保ち合いも終盤か?ドルの強弱要因に照らした相場の見通し
今週のドル円相場テクニカル分析
前週の相場に思う
前週の高値は104.75止まりと直近最高値の104.76(11月24日)を抜くことができなかった一方で、安値も103.68止まりと直近103.66(11月18日)を抜くことができなかった。
与件自体に食傷気味のものが多く、またポジションに大きな偏りがない(前週末9日間RSI=46%)ことが要因か。
ただ、ドル円が堅調だった主因はクロス円の買いがあったことが主因である。ドルも円も対欧州通貨等で弱いと言えるが、相対的にドルの方が弱い状況にある。
この点、ユーロ円が127.01(9月1日高値)を目前にして、上髭を引き出したのが気懸りだ。クロス円の巻き戻しが起きたときは、ドル円が再び下方モメンタムを付ける可能性が高いと見る。
ドルの弱気要因
以下ではドルの強弱要因を指摘した上で、上で述べた点を軸に今週の予測をまとめた。
1.7月1日の高値108.16を起点とする抵抗線RR(前週末104.90前後)が直近5カ月間で機能しているため、中期相場の上値がRRに限定される可能性が出てきた。11月9日週にザラ場でRRを超えているが、終値では超えておらず、依然として現実的抵抗線としてRRを重視しておきたい。
2.1との関連で、RRと下方に平行に引けるPRRとで下降チャンネルRR-PRRが形成されており、中期のメインストリームとなっている。
3.111.71(3月24日高値)と109.85(6月5日高値)とを結んで引ける、抵抗線TR1(日足チャート)が前週末に105.35前後へと下降してきた。
4.3との関連で抵抗線TR1と下方に平行に引くことのできるTR2とで、下降チャンネルTR1-TR2が形成されている。上値メドであるTR1を上抜くまで、長期トレンドは下向き。
5.25日MA(前週末104.38)・100日MA(同105.35)・200日MA(同106.45)の関係において、順番に期間の短い線が長い線とデッドクロスしている。・・・25日MAと100日MAとのデッドクロスの関係が根強く続いている。
6.4月以降(除く6月初旬の約1週間)では完全に100日MAが抵抗線として機能している。
7.105円台半ば近辺で強い抵抗水準が重なっている。前述TR1が105.35前後にあり、そして100日MA(前週末105.35)と重なる。その上に雲の上限も105.47(前週末)の存在がある。
8.2018年以降の支持水準であった104円台(フラッシュクラッシュ時は除く)が抵抗水準になりつつある。
9.転換線(前週末104.21)が再び基準線(同104.42)を下回る中、スポット<雲、遅行線<26日前の実勢相場の状況にあり、三役逆転が出現している。
ドルの強気要因
1.103.66(11月18日)を付けたことで、105.68(直近最安値103.18を付けた後の戻り高値)からのフィボナッチ水準103.77「76.4%(103.18→105.68)」に到達したため、保ち合いに陥っている。
2.1に関連して、「11月23日安値は103.69」・「12月3日安値は103.68」と、103.66を下抜くことができない状態が続いている。
3.2週連続で終値が104円台となっている。
以上の強弱要因に照らして、以下の様に今週の予測をまとめた。
今週のまとめ
保ち合いが続く中、心理的節目の105円直下に抵抗線RR(前週末104.90前後)や雲の下限(前週末104.97)が下りてきた。
105円台前半では長期抵抗線のTR1(前週末105.35前後)や100日MA(同105.35)が重なっていることを考慮すると、相当に上値は限定されてきたと言える。
103.18を付けて以降、ドルの確固たる支持線が出現していないため、目先の頼みの綱は103.66(11月18日安値)ということになるか。前週・前々週と103.66を下回っていないため、注目される水準である。
ただ、103.66が支持されている理由は105.68(直近最安値103.18を付けた後の戻り高値)からのフィボナッチ水準103.77「76.4%(103.18→105.68)」という以外に存在しないため、引き続きドルの下値リスクは高いと言える。
一目関連の三役逆転が出現中でドルの地合いが悪い中、そろそろ保ち合いの下放れが起こる可能性が高いと予測する。
予測レンジ:102.00~105.00
メルマガ&掲示板「イーグルフライ」に掲載の記事より一部抜粋しています。
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