ディープシークショック AIバブル崩壊の始まり?
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ディープシーク ショック
先日、中国の新興企業「ディープシーク・DeepSeek」が最新のAIモデルを発表し、世界の株式相場を急落させました。
ディープシークAIには次の特徴があります。
・米国の業界トップクラスのAIと同等レベル
・オープンソース ソースを公開
・無料や低コストで使える
・最新の高性能チップでなくても動く
・短期間、少人数、低予算で開発
ディープシークが今迄のAIの常識と反対のことを成し遂げたことで
AI関連株を牽引していたエヌビディア株は急落、
AI関連株、半導体製造関連株急落となりました。
AIバブルを牽引してきた考え方
今迄、AIバブルを牽引してきた考え方には2つの前提がありました。
① AI開発には莫大な費用がかかる
AIの開発には大勢の優秀なエンジニアと長い開発期間が必要なので投資家は巨額の投資資金を投下してきました。
AIは世界の巨額な投資資金の受け皿として相応しい投資先に見えていました。
② AIを動かすには高価な最先端チップ・GPUが大量に必要
AIに使われるチップはGPU(グラフィックス・プロセッシング・ユニット)と言われる並列処理が得意な画像処理用高性能チップが必要とされ、一番売れていたのがエヌビディア・NVIDIAの GPUです。
エヌビディアNVIDIA一社の株価の時価総額は現在3.18兆ドルで、アップル社を抜き、世界一にもなりました。
日本株すべての時価総額は現在約704兆5500億円なので同等レベルです。
エヌビディア一社で日本株全ての時価総額に匹敵するような規模にまで急騰したことからバブル感が強いです。
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エヌビディア週足
マグニフィセント・セブンの中でも断トツ
マグニフィセント・セブンとは革新的な技術と圧倒的なシェアで成長を続ける米国の代表的な7つの大型ハイテク企業です。
マグニフィセント・セブン
エヌビディア
アップル
アマゾン
アルファベット(グーグル)
メタ・プラットフォーム(フェイスブック)
マイクロソフト
テスラ
いままでGAFA(ガーファ)・FANG(ファング)と呼ばれていましたが、最近はマグニフィセント・セブンと呼ばれだしました。
S&P500の好調を支えていたのはこの7銘柄のハイテク銘柄です。
マグニフィセント・セブンの中でもAIバブルを牽引していたのがエヌビディアであり、7社の中でも一番の急騰を続けてきました。
急騰する相場は急落します。
オープンソース化が主流になる?
今後の注目点はオープンソース化と高性能チップ不要かどうかです。
① AI開発には大量の資金が必要ない
AIのオープンソースが主流になるとAIのコモデティ化が進み、サービスが差別化を失い、価格競争に陥ることになります。
AI開発に大量の資金が必要ではなくなります。
AIのオープンソースが主流になるとAI関連株全部が下落ということです。
もともとメタ社はオープンソース化していたので、ディープシークショックでもメタ社の株価は上昇しています。
ディープシーク参入で主流がオープンソースに変わるかに注目です。
② 最先端の半導体を作る必要がない
高性能チップが不要であれば半導体製造関連株は下落要因です。
現在、半導体製造関連株の急落後は迷走状態・方向感なく横這い状態です。
実際に高性能チップが不要になると半導体製造装置の新規需要が抑制されます。
ディープシーク ショックはいつまで続くか
株式市場ではディープシーク ショックは一時的なものだと認識している人が多そうですが
ディープシーク ショックはジリジリと長期に続く可能性が高そうです。
確率の問題です。
このような投資のゲームチェンジはゆっくり浸透していくことが多いからです。
プロたちが抜け初め、株価が下げたところを個人投資家が買っている印象があります・
ディープシーク ショックはブラックスワン
ディープシークショックはブラックスワン的で想定外の事件という印象です。
激動の時代はブラックスワンやグレーリノ(灰色のサイ)も多発するので、その認識を持っておくことが大切です。
合わせてお読みください。
https://real-int.jp/articles/179/
ゴールドは高値更新
ディープシーク ショックの影響で一瞬下げたゴールドはその後上昇して最高値更新しています。
今は長期に保有できるものはゴールドしかないことの現れだと思います。
金融危機で株が暴落すると、今回のようにゴールドも暴落しますが、真っ先に反転上昇するというイメージが掴めたかと思います。
今回のディープシーク ショック初動での株価下落は限定的でしたが、金融危機となるとゴールドも何ケ月の期間の下落になるのでしょう。
(その時に判断)
金融危機になると投資家は全てのポジションを投げ売るのでゴールドも売られるのです。
ディープシークの基本性能は高いが
ディープシークの基本性能はかなり高いということですが、
「中国共産党のメリット デメリットを教えてください」
というような質問をするとフリーズしたように見せる機能も搭載されています。
このことが知られるようになったと同時に他のAIも政治的なことを質問すると偏った回答になることも知られるようになったと思います。
たとえば、トランプ大統領の政策やパンデミックのことなど政治的なことをAIに質問しても正しい回答をするとは限らないということです。
AIといってもそれぞれレベルが違いますし、各社の差も大きいと思うので一般論ですが、私がAIに質問する時は、AIの回答はかなり怪しいと思って質問しています。
たとえニュートラルなAIでも、その回答は誰かが書いた記事の引用で、その元記事が正しいとは限らないからです。
御用学者の発言や、政府のプロパガンダをそのまま引用されることも多いのでなおさらです。
どのAIも偏っているなら、オープンソースのディープシークで良いという考え方も増えそうです。
AIの進歩は凄い
とはいえ、AI の進化は凄いので活用することは大事です。
これらの画像はAIが生成した画像です。
10秒くらいで生成されます。
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![58-3.jpg](https://media.real-int.jp/images/Fmt3n1Tinuvb-58-3.width-500.jpg)
これらの画像を人が作ったらかなり大変です。
静止画だけでなく、まるで実写のようなリアリティの高い動画も簡単に超低価格で作成できます。
もの凄い進歩です。
プレゼンテーションのパワーポイントやセールスレターなどは文章も画像もAIに勝手に作成させることもできます。
多くの人の心に響くであろう魅力的なパワーポイントの文章やセールスレターの文章までもAIが考えてくれるのです。
(リアルインテリジェンスでは他と違うことばかり書いていますのでAIは使えません)
イーロン・マスク氏のいう米政府職員の9割は不要、という発言も現実味があります。
AIに代替できるからです。
次のブラックスワン
AI関連株を牽引しているエヌビディアはGPUを供給している企業の中でも突出して売上を伸ばしてきました。
ちなみにエヌビディアのGPUは、台湾の半導体受託製造企業のTSMCで製造されています。
今、米国ではトランプ大統領やイーロン・マスク氏が、USAID(United States Agency for International Development)(米国際開発局・アメリカ合衆国国際開発庁)を封鎖し、その闇が暴露されています。
この闇の暴露のムーブメントは拡大中です。
関税問題も含めて、今後、AIバブルへの第2のブラックスワン的事件があるかもしれません。
ITバブルと似ている
今のAIバブルは過去のITバブルの時の市場心理と似ています。
ITバブルは最終的に崩壊しました。