イタリア次期首相候補にドラギECB前総裁を指名
2021/02/04 07:09にSmartLogicFX で配信した内容から抜粋しています。
ドラギ氏は組閣要請を受諾
昨日は欧州時間に入り、イタリアのマッタレッラ大統領は、次期首相候補に元ECBドラギ総裁を指名、組閣作業を要請しました。この後、ドラギ氏は大統領と会談、要請を受諾と伝えられています。
中銀を取りまとめた力量と政治手腕は別物ですが、金融市場はこの動きを好感。イタリア株とイタリア国債には買いが集まり、総合株式指数は+2.09%で引けと大きく上昇しています。
通常、こうした株式市場や債券市場のポジティブな反応は、為替市場ではユーロ買い要因となるはずですが、EURUSDは節目の1.2000を前に、底堅く推移した程度でした。
米金利上昇、ドルは高値圏で推移
米国時間に入り発表された1月のISM非製造業景気指数は、58.7と市場予想を上回り、2019年2月以来の高水準を記録、経済活動の再開が視野に入ってきました。
明日の米国1月の雇用統計の発表を控えた前哨戦である、ADP雇用報告はNFP(非農業部門雇用者数)が+17.4万人の増加、12月分も-7.8万人へと上方修正されています。
米金利は一段の上昇。30年債の動きに目を転じると1.92%台を回復しており、コロナ前の2020年2月の水準です。金利曲線(イールドカーブ)でみれば、長期の金利ほど上昇幅が大きくなっています。これはスティープ化と呼ばれる現象で、典型的な景気回復期にみられる現象です。
為替市場では、多くの通貨にドルが買われ一段高、EURUSDで昨日安値1.2004、USDJPYではこの時間の高値105.09をつけています、
トレードポイント
上述のように、欧米時間にはドルが買われたわけですが、眼をオセアニアに転じてみますと、昨日の朝発表されたQ4(10-12月期)のNZの失業率は4.9%(予想5.6%)までの低下をみせるポジティブサプライズとなりました。
昨年秋にはRBNZ(NZ準備銀)のマイナス金利の採用まで視野に入っていましたが、足元で、金利の市場ではRBNZの2021年の利下げを全く織り込んでいません。
豪州4大銀行の1つ、ANZ(オーストラリア・ニュージーランド銀行)も顧客向けのレポートで、「RNBZの利下げ余地はない」としています。こうしたことから、昨日はアジア時間より、オセアニア通貨や資源国通貨の一角であるカナダドルも上昇に転じ、景気の回復が見通せる通貨から順に買われているという構図です。
こうなりますと、非常事態宣言を発している国のJPYや、各地で外出禁止令やロックダウンが続くEURは、これらの通貨にはやはり見劣りします。
本日は、BOE(イングランド銀行)が政策金利を発表予定、以下のCME BOE Watchをみても政策変更は100%織り込まれていません。
https://www.cmegroup.com/trading/interest-rates/bank-of-england-watch-tool.html
ただ、これで利下げでもしますと、完全なサプライスとなりますので、注意しておきましょう。