効かせるのであれば、手持ち4万円で100万円分のドルを購入できます。つまり、少ない資金でも大きな取引ができることがレバレッジの魅力です。
証拠金と必要証拠金
FXを始めるには、FX会社へ「証拠金」というお金を預ける必要があります。証拠金のうち、取引を行うために必要となる最低限の金額が「必要証拠金」です。
レバレッジを最大の25倍とした場合、必要証拠金は「為替レート×最小取引単位×4%」で計算します。仮に、1ドル100円で1万ドル取引する場合、必要証拠金は4万円です。
この4万円が証拠金として、外貨を買っている状態、あるいは売っている状態のとき、動かせない資金になります。たとえば、10万円入金していて、レバレッジ25倍で1万ドル取引する場合、証拠金は4万円、余剰証拠金は6万円です。
証拠金維持率とロスカットのルール
たとえば、1ドル100円だったものが、105円に円安になった場合、レバレッジ10倍で取引すると、10万円分の利益が得られます。しかし、95円の円高になると、逆に10万円分の損失が出ます。このようにレバレッジは利益も得られるかわりに、損失も大きくなります。この損失をおさえる機能がロスカットです。
FXでは、トレードを開始し、含み損や含み益が発生すると、その分の損益が証拠金に反映される仕組みになっています。損益が反映された証拠金を「有効証拠金」といい、取引に使える金額となります。
また、必要証拠金に対する有効証拠金の割合が「証拠金維持率」です。含み損が多くなり、証拠金維持率が一定の割合を下回ると「強制ロスカット」が発動されて損失が確定します。
FXで得た利益には税金がかかる
FXで得た利益は「申告分離課税」の対象で20.315%の是金がかかります。内訳は、次のとおりです。
・住民税:5%
・所得税:15%
・復興特別所得税:0.315%
FX会社が源泉徴収するシステムはないので、原則として確定申告する必要があります。会社員の場合は20万円、専業主婦や学生の場合は38万円を超える利益が発生したら確定申告を行いましょう。
FXでは利益だけでなく、損失が出る場合もあります。損失が出た場合、損益通算といって、利益から差し引いて、利益分に通常かかる税金を減らすことが可能です。損失が出た場合も確定申告をおすすめします。
自分のトレードルールを決めよう!押さえておきたいポイント
FXで利益をあげるには、知識を身につけたうえで自分のトレードルールを確立することが大切です。トレードルールを決める際に押さえておきたいポイントをまとまめました。
トレードスタイル
FXでは主に運用期間別に4つのトレードスタイルがあります。
スキャルピングとは、数十秒から数時間程度の短い時間で売買を繰り返して利益を得る方法です。デイトレードは、1日のうちに取引を終え、利益を確定させます。
また、スイングトレードは数日から数週間ポジションを所有し、利益を得るトレードスタイルです。長期トレードは数カ月から数年ポジションを所有し、スワップポイントや為替差益で利益を狙います。
取引できる時間や相場の状況にあわせて、自分にあったトレードスタイルを決めましょう。
エントリーのタイミング
FXはさまざまな分析方法があり、また、24時間相場が動いているため、エントリーできるタイミングが多いです。しかし、初心者のうちはエントリーポイントを見極めるのが難しいのも事実です。タイミングを見極めず、エントリーを繰り返してしまい、思うように利益が出ないこともあります。
トータルで利益をあげるためには、相場分析を行い、優位な状況を見極めてエントリーしましょう。だらだら取引するのではなく、利益が出やすい時間帯を調べて、エントリーするのも一つの手です。トレードの記録をつけて分析し、ある程度はトレード手法を絞って、自分で決めたルールに従ってトレードしてください。
資金管理の方法
FXで最も重要といわれていることが資金管理です。FXは利益が出ることもあれば損をすることもあります。そのため、自己資金をすべてFXに費やすのではなく、30%から多くても40%くらいの範囲で行うように心がけましょう。
また、損切りは損失を大きくしないために重要です。そのためには、「総資金の2%まで含み損が増えたら損切りする」など、あらかじめ資金管理のルールを決めておく必要があります。
もちろん、保有ポジション(通貨ペアの保有数)の調節も必要です。自己資金のなかでどのくらいのポジションを持てるのか考え、トレードスタイルに合わせてポジションを保有する期間を管理しましょう。
FXのルールを学ぶおすすめの方法
FXをはじめる前に、ネットや書籍、セミナーなどで基本的な用語やルールを学びましょう。実際に取引をはじめる前に、チャートで相場の動きを読む練習をしておくと損失を抑えられます。
本番前には、デモトレードで取引ツールの使い方を学んでおくことも大切です。デモトレードを通して、ロスカットの基準、操作のしかたや注文の出し方、証拠金の確認方法などをあらかじめ把握できます。
上記の方法でルールを一通り覚えたら、実際に取引してみましょう。ただし、初心者のうちは1,000通貨や1万通貨など、自分なりの上限を決めてトレードすることが大切です。また、トレードスタイルも複数あるため、自分のライフスタイルに合うトレードスタイルを選びましょう。
FX初心者は基本的なルールを学ぶことから始めよう!
FX初心者は基本的なルールを知って、トレードに慣れる必要があります。為替差益、スワップポイント、ロスカット、トレード、スプレッドなど、さまざまなFXの用語が出てきました。よくわからないなと感じたら、再度調べてみることも大切です。
基本ルールを身につけたところで、トレードスタイルや資金管理など、自分なりのルールを決めてトレードを始めてみましょう。