分裂する英中銀、決め手を握るベイリー総裁

英中銀金融政策理事会は、依然として深刻な分裂状態にある。9人の理事のうち4人は早期かつ積極的な利下げを主張する一方、別の4人は慎重姿勢を崩していない。
今回のコラムでは、今週木曜日に開催される英中銀金融政策理事会(以下、MPC)について書いてみたいと思う。
12月会合は利下げか、据え置きか?
前回11月理事会では、据え置き5名 対 利下げ4名で、ギリギリの据え置きとなった。
それ以降に発表された経済指標は、この構図を大きく変えるほどの材料にはなっていないが、グリーン理事が「消費者の購買意欲の減退が確認されれば、利下げ票を投じる可能性がある。」と発言した。
それを考慮すると、12月会合の行方はベイリー総裁とグリーン理事の判断に委ねられていると言ってよい。
マーケットは木曜日の理事会での25bps利下げを91%織り込んでおり、これほどまでに市場の確信が強い局面で、英中銀が据え置きを選択すれば、大きなサプライズとなるだろう。
利下げ一色ではないファンダメンタルズ
ファンダメンタルズは、必ずしも利下げ一色ではない。
10月のインフレ指標では、食品価格の再加速が確認され、航空運賃を除いたサービスインフレも粘着性を保ったままだ。さらに、注目されていた予算案も、利下げを決定的に後押しするものではなかった。
そうは言っても、予算案で発表されたエネルギー料金の引き下げや鉄道運賃の据え置きは、来年の総合CPIを押し下げる効果が見込まれ、英中銀にとって一定の安心材料ではある。
深刻な分裂状態にあるMPC
繰り返しになるが、9人の理事のうち、4人は利下げを主張している一方、別の4人はその逆の立場を貫いている。

写真:英中銀
https://www.bankofengland.co.uk/about/people/monetary-policy-committee
私自身は、今回はベイリー総裁が利下げ支持に回ると見ている。グリーン理事は、ずっと据え置き票を投じていたので、今回、果たして利下げに回るかは、50/50だろう。
利下げは、市場が織り込むほど容易ではない
ベイリー総裁が利下げに回れば、5対4の僅差で25bps利下げ。ベイリー総裁に加え、グリーン理事も利下げ票を投じれば、6対3での利下げとなる。
ないとは思うが、政策金利を据え置き、市場を驚かせる可能性はあるのだろうか?
91%も利下げを織り込んでいるため、もし据え置きとなれば、投資家にとっては間違いなくサプライズとなる。
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2025/12/16の「イーグルフライ」掲示板より抜粋しています。
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