円の実質的な価値
米国市場休場ということもあり、欧州時間の中盤から為替市場は横ばい推移が継続、目立ったニュース等もありませんでした。
トレードポイント
円の相対的な強弱を計測する場合、通常、貿易額や物価水準を加味した実質実効為替レート(RealEffective Exchange Rate)でみていきます。
毎日発表されるものではなく、国際決済銀行から月に1度発表されていますが、その円の水準は1990年代の半分以下、国際的な価値が半減しているわけです。
こうなると、資産を円建てで持っている場合ではなく外貨で持つべき?そんな考え方が浮上してきても当然でしょう。
日銀の資金循環統計では、日本の個人金融資産の総計は約2000兆円、日本人は金融資産の運用に保守的(リテラシーが低い?)でその半分以上が現預金です。
では円の価値の原価を憂慮して10%でも外貨建てとなった場合、とんでもない資金逃避(キャピタル・フライト)が発生、これはもう為替の円買い介入では対処不能です。
昨年は急速に円売りが加速したことで、9-10月に合計約9.2兆円を投入してその流れを食い止めました。
結果論からすれば、みての通り、介入効果はあったのですが、それは秋口から米景気減速が表面化、さらにCPI(消費者物価指数)などが急低下、翌年の利下げを織り込んだからです。
今回、再度円売りが加速した場合、同じような援軍が現れるか?微妙です。
現実的な円買い介入の議論ですが、今週の展望でも書きましたが、まだ2合目付近、対欧州通貨主導で円売りが進んでいるのになぜ対ドルで円買い介入?そんな議論もあるでしょう。
議論が煮詰まってくると、新聞紙面、SNS、メディア上で「介入」の文字が独り歩きし始め、注目度が高くなってきます。
まだ、そうした状況には程遠いと思います。
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