投機的な円売りがおさまらないのはなぜか?
労働生産性低下を背景とした国際競争力低下は日本経済の先行きへの不安を高めている。そうした日本の将来に対する懸念が円売りにつながっているのではないか。
米ドル高構造はいつまでなのか
FRBは、明らかにデータの後追い的スタンスにある。いつ、何時、景況が急降下するかも知れないこともリスクに織り込んでいる。ただ、少なくとも2回の利下げが今年6月以降に重ならなければ、ドル高のUターンは難しい…
物価高止まりのなか米景気は急減速のおそれ
4月に始まった消費などの需要減少がこの先も続けば、米国経済は、物価がさほど落ち着かない状況で、景気は予想外に急速に悪化する可能性がある。そうではなく、この需要減速が一時的なものであれば、景気はさほど悪くならないが、物価上昇はかなりのテンポで続く可能性がある。
1ドル160円が円の底値なのか
4月の消費者信頼感指数は22年7月以来の水準に低下し、しかも3ヵ月連続の低下。期待指数も2年ぶりの低水準となり、先行き経済に陰りが出ているが、人々はインフレを最も懸念しているという。ならば、ドル高で輸入物価を抑える手立てが不可欠ということになる。
大統領選挙に縛られるバイデン政権の中東和平政策
4月23日で200日を超えたガザ紛争に、停戦へのほのかな明かりが見えている。アラブ和平イニシアティブが動き出したことで、今後の中東和平にどのような変化がもたらされるだろうか。以下では、米国の中東和平政策の変化を振り返りつつ、この問いについて考えてみる。
日銀は今後3か月に1回程度のペースで利上げか
現在の円安が6月の次回政策決定会合での追加利上げの可能性を高めていることは確かだろう。5月の連休明けには、労働組合の賃上げ要求を集計する連合が「中間とりまとめ」を行う。高い水準の賃上げ率が確保されれば、基調的物価上昇率が2%に届くという見通しの確度が上がり、追加利上げのための一つの重要な判断材料になるだろう。
FRBが執拗なインフレに敗北
FRBのエコノミストは、将来のインフレ期待に関する市場ベースの長期的な指標を重視している。具体的には5年後から5年間のインフレ期待を反映する、ブレーク・イーブン・インフレ率(フォワードBEI)だ。これが想定以上に高いとなると、FRBは今後の政策金利の在り方を修正せざるを得なくなる。
対日投資ブームは一時的か
現在の対内投資ブームと言われる状況は、日本政府の補助金などによるもので必ずしも、海外企業による自律的、主体的な動きとは言い難い。政府による補助金増額や円安といった、一時的なインセンティブが変化すれば、すぐにブームも終わってしまう恐れがある。
日銀の出方次第となってきた
財務省・日銀は米国政府の理解をベースに介入実施を決断するのではないか。介入を重ねながら環境の変化(ECBの6月利下げ、FRBの6月利下げへのサプライズ警戒)をうまく捉えつつ、日本の7月追加利上げ説を流布していく手法も考えているはずだ。
イランがイスラエルへの報復攻撃を実施
4月13日、イランのイスラム革命防衛隊が、被占領パレスチナ地域のイスラエルの陣地に向けて数十発の無人機とミサイルの発射を開始したと発表した。空爆の実行者は確定できていないが、ニューヨーク・タイムズ紙は、イスラエル政府の4人が同国による攻撃を認めたと報じている。
豪ドル/ドルの低ボラティリティーとは
逼迫する労働市場と下方粘着性の強い物価動向から豪州が直面するインフレ圧力は根強い。RBAの前年比2~3%インフレ目標の早期実現は難しい。利下げの時期は24年後半以降にズレ込みそうである。となると豪州経済の成長鈍化は2024年を通して不可避となろう。
紛争のエスカレートが懸念されるイスラエルのシリア攻撃
中東地域では、間もなく半年をむかえる人道危機にあるガザ地区での紛争に関連し、紅海での戦闘に加え、イスラエル・レバノン国境での戦闘、そして、シリアを舞台とする戦闘が続いている。今回は最近のイスラエルによるシリアに対する攻撃について分析し、今後のイスラエル・イラン関係の展開について考察する。
執拗な円安を封印するには…
日銀は7月あたりの再利上げを決断するしかないのではないか。もちろん、政府債務の金利コスト増や企業収益へのダメージ等の副作用は大きいだろうが、投機筋の動きを封印するなら、オモチャにされやすい為替介入より余程、効果がある。このシナリオも織り込んでおくべきではあるまいか。
日本の物価は今後も持続的に上昇していく
食品メーカーは、ここまで原材料コストなどを製品価格へ転嫁することに成功した実績から、今後も値上げを続けそうだ。食料を自給できない日本の状況から言えば、大幅円高にならない限り、日本の食料価格の割安な状況が続くとは考えにくい。日本の食料価格に対する上昇圧力は続くだろう。
対ドルでの欧州通貨安に要注意
ポンドは急落局面に備えるべきである。チャート的には1ポンド=1.2ドルあたりが岩盤の様に見えるが、年後半に向けて1.10ドル近くまで下落する可能性も頭に入れておくべきだろう。
パウエル議長の「なにがなんでも利下げ」の姿勢は「謎」
マーケットは早期利下げを今のところ歓迎している。だが、インフレ沈静化が進まないのに利下げを強行すれば、短期金利は低下しても長期金利は上昇するだろうし、ドルは信頼低下から下落するだろう。
日銀のこの先の利上げはどうなるか?
基調的な物価上昇率は目標の2%に向かって上昇していくのか。今春闘の大幅賃上げで基調的な物価上昇率が2%を超える可能性は高まっている。
米国景況の陰りを無視する市場
FF金利の先行きを予想する、いわゆるドットチャートでカーブが上方シフトするとの見方が増えている。そうなれば、もう一段のドル高ということになりそうだが、2月~3月の米国景気データが、重なるにつれ、そうした見方には終止符がついていくのではないか。
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