株価やリスク通貨の一段の調整も視野に
先週1週間の主要通貨の対ドルでの騰落は、下落上位からNZD(-1.48%)、EUR(-1.19%)、AUD(-0.80%)、CHF(-0.67%)と続き、GBP、JPYはわずかに上昇した程度でした。
昨年末までの、株などのリスク資産、為替市場では資源国通貨、オセアニア通貨などが買われる流れからは、少し変化がみえ始めています。
為替市場で起こっていたことをまとめれば、今週発足するバイデン政権での経済対策が一旦提示され、“Sell the fact”的に材料出尽くしとなったことがあげられます。今週は、広くこうした流れの継続性を占う週となりそうです。
先週、下落2位となったユーロ相場の下値余地を試すという点では、1/19に発表される1月ドイツZEW景況感指数、1/22の1月ユーロ圏主要国のPMIが重要となりそうです。
EURUSDの年初来高値1.2349までの動きは、昨年12/1に節目の1.2000を上抜けしたことで加速してきたわけで、この1.2000を割れてしまうと、見通しを修正する必要があります。
今週は中銀ウィーク、多数の中銀が政策金利を発表予定です。1/20はBOC(カナダ中銀)、1/21はECB(欧州中央銀)、日本、トルコ、南ア、ノルウェーの各国中銀が発表予定ですが、この全てで政策金利は据え置き予想です。
ただ、同時に発表される声明文等では、今後の政策に関し見通しが示されるわけで、短期的にはこうした情報発信に市場は反応することになります。注目は、ECB理事会後のラガルド総裁の記者会見。足元でEURUSDは調整局面入りですが、ユーロ高は輸入物価の下落要因ですので、再度ユーロ高けん制が入っても不思議ではありません。
そして、引き続きの焦点は「約1年ぶりの高水準まで上昇してきた米国の10年債金利の行方」です。FRBパウエル議長は先週の講演で「緩和の出口は遠い」と言っていますが、市場は額面通りには捉えません。
金利というのは、経済の健全性を測るバロメーターです。この先の経済状況をモロに反映する、偽りのないいわば指標の役目も果たします。この10年債金利が安定的に1.0%の大台を維持することになると、今年前半ドル安という基本的な見方、相場観も、やや修正する必要があるかもしれません。
今週は、週明け1/18が米国市場では、「キング牧師の記念日」の祝日ですから、株式、債券市場などは休場、月曜は目立った動きにはならないかと思います。