豪ドルが鍵を握る
豪ドルの行方を特に気にする理由
上海総合指数が今週大きく値を下げる中、昨日の米株は反発。S&P500は、ほぼ3週間ぶりの大幅高。そして昨日はNY原油先物も一時3.8%高。
これらの要因は、全てリスクアセットの豪ドルに対してプラスです。
ところが、上海総合指数の下落や evergrande(=恒大集団) を筆頭とする中国関連の報道は豪ドルに対して全てマイナス。では豪ドルに手をださなければいいということになります。ただ僕は下記のように考えています。
僕が豪ドルの行方を特に気にしているのは、僕が豪州のファンドにつながりがあるなどの背景もありますが、豪ドルがleading currency(牽引する通貨)であるからです。
以前はドルの行方としてドル円やユーロドル、そしてなによりドルスイスが相場を牽引してきた時代がありました。それが中国の台頭の影響もあり、豪ドルがきわめて重要な鍵を握っているからです。
シンプルトレードの会員の方は何度もきかされた話ですが、去年の3月19日にRBAが最後の利下げをした日が豪ドル円のボトム。それ以降、豪ドル円は33%も急騰しています。
同じタイミングでユーロ円、ポンド円、gold、株といったリスクアセットは全て大きく反発。
今年も8月20日にボトムアウトした豪ドル円ですが、他のプロダクトも反発しています。そのため、豪ドルの行方を気にしているわけです。
そして豪ドルは、中国リスクもまだ表現する(つまりヘッジで利用できる)という意味もあるためオーストラリア経済が悪いとは思いませんが、いったん豪ドル円をショートにしているわけです。
そしてチャート的にはかなり高い位置にありますが、中期ではまだ上がると想定している日経平均をロングに戻しました。(Demarkの日足は調整の可能性を示唆していますが、為替とのバランスを考えて)
つまり、ラフにいえば日本への投資に対して中国をショートにしているということになります。
僕はまだ「チャイナリスクに対するヘッジという意味での豪ドル円のショート」という時代は懐疑的なのですが、為替ではそれしか浮かびません。
豪ドルはコモディティが反発するとそれに比例して上昇することもあるため、現在も為替に対しては検証中です。
ただ買われすぎで調整する可能性もある日経平均のロングには、豪ドル円のショートは残しておいたほうがいいと判断して現在、日経平均のロングと豪ドル円のショートという組み合わせにしています。
「西原宏一のシンプルトレード」で配信された内容を抜粋しています。
前回の記事も大事な内容ですので、ご覧ください。
マーケットでは中国の不動産バブル崩壊を意識
https://real-int.jp/articles/949/