年初まで続いたドル安の流れに大きな修正
先週の動き
先週の主要通貨の騰落は、下落上位から、AUD(-2.1%)、CHF(-1.35%)、JPY(-1.07%)、CAD(-0.96%)、NZD(-0.84%)と続いています。
資源国通貨、また経常黒字国(圏)だけが売られたとかでなく、みえてくるのは、全てに一旦アンワインド(巻き戻し)が入り始めています。
米金利が上昇、金利がなくなるなかで買われてきた(配当を生まない)ビットコイン、金などを値幅狙いだけで買う理由が揺らぎ始めています。
先週予想した値幅と実際の値幅
USDJPY
予想した値幅、160pts
実際の値幅、176pts
EURUSD
予想した値幅、186pts
実際の値幅、246pts
EURJPY
予想した値幅、192pts
実際の値幅、180pts
金融市場の動揺を受け、全般値動きが荒くなってきました。
今週予想する値幅 68%/95%の上限/下限
USDJPY
予想する値幅、232pts
68%上限/下限、105.40/107.72
95%上限/下限、104.24/108.88
EURUSD
予想する値幅、268pts
68%上限/下限、1.1938/1.2206
95%上限/下限、1.1804/1.2340
EURJPY
予想する値幅、280pts
68%上限/下限、127.23/130.03
95%上限/下限、125.83/131.43
今週の展望
米国の下院は週末、1.9兆ドル規模の経済対策を民主党主導で可決、来月中旬までの発動に前進(日経電子版)と伝えられています。
これまで、この経済対策の規模をめぐり、サマーズ元財務長官は過熱を招きかねないと批判してきましたが、現在のイエレン財務長官は必要というスタンスでした。
この1.9兆ドルの法案がこのまま上院を通過するかは微妙なところですが、多少削られたとしても影響は大きく、おそらく経済は過熱に近い経路をたどることでしょう。
今週は、3/1、米ISM製造業景気指数、3/5、米2月雇用統計などが重要ですが、3/2にはRBA(豪州準備銀)が政策金利を発表予定です。
史上最低の0.1%の据え置きが予想されていますが、流石に豪州もこの先の政策変更で利下げを選択する可能性は低いでしょう。
どのような声明が飛び出すかが重要ですが、タカ派の声明ですと、一旦AUDは買われる可能性があります。
米国では、今週は多くのFRB幹部や地区連銀総裁の講演がセットされ、その発言に一喜一憂する展開かと思いますが、そのなかで重要なのは以下の2つ。
3/2 27:00
FRBブレイナード理事の講演、タイトルは「米経済見通しと金融政策」
3/4 26:05
FRBパウエル議長のWSJ上でのディスカッション、タイトルは「米経済との対話」
となります。
ブレイナード理事、パウエル議長ともにハト派、特にパウエル氏は「雇用は悲惨、低金利の長期化を忍耐強く…」と独自のロジックを展開することになるのでしょう。
ただ、金融市場は金利の上昇をみての通り、議長のレトリックに懐疑的で、おそらく再び金利の低下余地は乏しく、今週も金利見合いの週といえそうです。
AUDUSDなどは週足でみれば、新高値後に反落して先々週の安値を下回って引けるキーリバーサル(酒田五法では包み線、抱き線)を形成、一段安を示唆しています。
TC30分でみても、短期線が長期線を上から交差してデッドクロスを形成。一旦高値をつけた格好になっています。
トレード戦略ですが、クロス円を売るか、ドルを買うかですが、USDJPYが完全に底入れしている現状を考慮すると、後者が有力な選択肢かなと思います。
2021/02/28 08:59にSmartLogicFX で配信した内容から抜粋しています。
TC=TwinCloud、SmartLogicFXのなかで頻用するインディケーター