今週の主要3通貨の方向性
先週の動き
先週1週間の主要通貨の対ドルでの騰落は、8月を通じてできたドル買いの流れがやや一服、全体でみればまちまちの結果で取引を終えています。
上昇通貨は上位よりAUD(+0.78%)、NZD(+0.69%)、JPY(+0.11%)、GBP(+0.09%)、CAD(+0.07%)と続き、下落通貨でも同様にEUR(-0.19%)、CHF(-0.14%)と続いています。
中国から為替介入強化に続き、事実上の政策金利である最優遇貸出金利(LPR)の引き下げ、先週金曜は外貨預金準備率の引き下げと通貨防衛の姿勢が強く示されています。
USDCNH(ドル/オフショア人民元)の反落に伴い、交易を通じて密接な関係にあるオセアニア通貨が上昇の上位を独占しています。
欧州景気の予想外の減速・低迷から引き続く欧州通貨のさえない展開が続いています。
JPYは週間ではわずかに上昇していますが、USDJPYの週間レンジは2円92銭、昨年来高値更新後に反落、その後は持ち直すなど週足十字線となり、目先の気迷いを反映しています。
先週予想した値幅と実際の値幅
USDJPY
予想した値幅:330pts
実際の値幅:292pts
EURUSD
予想した値幅:208pts
実際の値幅:173pts
EURJPY
予想した値幅:336pts
実際の値幅:270pts
先週示現した値幅は、オプション市場が織り込んだ値幅とほぼ整合的、材料難から今週は一段の縮小を示唆しています(後述)。
今週予想する値幅、68%/95%の下限/上限
USDJPY
予想する値幅:316pts
68%下限/上限:144.70/147.86
95%下限/上限:143.12/149.44
EURUSD
予想する値幅:186pts
68%下限/上限:1.0681/1.0867
95%下限/上限:1.0588/1.0960
EURJPY
予想する値幅:340pts
68%下限/上限:155.90/159.30
95%下限/上限:154.20/161.00
月末月初のイベント通過して、今週は完全に材料難、週明けの米国市場は休場であり、一段と動きにくい展開が続くかもしれません。
値幅の概念、考え方はこちらの動画からご確認ください↓
今週の展望
週明けの9/4は米国市場はレイバー・デーの祝祭日であり、米株と米国債の取引が休場、市場が動き出すのは翌日以降からかもしれません。
今週は9/5にRBA(豪州準備銀)、9/6にBOC(カナダ中銀)が金融政策を発表しますが、どちらもそれぞれ政策金利を4.10%、5.00%に据え置き予想です。
変数が存在するとすれば前者で、2016年9月からRBAの総裁をつとめてきたロウ総裁の最後の会合で、現在のブロック副総裁が総裁に昇格します。
RBAの初の女性総裁の誕生ですが、これまでの市場の評価を総合するとハト派とみられ、今回の会合で据え置くと、完全に利上げの打ち止めの可能性が一気に高まります。
今週広く材料難となるなか、問題は主要3通貨の方向性となります。
USDJPYやEURUSDの先週の引けは先々週とほぼ同水準、完全に強弱感を把握するのが難しくなっています。
今週、目立ったイベントや経済指標の発表がなく、トレードを一層難しくしています。
先週米国で発表された一連の雇用関連の指標は労働市場の軟化を示す結果となり、9/20-21のFOMCでは追加利上げを決定する理由がなくなってきました。
焦点は9/13の米8月のCPI(消費者物価指数)の発表に移りますが、市場予想通りであれば、一段と金融政策据え置きの可能性を織り込んでしまうことでしょう。
先週、雇用統計後にUSDJPYが安値から2円近い反発をみせましたが、ISM製造業景気指数の底入れ効果と週末3連休前のドル買い戻しが続いただけだと思います。
欧州景気減速もあり、今週はEURUSDやEURJPYなどのトレードにシフトしていこうかと思います。
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