イエレン財務長官 来年にも完全雇用に近づくと発言
昨日は、イエレン財務長官が、バイデン政権の経済政策が実現すれば、2022年にも完全雇用に近づくと発言していたこともあり、アジア株に続き欧州株も序盤から堅調推移が続きました。
欧州時間に入り、米10年債金利が1/12の水準を超える1.20%まで上昇。為替市場でもドルが買われ、USDJPYで昨日高値105.67、EURUSDでも同安値1.202を示現しています。
その後は、米金利の上昇は一服、反転下落したこともあり、多くの通貨に対し、ドルも下落となっています。
電気自動車のテスラが、資産の多様化を理由にビットコインを15億ドル分購入していたことが判明、さらに自社製品の購入にビットコインでの支払いも受けるとも発表しています。この発表を受け、ビットコインが45000ドル付近まで上昇。
原油先物とダウが6日続伸、米株3指数がそろって史上最高値を更新して引けています。
上述のイエレン財務長官ですが、専門は労働経済学、持論は高圧経済(ハイ・プレッシャー・エコノミー)です。こちらは、経済を過熱気味に誘導して完全雇用を優先、ある程度の景気の過熱を容認する(金融)政策です。
こうした政策を主張する財務長官が就任した以上、金融政策を担うFRBがこのところの金利上昇を、けん制してくるとは思えません。
では、米10年債金利の当面の上昇余地はどの程度でしょうか。
政策金利の動向を反映する2年債金利と、10年債金利の長短金利差は、足元で100bp(1.00%)程度です。
元FRBバーナンキ議長が議会証言で量的緩和の縮小を示唆したのが2013年5月、この直前の長短金利差は、約150bp(1.50%)でした。
足元の2年債金利が0.11~0.12%で推移していることを踏まえると、やはり10年債金利で1.60%程度でしょうか。
(おそらく、この水準まで金利差が拡大する前に、将来の利上げを一部織り込み、2年債金利も上昇に転じてくるでしょうから、実際にはもう少し上の水準でしょう)
原油価格の上昇は、この先の航空需要の回復、ビットコインの上昇も金融緩和の副産物ですから、物価もいずれ上昇に転じ、長期金利も一段と上昇してくることでしょう。
昨年春から続いたドル安ですが、やはり一旦底入れのような気がします。