景気回復が一巡 商品市況には明確な減速感
FOMC議事要旨 特段のサプライズなくテーパリングが近づく印象
昨日は欧米時間に入り、7/27-28に開催済みのFOMC議事要旨の公開を控え、短期的なポジション調整からドルを買い戻す動きが先行しました。
EURUSDが今年3/31の年初来安値1.1704や当面のサポートとみられた1.1700が決壊、ストップを巻き込み、昨年11/4以来の安値1.1694を示現しています。
この動きのなかで、USDJPYも買い戻され、一旦110円台を回復、昨日高値110.06をつけています。
FOMC議事要旨では、
・「多くのメンバーが年内のテーパリング開始が適切」
・「インフレの加速は一時的」
・「ワクチン接種の遅れ、デルタ株の感染拡大がリスク」
としています。
特に目新しさはありませんでしたが、現実的にテーパリングが迫ってきたことで、米株は引けにかけて下げ幅を拡大、ダウは2日続落で35000ドルを割り込んで引けています。
金利の低下もあり、為替市場ではドルは高値圏より反落となり引けています。
商品市況には明確な減速感
原油先物価格
米金融大手、JPモルガンチェースやゴールドマンサックスは、年内の原油先物価格の高値に関し、80-100ドルをみているようですが、すでに高値圏より反落してきています。
その原油先物価格は、昨日まで5日続落、7/19にOPECプラスが8月からの段階的な減産縮小を発表(事実上の増産)したときの安値を割り込み、5月以来の安値を更新してきました。
銅先物価格
世界景気の先行指標とされる銅先物価格は、5/11の高値から昨日引けまで-13.6%の下落、商品市況の調整を主導しています。
銅は自動車の生産などの工業製品の生産に広く使われ、中国が世界消費の半分を占め、世界景気の先行指標ともいわれています。
このところ中国のPMI(購買担当者景気指数)が大幅に低下、最近発表された7月の小売売上高や鉱工業生産は前月から低下、市場予想も下回り減速感が鮮明です。
AUDJPYを筆頭にCADJPYなどの一部資源国通貨がさえないのはこの影響からで、コロナ後の景気回復が完全に一巡している表れでしょう。
鮮明なのはリフレトレードの巻き戻し
景気はサイクルで循環しており、経済学上、物価の下落であるデフレ、物価上昇であるインフレを交互に繰り返すことになります。
ただ、デフレからの脱却局面、インフレの芽がでてくることを「リフレ」と呼んでいますが今、為替市場でテーマとなっているのはこの「リフレトレード」の巻き戻しなのです。
具体的には、これまで上昇をけん引してきたAUDJPYやCADJPYのロングの巻き戻し、つまり整理売りなのです。
こうした整理売り、巻き戻しですが、ポジション調整の動きからしばらく続くと考えています。
SmartLogicFX より一部抜粋しています。
現在のポジションは SmartLogicFX にて公開しています。