FXの基本を勉強しよう!利益を得る仕組みや取引方法を学ぶ
この記事では、FXの勉強を始めたい人に向けて、FXで利益を得る仕組みや取引方法などの基本的なことを紹介します。最後に、FXの勉強法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
今回のポイント!
- FXは、通貨の交換による価格差と各国の金利差によって利益を得られる
- 24時間取引が可能で、レバレッジも25倍かけられる
- さまざまなリスクを認識して、リスクコントロールをする
- FXで利益を得るために基本から勉強して学ぶ
FXで利益を得る仕組みを勉強する
そもそもFXとは何か、FXで利益を得る仕組みやほかの投資との違いを勉強しましょう。
FXで利益を得るには?
FXとは、Foreign Exchange(外国為替証拠金取引)のことで、各国の通貨の交換を証拠金で行うことにより利益を得る投資です。
たとえば、現在の為替レートが1ドル90円のときに円をドルへ交換し、1ドル110円になったタイミングでドルを円に交換すれば、その差額の20円が利益になります。
FXでは、預けた証拠金を担保にレバレッジをかけ、預けている金額の何倍もの金額を取引することも可能です。そのため、手元資金以上の取引を行うことができます。
FXと株式投資や外貨預金との違い
FXがどういった投資商品なのかを知るために、株式投資との違いをまとめました。FXの主な特徴は24時間取引が可能で、毎日金利が受け取れることです。そして、レバレッジが25倍までかけられます。
FXと同じく各国の通貨に投資する外貨預金との違いをまとめました。FXの主な特徴としては、取引コストが安く、満期がなくていつでも取引可能なことです。レバレッジがかけられ、さまざまな注文方法があります。
FXのリスクを理解しておこう!
FXにはさまざまなリスクがあります。投資にリスクはつきものなので、しっかりと理解しておきましょう。
為替変動リスク
為替レートは経済指標や地政学的な理由など、さまざまな要因で変動します。予想外の動きをした場合、為替差損となります。この損失の可能性が為替変動リスクです。
カントリーリスク
FXは各国の通貨のペアに投資するものなので、その国の経済や政治の状況などにより、大きく価格変動する可能があります。特に新興国については突然の暴落などもあります。このように国の経済情勢などに左右されるリスクをカントリーリスクといいます。
流動性リスク
流動性リスクとは、買いたいときに買えない、売りたいときに売れないというリスクのことです。取引量が少ないマイナー通貨に投資すると、取引相手がいなかったり、レートが配信されなかったりすることがあるため注意しましょう。
信用リスク
FX会社の破綻により預けた証拠金や投資した資金が返金されないリスクのことです。日本で金融庁の登録のない海外のFX会社は信頼度が低く出金できないトラブルもあり得るため注意が必要です。国内業者は、現在、信託保全が定められており、事実上信用リスクはありません。
FXを始める前に勉強しておきたい基本用語
FX取引においては、聞き慣れない専門用語が多く使われているため、取引を始める前に基本的な用語を勉強しておきましょう。
通貨ペア
取引をする通貨の組み合わせのことで、「米ドル/日本円」や「ユーロ/日本円」、「ユーロ/米ドル」などのペアで取引できます。
レバレッジ
てこの原理のことで、手元資金を担保として数倍の金額で取引することです。
スプレッド
FXでは売値と買値が異なります。スプレッドとは、売値と買値の差額のことです。買値は売値より高く設定されているため、投資家にとってはコストとなります。
ポジション(建玉)
取引は開始されているが、まだ決済が行われていない状態のことをいいます。
ロング
通貨を買うこと、買いから取引を開始したポジションを持つことです。
ショート
通貨を売ること、売りから取引を開始したポジションを持つことです。
ロスカット
ポジションの損失を確定させることをいいます。
ここにあげた用語以外にも、FX取引に関して知っておくべき専門用語はたくさんあるので、一通り勉強しましょう。
FXで利益を得る方法は2通りある!
FXで利益を得るには2つの方法があります。ここでは、それぞれの方法を解説します。
為替変動により利益を得る
為替変動による売買の差額で得た利益はキャピタルゲインとも呼ばれ、FXで利益を得るための基本的な方法です。通貨を安く買って高く売ることで利益を出します。1ドル100円のときにドルを買い、1ドル101円になったときにドルを売ると1円の為替差益です。
FXでは株のような空売りという概念はなく、買いも売りも方向性が違うだけで同じ取引です。そのため、通貨が値下がりしているときでも、利益を出せる可能性があります。
つまり、買いポジションを持って価格が上昇したところで手仕舞いすることで利益を出したり
、売りポジションを持って価格が下落したところで手仕舞いすることで利益を出すことができます。
1ドル100円のときにドルを売り、1ドル99円のときにドルを買い戻すと1円の為替差益です。
スワップ金利で利益を得る
スワップ金利とは、2国間の金利差のことです。金利差の広い通貨ペアの取引において、低金利な通貨を売って、高金利な通貨を買うポジションを持つことで、金利差を利益として受け取れます。
スワップ金利は毎日受け取れるので、長期間運用するほど利益も積み重なって大きくなります。1万通貨につき30円のスワップ金利を受け取れる場合、1万通貨を1年間運用すれば10,950円の利益です。
ただし、スワップ金利はマイナスになることもあるため注意が必要です。
「高金利通貨を買って低金利通貨を売る」ペアで買いポジションを持つとスワップ金利差を得ることができます。
「高金利通貨を買って低金利通貨を売る」ペアで売りポジションを持つとスワップ金利差を支払うことになります。
取引を始めるなら口座開設から!FXの始め方
- FX会社で口座を開設する
必要書類を準備し、FX会社へ口座開設の申し込みをして審査結果を待ちます。 - 口座へ入金する
口座開設完了のお知らせが来たらログインして、取引に必要な証拠金を入金しましょう。 - 取引を始める
FXの口座に入金が確認できたら取引を始められます。
口座の開設や維持管理には手数料がかからないことが多いです。口座開設の際には本人確認や審査があるため、2~3営業日かかります。
FX会社によって特徴があるため、ユーザー数やスマホアプリの有無、スプレッドなどのコストに着目して、自分にあったFX会社を選びましょう。
FX取引で基本となる3つの注文方法
FXにはさまざまな注文方法があります。まずは、基本となる3つの注文方法を勉強しましょう。
成行注文
成行注文とは、そのときのレートで注文する方法で、FXでは現在の価格に対してすぐに注文を出せるため、取引が成立しやすい方法です。
FX会社によっては、クイック注文、リアルタイム注文、マーケット注文などと呼ばれていますが、いますぐ買いたい(売りたい)と注文を出せることは共通しています。
成行注文では、注文を出した瞬間にレートが変動してしまい、注文時の表示価格と成立した価格がずれる(スリッページ)こともあります。注文価格と成立価格が変わることを注文がすべるともいいます。
想定外の価格で取引が成立することを防ぐために、あらかじめスリッページ幅を設定することもできます。スリッページ幅を設定すると、成立価格が不利な方向へ許容値以上変動した場合には注文は成立しません。
指値注文
指値注文とは、現在のレートよりも有利なレートを指定して、指定したレートになったら取引が成立する注文方法です。買いたい(売りたい)価格を指定してあらかじめ注文を出しておくことができます。
たとえば、現在のレートが1ドル121円のときに、今より安い価格で新規のロングポジションを持ちたい場合には、1ドル118円になったら買えるように、新規で買いの指値注文を出しておきます。
狙ったレートで注文を出せて成立できることがメリットですが、予想したとおりに価格が変動せず、注文を出しているレートにならない場合は取引が成立しません。
逆指値注文
逆指値注文とは、現在のレートよりも不利なレートを指定して、指定したレートになったら取引が成立する注文方法です。指値注文と同様に、買いたい(売りたい)価格を指定してあらかじめ注文を出しておきます。
新規の買い注文の場合、現在レートよりも上の指値価格まで上昇したら買い、現在レートよりも下の指値価格まで下落したら売り、という注文です。一定の抵抗ラインを越えて上昇したら買い、一定の抵抗ラインを越えて下落したら売りということです。
すでにポジションを持っている時の逆指値注文は、思惑とは反対方向に動いた時にロスカットとして使います。
- 買いポジションを持っている時に、一定価格以下になったら手仕舞い売り
- 売りポジションを持っている時に、一定価格以上になったら手仕舞い買い
テクニカル分析で為替の動きを予測する
テクニカル分析の方法は、FXの勉強で必須ともいえます。さまざまな分析方法があるので、一通り勉強しましょう。ここでは、代表的な分析方法を紹介します。
ローソク足の見方
ローソク足とは、一定期間における値動きをまとめて表したものです。期間の区切りにより表したものを、分足、週足、月足、年足などと呼びます。
胴体とヒゲでできた棒状のもので、形がローソクに似ているためローソク足と呼ばれます。一つのローソク足で、始値、終値、高値、安値を表すことが可能です。
始値よりも終値が安くなった場合は実体が黒い陰線となり、始値よりも終値が高ければ胴体が白い陽線となります。上下に伸びたヒゲは高値と安値を表すものです。
始値と終値の価格差を胴体部分の長さで表します。陰線の場合は売りの勢い、陽線の場合は買いの勢いを示しています。
値動きの推移を表してチャートを構成するローソク足は、テクニカル分析の基本中の基本といわれています。ローソク足の詳しい説明は、こちらの記事をご覧ください。
ローソク足の基本的な読み方を解説!相場の動きを読んでFXトレードに活かそう
https://real-int.jp/articles/483/
代表的なテクニカル分析
テクニカル分析にはさまざまな方法があります。代表的なテクニカル分析を以下のとおり簡単に紹介します。
移動平均線
一定期間における価格の平均値を算出し、線でつないで表したものです。大まかなトレンドを把握する手法としてポピュラーです。
RSI
売買するタイミングのサインとして、値動きの強弱を数値で表し、「買われすぎ」「売られすぎ」を判断する手法です。
MACD
短期と中長期の移動平均線を使い、2本の線の推移で買いや売りを判断する手法です。
ボリジャーバンド
移動平均線に過去の値動きから計算された値動きの幅の目安となる線を加え、その価格帯に収まる確率を活用して勢いの変化や反転の目安などを読み取る手法です。
一目均衡表
ローソク足チャートと5つの線で構成され、2つの線で表される雲とよばれる空間も活用し分析します。一定期間の売り手と買い手の均衡点を計算し、売買がどちらに優勢なのか判断する手法です。
テクニカル分析については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
初心者はFXのデイトレードで稼ごう!おすすめのチャート分析を紹介
https://real-int.jp/articles/113/
FXではトレンド判断が重要!初心者はトレンドに乗って利益を積み重ねよう
https://real-int.jp/articles/433/
ファンダメンタルズ分析で為替の動きを読む
ファンダメンタルズ分析とは、相場の見通しを立てるために、為替変動に影響するさまざまな情報を収集し、変動要因を分析することで、今後の価格の動きを予測するものです。
たとえば、各国の景気や経済指標などで現在の経済状態を理解し、金融政策や要人の発言などから今後の取り組みや方向性を判断します。そのほか、長期金利や国債の格付けなど、分析には数多くの判断材料があります。
為替相場は実際の出来事だけで反応するのではなく、中央銀行や政府の噂だけで大きく変動したり、市場関係者の思惑が為替相場に影響したりします。
さらに、主要な株式市場や金、原油などの商品価格など、外国為替相場以外のマーケットも価格変動に影響します。
日頃からニュースや新聞などから気になる情報を収集し、情報がどのくらい影響を与えるものなのか分析する必要があります。
FXを始めるにあたり注意したいこと
FXを始める際は、リスクを理解し、資金を管理する方法を勉強する必要があります。また、利益が出た場合の税金についても勉強しておくことが大切です。
リスクコントロールをする
FXではレバレッジを25倍までかけられるため、たとえ大きな利益が出ても、一瞬の判断ミスにより大きな損失になる可能性もあります。そのため、リスクコントロールのしかたを勉強し、実践することが大切です。
そこで、リスクコントロールの主な方法を挙げます。
まずは、損切りのタイミングを決め、注文機能を活用して設定しておきましょう。また、複数の通貨ペアで分散して取引し、リスクを一点に集中しないように投資することも大切です。
レバレッジはあまり高く設定しないようにしましょう。レバレッジ倍率が高いと損失もそれだけ大きくなります。
余剰資金で取引する
余剰資金とは、使い道の決まっていない自由にできる資金のことで、万一なくなっても生活に困らないお金のことです。FXに限らず、投資商品にはリスクがあるで、投資をするなら余剰資金で行うことが前提といえます。
たとえ余剰資金で始めた場合でも、予想外の損失を出してしまうと、その損失を取り返すために必死になり冷静な判断ができなくなります。そして、いつの間にか投資金額が多くなってしまうこともあるので注意が必要です。
利益が出たら確定申告をする
FX取引で得た利益には、約20%の税金がかかります。税金が課される分とは、為替差益とスワップ金利の合計金額から必要経費を差し引いた所得です。
FXでの所得は申告分離課税なので、ほかの所得とは分離して税額を計算し、確定申告が必要になります。株や投資信託のように、利益から自動で差し引かれる源泉徴収ではないため注意が必要です。
また、FX取引では、年間で損失を出した場合にも確定申告をしておけば、繰越控除が行えます。そのため、税金についても勉強しておく必要があります。
知識と情報収集がカギ!FXの勉強方法
本
FX関連の本は初心者向けのものから上級者向けのものまで、数多く出版されています。テクニカル分析やファンダメンタル分析などの教科書的な内容のほか、投資家が実際に活用している手法を紹介した内容の本もあるので参考にしましょう。
【参考】当サイト執筆者の書籍一覧
- 田向宏行著『ずっと使えるFXチャート分析の基本』(自由国民社)
- 西原宏一著 『30年間勝ち続けたプロが教えるシンプルFX 』(SPA!BOOKS)
- 田向宏行・竹内典弘 著『FXの稼ぎ技』(ループスプロダクション)
- 柾木利彦著『マーフィーの最強スパンモデルFX投資法』(日本実業出版社)
セミナー
FX会社や証券会社で開催しているセミナーも積極的に利用しましょう。プロによるセミナーもあり、実践的な手法が学べ、疑問点や不明点を直接質問できます。
デモトレード
実際の各通貨ペアの動きを見ながら、注文のしかたやツールの操作性を学ぶには、仮想資金で行うデモトレードを利用する方法もあります。
実践
FXを勉強して学んだことを実際の取引で実践してみましょう。まずは、少額から始めてみるのがおすすめです。
FXを始めるなら勉強は必須!まずは基本から学ぼう
FXは決して簡単にできる投資ではありません。大きなリターンを得られる分リスクもあります。取引を始めるならまずはさまざまな情報に触れて勉強することが大切です。
ご紹介しました勉強方法を参考に、基本から着実に身につけて勉強と実践を繰り返しながら自分に合った取引方法を見つけていきましょう。