初心者が陥りやすいパターン

思い込みや先入観を捨てる

そもそも、FXという金融商品がこの世に出回って以降、短期間に巨大な収益を上げることが可能という「思い込みや先入観」を持って、入ってこられる方が多いのは事実のようです。確かに、レバレッジを掛けることで、自己資金(元手)の何倍もの金額の取引が可能であるのがFXです。

金融監督庁の監視や指導もあって、最近は、以前、一部で存在した悪質な業者も激減し、個人投資家の皆様が、普通では考えらないような良質なサービスを受けられる環境となっています。さすがに、過激とも言える「スプレッド縮小競争」も限界に達しており、多くの個人投資家の皆様が実に恵まれたトレード環境を満喫されているように感じます。

それだけに、最大の課題は、FXの世界に入ってこられる個人投資家の皆様が、どこまで正しくFXという金融商品を知り、正しいトレード技術を学び、そして、そのトレード技術を実践のトレードで正しく活用されるかに尽きると思います。

「相場観」だけでは急変に対処できない

相場で収益を上げるには、「相場観」だけでは困難です。

「相場観」とは、円が上がるとか下がる、ユーロが上がるとか下がるといった方向感、そして、概ね、その理由として、経済指標や重要イベントを背景とした「ファンダメンタルズ要因」があります。

少しでも実践トレードを経験した方であれば、すぐにお気づきだと思いますが、相場は急変します。この「相場の急変」は、まさに、突然訪れるのです。

極端なことを言うと、少し席を外している時、食事をしている時、買い物に出掛けている時に、起こるのです。その意味で、いつも、「咄嗟の判断」を求められるのがFXです。

その時、相場が急変している理由は、確かに、経済指標や重要イベントが背景となっているケースもありますが、それらは、あくまで「きっかけ」であり、必ずしも、経済指標や重要イベントの内容の通りに動いているわけではないことも多いのです。

つまり、よくあるケースが、「材料出尽くし感」であるとか、「織り込み済み」であると言った風に、結果の内容の通りに動くとは限らないのがむしろ普通です。

また、よく聞かれる話として、FXは株式市場の動きを見て動いているとのがありますが、実は、FXに関するマーケットコメントには、株式市場の動きが引き合いに出される一方で、株式市場に関するマーケットコメントには、外国為替市場、つまりは、FXに関する動きが引き合いに出されることが頻繁に見られるのです。

例えば、「株式相場が下落したので、円高に推移した」というコメントと、「円高になったので、株式相場が下落した」というコメントが、まさしく、同じ時間帯に流れるのです。

これが、俗に言う「後講釈」というマーケットコメントです。恐らく、数多くの個人投資家の皆様が、朝から晩まで延々と流れるマーケットコメントの嵐に翻弄されていることと思います。こういうことをやっていると、ただただ、神経をすり減らすだけです。また、残念なことに、収益は伴ってきません。

そもそも、私達人間というのは、悲しいかな、利益は早く確定したがり、損失の実現は先に延ばしたくなる「煩悩」を持っているのです。この「煩悩」からは、なかなか逃れることは出来ません。逃れられないからこそ、人間をやっているとも言えましょう。

バトルロイヤルのようなFXの世界

このような、普通に、誰もが持っている「煩悩」の存在を認めた上で、如何にしたら、このバトルロイヤルのようなFXの世界でコンスタントに収益を残せるかを、真剣に考えなければなりません。バトルロイヤルというのは、まさに、同じリング上に市場参加者全員が上がって闘うことを意味しています。

別に、同じ市場参加者の相手を負かしたからといって、自分が勝つものでもないのがマーケットですが、よく言われる「8割2割の法則」というのが存在しているのも事実であり、その意味では、バトルロイヤルというイメージはピン「相場観」だけでは困難と来る感じはします。

このように、FXの世界では、同じリング、同じ土俵に市場参加者全員が上がるという点は重要です。何故ならば、ひとたび、同じリング、同じ土俵に上がれば、誰しも条件は同じであり、誰しもハンディキャップはもらえないのです。

柔道でも、ボクシングでも、レスリングでも、体重別に階級が分かれていたり、ゴルフでも、アマチュアの世界では、ハンディキャップなるものを頂戴出来ます。しかしながら、FXの世界、マーケットの世界は、違います。誰もが同じ土俵、リングに上がるのです。

FXマーケットには、世界の巨大ヘッジファンド、機関投資家、プロのトレーダー等々が無数に1日24時間参加してきています。彼らとは、まったく同じ条件でトレードするわけです。

これは、FXの世界における、まぎれもない事実です。この事実から目を背けてはならないのです。ですから、こちらも、気を引き締めて挑まなくてはなりません。

もっとも、心配し過ぎる必要はありません。正しいトレード技術を正しく学び、正しく活用すれば、怖いものはないです。

焦りは禁物です。短期間に焦ってお金を稼ごうとすることほど危険な行為はありません。これは私のトレード手法でなくても、初心者の方が学ばれる際には共通して言えることです。ぜひ、ご自分の学ばれる手法などを、正しく身に付け、正しく活用して頂きたいと思います。

以上、「初心者が陥りやすいパターン」について、解説してみました。