中国の第2の文化大革命とは?
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現時点の中国は「共同富裕」がテーマ
中国は、習近平主席が掲げた「共同富裕」というテーマのもと、第2の文化大革命ともいえるものが始まっています。
共同富裕とは、「報酬、税金、寄付」を通じて、所得の再分配を図るというもので、一部のお金持ちだけでなく、みんなで利益をシェアしましょうという考え方です。
中国では「共同富裕」に、大企業が相次いで多額の支援を表明する異例の事態となっており、電子商取引大手のアリババグループは2025年まで1千億元(約1兆7千億円)の投資を表明しています。
中国では学習塾も廃止すると発表しており、中国にいる友人に聞いた話では、英語塾をやっていた人は失業となったとのこと。学習塾のようなところにお金を出して行くのではなく、国がやっている学校で平等に競争しましょうということです。
KPOPで有名なBTSのWeibo(中国版Twitter)のアカウントも停止、欧米のようなエンターテイメントに熱狂するという影響を止めさせるということのようです。
ジョージ・ソロスが中国への投資を行うことを警告
第2の文化大革命で、色々なものが共産主義に戻るということで、資産家ジョージ・ソロスはそれに対して「習近平はすべての中国企業を一党独裁国家の道具とみなしている」と言っています。
アリババや、インターネットサービス大手のテンセントは、モルガンスタンレーが投資している投資信託の一部に入ってしまっているので、米国の人たちは知らず知らずのうちに習近平がコントロールできる企業に投資してしまっている、米議会は中国企業への投資を禁止する法律を作るべきだともジョージ・ソロスは言っています。
中国政府はアリババの経営権を取得、TikTokのオーナーであるByteDanceの株式と取締役会の席も取得。中国共産党がやっている会社なので、彼らの思うように、落としたいときは株価も落ちてしまうような不安定な状況にあります。
恒大集団の救済は?
恒大集団(こうだいしゅうだん=evergrande)は、中国不動産開発会社で、世界22位、中国3位の大富豪が創業者です。
恒大集団の3000億ドル(約33兆円)を超える債務につき、デフォルト(債務不履行)を起こすのではないかということがあり、上海総合指数は下落。日経平均先物も29300円ぐらいまで急落。これが収まるまでは米株と日経平均株価も不安定になっていました。
中国当局が恒大集団に対して支払いに関する資金支援を提案したのか、またオフショア債権者に最終的に損失を負わせるべきだと考えているかどうかはいまだに不明です。
しかし、金融市場を揺るがし成長の足かせとなり得るような同社の破綻は、中国政府が当面は回避したい考えであるとマーケットは捉え始めている模様で、マーケットは沈静化しています。目先は多少動いても、これでリーマンショックのようなことに繋がらないとは思っています。
アメリカの次は、中国の時代になるといわれていましたが、共同富裕などの変化により中国への投資は減ってくるのではと言われています。
振り返ってみれば、8月15日のカブール陥落から始まって、菅総理の退陣、恒大集団とテーマがコロコロ変わるので、長いポジションよりも短いポジションのほうがよいのかもしれません。
上海総合 月足
高値と安値の50%戻しが3,809にありましたが、そこを抜けないで調整しているので、ニュースがあってもなくても調整しているタイミングではあったといえます。
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