FXのスイングトレードとは?利益を出すコツや損切りの方法を紹介!
この記事では、スイングトレードの初心者の方のために、スイングトレードとはどのような手法なのか、利益を出すコツや損切りの方法、活用できるテクニカル分析についてご紹介していきます。これからスイングトレードに取り組もうと思っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
今回のポイント!
- スイングトレードの特徴と他の手法の違い
- スイングトレードのメリットとデメリット
- スイングトレードで利益を出すために必要なコツ
- マスターしておきたい基本的なテクニカル分析
FXのスイングトレードとはどのような手法なのか
FXのスイングトレードとはどのような手法なのか、他のトレードスタイルや手法との違いなど、基本的な内容を確認していきましょう。
FXのスイングトレードの特徴とは
FXのスイングトレードとは相場の大きな流れに乗って、数日から数週間の中期的な期間でポジションを保有するスタイルです。大きな流れに乗るので、狙う利幅も大きくなるのが特徴です。
また、一度エントリーすると保有している期間が長いため、頻繁にトレードする必要がありません。そのため、忙しい人や初心者にも取り組みやすいトレードスタイルといわれています。
ほかのトレード手法との違い
FXトレードには、保有期間によって異なる4つのトレードスタイルがあります。スイングトレードの特徴をより理解するために、この4つのトレード手法を比べて違いを見てみましょう。
スキャルピング
ポジションの保有期間は数秒から数分。狙う利幅は数ポイントと小さく、何度もトレードを繰り返して利益を積み上げるスタイル。
デイトレード
ポジションの保有期間は数分から数時間。狙う利幅は数十ポイント。トレードの頻度は日に数回でポジションを翌日まで持ち越さず、その日のうちにトレードを手仕舞いする。
スイングトレード
ポジションの保有期間は数日から数週間。狙う利幅は数十~数百ポイント。大きなトレンドを狙うスタイルのためトレード回数は少ないが、狙う値幅が大きい。
ポジショントレード
ポジションの保有期間は一週間以上。このスタイルでは売値と買値の差で生じる差益を狙う他、スワップポイントで利益を狙うのが目的の場合もある。
その日のうちに手仕舞いするスキャルピングやデイトレードは、原則として毎日トレードするスタイルです。スイングトレードはトレードしない日もありますので、トレードの頻度としてはスキャルピングやデイトレードと比べると少なくなります。
一方、ポジショントレードは長期に保有するのが原則になるので、売買行為としてのトレードの頻度はさらに少なくなります。スイングトレードはポジショントレードよりは売買回数が多く、保有よりも売買差益を狙うので、一般的なトレードのイメージに近いスタイルになります。
FXのスイングトレードのメリット・デメリット
上記では他のトレードスタイルと比べてスイングトレードの特徴を見てみました。ここでは、改めてスイングトレードのメリットとデメリットを整理してみましょう。
スイングトレードのメリット
スイングトレードのメリットから見ていきましょう。ここでは、主に2つのポイントに絞ってご紹介していきます。
トレード回数が少ないため取り組みやすい
繰り返しになりますが、スイングトレードは大きく時間軸をとらえて、数日から数週間かけてトレードするスタイルです。大きな流れを把握することが重要なので、細かな値動きを監視する必要がありません。そのため、チャートのチェックは1日に数回で十分といわれています。
一方、細かな値動きを狙うスキャルピングやデイトレードであれば、チャンスを逃さないように何時間もチャート画面を監視する必要があります。スキャルピングやデイトレードの場合、トレードにまとまった時間が使える人でないと難しいですが、スイングトレードは家事や仕事で忙しい人も取り組みやすいスタイルといえます。
また、スキャルピングやデイトレードは細かな動きを狙うので、瞬時の判断力が求められます。スイングトレードは細かなブレはそれほど気にする必要がないので、初心者でもゆったりした気持ちでトレードできるのがメリットです。
1回あたりのトレードで得られる利益が大きい
スイングトレードは大きなトレンドに乗ってトレードするため、1回のトレードで狙える利幅が大きいことがメリットです。トレンドに勢いがあれば、短い時間でも大きな利益が得られる可能性があります。プラスのスワップポイントがつく場合は、スワップポイントによる追加利益も期待できます。
また、トレードではスプレッドが実質のコストとなりますが、その点でもスイングトレードは有利です。例えば、スプレッドが1ポイントで同じ100ポイントの利益を狙う場合でも、スキャルピングを50回すればスプレッド分として50ポイント必要です。
一方、スイングトレードであれば1回で100ポイントの利益をとれた場合、支払うスプレッドは1ポイントとなり、その差は歴然です。このように利幅が大きいだけでなく、取引コストが抑えられるのもスイングトレードのメリットです。
スイングトレードのデメリット
スイングトレードのメリットを整理しましたが、実際にトレードに取り組む前にデメリットもきちんと把握しておきましょう。
マイナススワップで損をする可能性がある
スワップポイントによる利益に関しては上述しましたが、スワップポイントはマイナスになるケースもあるので注意が必要です。スワップポイントはそれぞれの通貨の金利差を元に計算されますが、各通貨の金利は各国の政策によって定期的に見直されています。そのため、スワップポイントは常に変動していることを念頭に置いておきましょう。
エントリーした時にはプラスのスワップポイントだったとしても、政策金利の変動でマイナスに逆転する場合もあります。また、政策金利だけでなく大きな為替変動があれば、スワップポイントの水準が前日より大きく離れてしまうこともまれに見られます。最初は小さなマイナススワップだったとしても、突然大きなマイナスになってしまうリスクもありますので注意しましょう。
相場の急変で損失が大きくなるリスクがある
相場には為替の変動リスクはつきものです。スキャルピングやデイトレードの場合、保有期間が短く常にチャートを監視しているので、何かあった場合でもその場で対応しやすいです。一方、スイングトレードは1回のトレードでの保有期間が長くなるので、その間は常に為替変動リスクにさらされているとも言えます。
例えば、週末に相場が閉まっているタイミングで大きな事件や重大な事態が発生した場合を考えてみましょう。スイングトレードではポジションを保有したままの状態でも、週末なのですぐにはポジションを手仕舞いできません。やっとトレードできる頃には価格が大きく逆に動いてしまった後だった、ということもあるかもしれません。スイングトレードは日をまたいだり、週末をまたいだりするので、常に為替変動リスクと背中合わせであることを知っておきましょう。
FXのスイングトレードで利益を得るためのコツ
メリットとデメリットを把握した上で、スイングトレードに取り組んでいきたいと思った方にむけて、ここからはFXのスイングトレードで利益を得るためのコツを紹介していきます。
相場のトレンドを見極める
スイングトレードは大きな流れに乗るからこそ、目先の小さな値動きに神経質にならずに時間をかけて利益を育てられる性質があります。従って、スイングトレードでは大きな時間軸のトレンドがどうなっているか見極め、その方向に売買するのがコツです。
相場には上昇トレンドと下降トレンド、レンジの主に3種類の状態があります。上昇トレンドの定義は高値と安値が切り上がっている状態の相場で、買い方向でエントリーするのが基本です。下降トレンドは高値と安値が切り下がっている状態を指し、売り方向に優位性がある相場です。テクニカル分析を身につけ、相場のトレンドを見極めるようにしましょう。
チャートの時間足を使い分ける
どのようなトレードスタイルでも、一つの時間足だけを見てトレードするよりも、複数の時間足を見てトレードしたほうが利益を出しやすい傾向にあります。ここでは、スイングトレードにおける時間足の使い分けの方法をご紹介していきます。
月足・週足・日足
月足、週足、日足で大きな流れと過去の値動きから現在の価格の水準を把握しましょう。大きな時間軸の価格の節目は意識される傾向にあります。明らかに過去の水準の高値圏や安値圏に差し掛かっていたり、何度も価格が止まっていたりするポイントでは注意が必要です。
また、週足や日足レベルのトレンドは継続しやすいといわれています。スイングトレードは数日から数週間の間ポジションを保有することから、日足や週足のトレンドに逆らうと利益が出にくい場合もあるので注意しましょう。
日足・時間足
実際のトレード判断には日足や時間足を利用します。時間足でよく使われるのは4時間足、1時間足です。日足でトレードの方向性を固め、4時間足や1時間足でトレンドの波をとらえていきます。
4時間足か1時間足のどちらを使うかは人それぞれです。しかし、スイングトレードの最大の魅力であるゆったりとしたトレードで、大きな利幅を狙う場合は4時間足などの大きめの時間足を使うのがいいでしょう。
分足
分足には30分足、15分足、5分足、1分足などがあります。狙っているポイントにさしかかったら、分足で価格の動きを確認すれば、非常に良いポイントでエントリーや利益確定ができる場合もあります。
ただし、細かい動きにとらわれず、ゆったりとしたトレードができるのがスイングトレードの魅力でもあります。あまりに細部にこだわりすぎてしまうと、デイトレードと同じ感覚でトレードしてしまうことになりますので、注意しましょう。
レバレッジを低めに設定する
スイングトレードの最後のコツはレバレッジを低めに設定することです。デメリットの紹介でも取り上げた通り、スイングトレードでは常に為替変動リスクと背中合わせの状態でポジションを保有することになります。
また、狙う利幅が広い分、許容する損切り幅も広くとることになります。そのため、ある程度価格が不利な方向へ動いても強制ロスカットされないように、余裕を持って低レバレッジでトレードしましょう。保有期間を数日から1週間程度に想定している場合は、レバレッジ5倍程度が目安です。より長く数週間から数カ月の保有期間を想定する場合は、3倍程度のレバレッジが目安となります。
FXのスイングトレードでは損切り(ロスカット)も重要!
スイングトレードでは狙える利益も大きいですが、損切り幅も深くなりがちです。ここからは、スイングトレードならではの損切りの設定方法やポイントをご紹介していきます。
スイングトレードの損切りの設定のしかた
損切りの基本は、想定している利幅より損切り幅が小さくなるように設定するのが王道です。スイングトレードで狙える利幅は、目安として数日のスイングトレードでは50~100ポイント、数週間なら数百ポイントくらいを想定するとよいでしょう。損切り幅もその時の保有期間や期待できる利益に対して、その都度大きくしたり小さくしたりする必要があります。
ここで注意が必要なのは利幅が広ければ広いほど、損切り幅も深く設定する傾向になるという点です。損切り幅を広めに設定する場合は、許容する損失も大きくなります。強制ロスカットを避けるためにも、資金に余裕を持たせてレバレッジを低めにする必要がありますので注意しましょう。
スイングトレードで損切りを徹底する方法
スキャルピングやデイトレードではトレード中は常にチャートを監視しているので、損切りのタイミングを見逃すことはありません。しかし、スイングトレードでは常にチャートを監視しているわけではないので、仕事中や寝ている間に損切りポイントに価格が到達してしまうこともあります。そのため、スイングトレードではポジションを持ったら必ず決済の逆指値注文を出すようにしましょう。
逆指値注文とは価格が不利なほうへ逆行した場合に、ポジションを決済する注文で、ストップ注文とも呼ばれます。逆指値注文を出しておけばチャートを監視していなくてもルール通りの損切りが執行できるので、スイングトレードでは損切りの必須アイテムともいえるでしょう。
FXのスイングトレードで活用したいテクニカル分析
スイングトレードでは相場のトレンドを狙うことが重要であることは前述した通りですが、そこで活用したいのがテクニカル分析です。スイングトレードに役立つ基本的なテクニカル分析をいくつか紹介していきます。
サポートライン・レジスタンスライン
サポートラインは日本語では「下値支持線」と呼ばれ、過去の安値を結んだ線を表します。逆にレジスタンスラインは「上値抵抗線」と呼ばれ、過去の高値を結んだ線を表します。過去の高値や安値は多くの相場関係者が注目するポイントであり、非常に意識されるので同じような価格帯で止まりやすい性質があります。
特にスイングトレードで使う週足や日足などの長期足のサポートラインやレジスタンスラインは、短い時間足のラインより強く意識される傾向があります。サポートラインやレジスタンスライン付近では、そこで価格が跳ね返されるか、抜けるかの攻防が激しくなります。サポートラインやレジスタンスラインを抜けた場合は、抜けた方向に一気に価格が動きやすいという傾向があります。
保ち合いパターン
保ち合いパターンは「レンジ相場」とも呼ばれ、価格が一定のゾーン内で上がったり、下がったりしている相場を表します。一定の値幅の間で動きますが、価格の動きはランダムで方向性がありません。レンジの上限に達しても、そのまま直線的に下限に価格が下落するわけではなく、上がったり下がったりするので、売り買いの判断が難しい相場です。
保ち合いパターンでは相場はエネルギーを溜めている状態ともいわれており、保ち合いを抜けると抜けた方向にトレンドが発生しやすいといわれています。スイングトレードでトレンドを狙う場合は、レンジ相場からのブレイクを狙うのも一つの方法です。
Wトップ・Wボトム
ダブルトップとは上昇トレンド中に同じ高値で価格が止まってしまった時に現れる形状です。ダブルボトムはその逆で、下降トレンド中に同じ安値で価格が止まってしまう場合を表します。
これらの形状はトレンドの終わりや転換のサインとしてとらえられます。なぜなら、高値や安値を更新できなかったという現象は、相場の勢いがなくなってきたと多くの相場参加者によって判断されるからです。
だからと言って、すぐに上昇トレンドが下降トレンドに逆転したり、下降トレンドが上昇トレンドに逆転したりする訳ではありません。そのまま保ち合いパターンに入って元のトレンドに戻る場合もあります。
そのため、ダブルトップやダブルボトムが出た場合は、ネックラインと呼ばれるラインを超えて初めて本格的なトレンド転換ととらえて、売買判断をします。
ヘッド&ショルダー
ヘッド&ショルダーはダブルトップやダブルボトムと似た形状のチャートパターンです。ダブルトップやダブルボトムの真ん中にもう一つ山がある形状になります。日本語で「三尊」と表現される場合もあります。
上昇トレンドで現れた場合はヘッドアンドショルダーズトップ(三尊)、下降トレンドで現れた場合はヘッドアンドショルダーズボトム(逆三尊)と呼ばれます。
ダブルトップやダブルボトムと同じように前回の高値や安値を更新できなかったことで、相場の勢いが落ちてきている状態と判断されるため、トレンドの転換サインとしてとらえられます。こちらもダブルトップやダブルボトムと同じく、ネックラインを抜けてはじめて本格的なトレンド転換のサインとして売買判断に使うのが一般的です。
移動平均線
移動平均線は一定期間の価格の平均値を計算して、それをなめらかな線でつないだものです。平均の期間を短くすれば直近の平均値や方向性、平均の期間を長くすれば中長期の平均値や方向性が一目で把握できます。また、移動平均線の傾きや角度を見れば、トレンド方向やトレンドの強さも簡易的に把握できます。
移動平均線は最もメジャーなテクニカル分析の一つであり、多くの人が利用している指標です。そのため、サポートラインやレジスタンスラインと同じく、メジャーな期間の移動平均線は抵抗線として強く意識される傾向にあります。また、ゴールデンクロスやデッドクロスと呼ばれる短期の移動平均線と長期の移動平均線の交差を売買サインとして利用することもあります。
FX初心者はスイングトレードから始めてみよう!
スイングトレードは大きな時間軸の流れに乗ってトレードする手法です。細かな動きに神経質になる必要がないので、時間に余裕がない人や初心者でも取り組みやすいトレードスタイルといえます。
また、中長期のトレードになるので、回数は少ないものの一度に狙える利幅が大きいことも魅力の一つです。その反面、リスクコントロールを強く意識する必要があります。ポイントになるのは損切りやテクニカル分析をしっかりと身につけることです。ぜひこれらの知識を身につけて、優位性のあるトレードにしましょう。
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