ローソク足の基本的な読み方を解説!相場の動きを読んでFXトレードに活かそう
今回は、ローソク足の読み方について基礎からやさしく解説します。本格的な勉強の前に重要ポイントや代表的なパターンを知っておきたい人は、ぜひ読んでみてください。
今回のポイント!
- ローソク足の読み方を知ることはテクニカル分析の第一歩
- ローソク足の学習は「四本値(よんほんね)」「実体」「ヒゲ」の理解から
- ローソク足パターンを覚えるとFXで稼ぐ武器になる
ローソク足はテクニカル分析の基本中の基本!
ローソク足とは、ある期間(時間)において、
- 初めて取引が成立した価格=始値(はじめね)
- 最後に取引が成立した価格=終値(おわりね)
- 最も高く取引された価格=高値(たかね)
- 最も低く取引された価格=安値(やすね)
を1本のローソク状にまとめて視覚的にわかりやすく表示したものです。これらをまとめて四本値(よんほんね)といいます。どの期間(時間)で区切られるかは、5分足、1時間足、日足、週足など使用するチャートによって異なります。
現在使っているFX会社のチャートが、最初からローソク足表示だった人は多いことでしょう。ローソク足はもともと江戸時代の米相場から活用されており、明治にはほぼ現在の形で使われていました。FXが広く普及する以前に、日本では株式投資などのチャートでローソク足を使うことは、ごく一般的だったからです。
海外のFXトレーダーの間で主流なのはバーチャートです。しかし、一定期間の値動きが一目でわかるローソク足チャート(キャンドルチャートと呼ばれます)を使うトレーダーも増え、ほとんどのチャートツールに標準搭載されています。
ローソク足を学ぶことは、チャート分析によって値動きを分析・予測する「テクニカル分析」の基本中の基本です。次項から、ローソク足の基本的な読み方を解説します。
ローソク足の基本的な読み方とは?
ローソク足の基本型は下図のとおりです。始値より終値が高いものは「陽線(ようせん)」と呼びます。始値より終値の安いものは「陰線(いんせん)」です。始値と終値の間の価格を「実体」と呼び、始値と終値の価格差を胴体部分の長さで表します。
実体から高値までは、「上ヒゲ(うわひげ)」または「上影(うわかげ)」と呼ばれる実体の上に飛び出した線の長さで表します。実体から安値までは「下ヒゲ(したひげ)」または「下影(したかげ)」です。したがって、価格の動き方によっては、上ヒゲか下ヒゲのどちらか、または両方のヒゲがないローソク足も作られます。
1本のみのローソク足の分析では、実体が相場の実態をよく表していると考えます。これは、始値と終値が重要な価格であり、その間の価格帯を重視するべきだと考えるからです。そのため、実体の長さが相場の強さを表すというのがローソク足の基本的な読み方のです。つまり、陽線の実体が長いほど上昇の力が強く、陰線の実体が長いほど下落の力が強いと基本的に考えます。
一方、ヒゲはノイズや行き過ぎとして捉えるのが基本です。つまりヒゲは相場参加者の迷いや焦りなどでブレが生じ、一時的に買われすぎ・売られすぎになった価格帯と考えます。例えば、ヒゲが長い場合は、価格が一時的に行き過ぎたものの急速に本来の価格に戻ってきたと考えられます。
この基本的な考え方をしっかり押さえておくと、次に紹介するローソク足の型の意味が理解しやすくなるでしょう。
ローソク足を使った相場の読み方を覚えよう!
ここでは、ローソク足の型から相場の流れを読む方法を解説します。注意が必要なのは、前後のローソク足の条件や出現した場所(高値圏、安値圏など)によって意味が変わる場合があることです。ここで解説する基本の読み方をマスターした後は、応用例を学んでいくことをおすすめします。
大陽線
大陽線とは、始値から終値まで一方的に上昇を続けたときに発生しやすいローソク足の型です。実体の長さは何pipsなどと一概には言えませんが、他の平均的なローソク足に比べて3倍以上あるような、一目でわかるほど実体が大きく、ヒゲが少ないことが特徴です。先にも説明したとおり、実体の長さは基本的にトレンドの強さを表します。大陽線のローソク足の期間では強い値動きがあったと考えるのが読み方の基本です。
下落相場が続いた後に大陽線が出ると、トレンド転換のサインになります。逆に上昇相場中に出ればトレンドの加速と捉えます。相場の状況によっては買われすぎだと思って売りたくなる場合もあるでしょうが、リスクが高いので注意しましょう。たとえ下がったとしても大陽線の安値を短期間で割ることは難しく、しばらくの間は大陽線の価格内での横ばいになることがほとんどです。
大陰線
大陰線とは、始値から終値まで一方的に下落を続けたときに発生しやすいローソク足の型です。他の平均的なローソク足に比べて3倍以上あるような、一目でわかるほど大きな実体を持ち、ヒゲが少ないことが特徴です。
上昇相場が続いた後に大陰線が出ると、トレンド転換のサインになります。逆に下落相場中に出ればトレンドの加速と考えます。相場の状況によっては売られすぎだと思って買いたくなるかもしれませんが、少なくとも何本かローソク足を待つのが基本です。
小陽線
小陽線の基本形は実体が短い陽線で、多くの場合、実体に比較して上下のヒゲが短いことが特徴です。ローソク足の読み方としては、強くはないものの買いの動きが見られるとするのが基本です。また、ヒゲが少ないことから価格が安定しており、持ち合い状態(価格が上にも下にも大きく動かないこと)だったと考えます。
下ヒゲが長い小陽線は「陽のカラカサ」などと呼ばれ、上昇の期待感を示します。特に安値圏で陽のカラカサが出ると、下を試したもののすぐに切り返して陽線で終わったことから、一旦底打ちしたとする読み方ができます。
小陰線
小陰線の基本形は実体が短い陰線で、多くの場合、実体に比較して上下のヒゲが短いことが特徴です。ローソク足の読み方としては、強くはないものの売りの動きが見られるとするのが基本です。また、ヒゲが少ないことから価格が安定しており、持ち合い状態だったと考えます。
上ヒゲが長い小陰線は「上ヒゲ陰線」「上影陰線」などと呼ばれ、買い勢力の失望感を示します。特に高値圏でこれが出現すると、上を試したもののすぐに切り返して陰線で終わったことから、上昇終了の可能性が高いとする読み方が可能です。
上ヒゲと下ヒゲがともに長い小陰線は「陰のコマ」と呼ばれ、相場の迷いが強く転換点が近いと考えます。どちらかといえば上昇失敗の失望感のなか迷っているという読み方をするのが基本です。
十字線(同時線)
十字線(じゅうじせん)は始値と終値が同じで、実体がないローソク足です。同時線(どうじせん)や十字架に似た形から「クロス」とも呼ばれます。取引が開始されたものの結局同じ価格に戻ってきたということから、相場に迷いがあると考えます。そのため、十字線が出現すると「相場転換が近い」という読み方をするのが一般的です。ただし、横ばいの時間帯で十字線が発生したような際には、単に動きがなかっただけなので、転換を暗示する読み方はできません。
十字線はヒゲの出方によって、特別な名称が付くことがあります。
- トンボ:下ヒゲだけ極端に長い十字線。安値圏で出現すると、迷いがありつつも上昇への期待感があると考える。
- トウバ:上ヒゲだけ極端に長い十字線。高値圏で出現すると、迷いがありつつも下落への期待感があると考える。
- 足長十字線:上ヒゲと下ヒゲがどちらも同じくらい長い。このローソク足が出現したときは、売り買いの勢力が拮抗しているものの迷いが多いと考え、相場転換は近いという読み方をする。
- 一本線:上下のヒゲがない十字線。様子見の状態を表すため、十字線としては例外的に転換を暗示しません。
複数のローソク足を使う場合の読み方
複数のローソク足を使って相場を読むと、1本のローソク足に比べて流れがよくわかる場合があります。このようなパターンは「酒田五法(さかたごほう)」としてまとめられており、日本のトレーダーを中心に人気です。ここでは、代表的なパターンの一部を紹介します。
明けの明星
明けの明星は、以下の図のように3つのローソク足で構成される買いシグナルのパターンです。
1本目で大陰線が出現します。2本目で小陽線または小陰線が出現します。このとき1本目と2本目の実体が重なっていないか、実体もヒゲも重なっていないことを確認しましょう。このことは、強い下げがあった後、終値からギャップが生じた(取引価格が飛んだ)ことを意味します。3本目は大陽線です。このときも2本目の終値とのギャップが大きいほど強い買いシグナルが発生したと考えます。
2本目の小陽線または小陰線は十字線でもかまいません。要するに、強い下げがあったもののピタリと下げ止まって急激に反発したというのが、明けの明星の動きの読み方の基本です。
赤三兵
赤三兵とは、陽線が3本続いて出現したローソク足のパターンです。特に持ち合いが続いた後に赤三兵が出現すると上昇トレンドへの転換が期待でき、新規の買いエントリーのチャンスになります。
トレンド発生初期で発生することが多く、赤三兵によってある程度上昇してしまっていても、まだ上値余地があると考えます。ただし、赤三兵の3つのローソク足には大陽線がなく、小陽線か、それに近いローソク足が続いていることをチェックしましょう。大陽線があると持ち合いで貯めたエネルギーを使い切っている可能性があり、一旦下げて調整する場合があります。
上げ三法
上げ三法とは上昇相場において発生するローソク足のパターンです。1本目は大陽線が出て、次に高値を切り下げる陰線または小陽線が3本連続して出現します。そして5本目で再び大陽線が出ると、上げ三法の完成です。
上げ三法の読み方は、上昇相場中に調整が起こって少し下げ、調整完了が終わって力強く再上昇を開始したとするのが基本です。この動きは上昇相場の初期または中盤で発生しやすい傾向があります。上昇相場の段階も加味して分析すると、上げ三法による買いエントリーのチャンスを見つけやすくなるでしょう。
三羽ガラス
三羽ガラスとは、上昇相場が続いた後、高値圏で陰線が3本連続して出現するローソク足のパターンです。三羽ガラスは、買い勢力が少ないことを示します。なぜなら、上昇相場が継続しているなら価格が下がった場合にすかさず買いが入り、高値を更新しないまでも小陽線や十字線などが出るはずだからです。
そのため、高値圏で三羽ガラスが出現したら、相場の反落を狙って新規の売りエントリーを検討ができます。また、買いポジションを持っていれば、決済を検討する局面です。
注意が必要なのは、上げ三法との区別です。上げ三法でも途中で3本の陰線が連続する場合があるので、もし三羽ガラスと勘違いしてしまうと、5本目の大陽線で損切りということになってしまいます。これを防ぐために、三羽ガラスの前が大陽線でないかチェックしましょう。また、三羽ガラスにおいても上昇相場がどの段階にあるか考慮することが、勝率を高めるポイントです。
三山・三川
三山(さんざん)、三川(さんせん)というパターンは、通常、数十本のローソク足の動きで形成されるパターンです。
三山は図のように3回続いて高値に挑戦したものの、高値を更新できず下げてきた状態です。天井なのではないかと思って売るトレーダーが増え、買いポジションを持っている人は利益確定するか損切りしようとするため、相場は下落に転じる可能性が高くなります。
三川は三山の逆の動きです。3回続いて安値を更新できず上昇してきた状態であり、相場が上昇に転じることが予想されます。そのため、新規の買いのチャンスであり、売りポジションを持っている場合は利益確定か損切りを検討するべき局面です。
三山において真ん中の山が最も高い場合は、「三尊像(真ん中に大きな仏像があり、両側に同じくらいの大きさの小さな仏像が並んでいる像)」のように見えることから、「三尊(さんぞん)」と呼ばれています。三川の場合は「逆三尊」です。
三尊のパターンは、3回目の高値チャレンジでは2回目の高値に届かないどころか1回目の高値も更新できないぐらい弱かったと考えます。つまり、一般的には三山よりも下落転換の可能性が高いとされています。逆三尊の場合も同様に考え、三川よりも上昇転換する可能性が高いパターンとして覚えておきましょう。
ローソク足のパターンを覚えて相場の動きを予測しよう!
ローソク足はテクニカル分析の基本中の基本です。実体やヒゲ、陽線、陰線などの基礎からしっかり学びましょう。ローソク足の読み方に慣れてくると、相場の方向や勢いがすばやく分析できるようになってきます。
また、複数のローソク足パターンの読み方を覚えることで、エントリーのシグナルとして使ったり、利益確定や損切りのシグナルとして活用したりできます。簡単なようで奥が深いのがローソク足です。得意のローソク足パターンを見つけ、トレードに活かしましょう。