公開日 2021年1月6日

過剰流動性バブルの今後

財政のばらまきによって、お金が家計や企業に溢れたことを過剰流動性と言っているが、この過剰流動性は今後、どうなっていくのか。マネーサプライの増減要因を含めて考えてみた。
過剰流動性バブルの今後

過剰流動性を生んだのは財政のばらまき

今年の経済、特に米国の経済を展望するうえで考えておかなければいけない問題は、現在の過剰流動性がどうなるか、それがどのような影響をおよぼすかという点だろう。ここで「過剰流動性」というのは、12月22日の「量的金融緩和だけでは株高は続かない」とのレポートで述べた通り、財政によってばらまかれたお金が家計や企業にあふれていることを言う。

FEDの量的金融緩和は、銀行システムにお金を供給するものだが、銀行が家計や企業に対して貸出を行わなわなければ、そのお金は銀行システム内にとどまってしまう。しかし、財政によって直接、お金が家計や企業にばらまかれれば、銀行が貸出を行わなくとも家計や企業にお金があふれる。

現状は、FEDが量的金融緩和を行ない、銀行システムにはもちろん、お金があふれている。
銀行は貸出を増やしているわけではないが、財政のばらまきによって家計や企業にもお金が潤沢にある。

米国において、民間銀行がFEDに対して保有する預金(余裕資金)の量を示す、マネタリーベースは19年12月の前年比0.8%増から、20年11月に同53.6%増と急加速した。リーマンショック時のピーク時である09年5月に、前年比112.7%増と倍増したのに比べると、今回の伸び率はやや低めだが、それでもマネタリーベースがほぼ1.5倍になったことは、銀行システムのなかにお金が潤沢にあることを示している。

一方、家計や企業が民間銀行に対して保有する預金(余裕資金)の量を示す、マネーサプライM2は、19年12月の前年比6.7%増から、20年11月に同25.1%増と加速している。リーマンショック時において、マネーサプライM2は08年8月の前年比5.5%増から、09年1月には10.3%増と加速していたが、今回のマネーサプライの伸びは、リーマンショック時を大きく上回っている。

1980年代後半の日本のバブル時には、

  1. プラザ合意以降の円高を回避するための金融緩和、
  2. 金融自由化・規制緩和の動き、
  3. 「東京が世界の金融センターになる」との期待、

などにより、銀行が貸出を積極化し、それがマネーサプライを増加させる要因になった。

1990年4月の、日本のマネーサプライM2は、前年比13.2%増と急増した。こうして生まれた過剰流動性と日本経済の高成長が続くという期待が株価を株価収益率でみて、70倍超という高い水準に押し上げたとみられる。

今回の米国株バブルの特徴として、財政のばらまきによって生じた過剰流動性、米国株高の要因になっているという点がある。

過剰流動性は年後半以降縮小していく可能性

では、このマネーサプライの動きに示される過剰流動性は今後、どうなっていくのか。マネーサプライの増減要因を考えると、財政のばらまきが続くか、銀行が貸出を積極化するかどうか、という点が問題になる。

北半球では、現在、気象条件(低温乾燥)とウイルスの変異などにより、再び感染が拡大しており、それに対応して、財政のばらまきは当面、継続されるだろう。

米国では昨年末に9,000億ドル規模の景気対策が成立しており、そのマネーサプライ押し上げ効果は、1~3月中に現れてくるだろう。だが、財政赤字が巨額に膨れ上がるなかで、感染拡大に対応した大規模な景気対策は、これが最後になるのではないか。

2021/1/5の「イーグルフライ」掲示板より一部抜粋しています。
全文を読みたい方は、イーグルフライ掲示板をご覧ください。

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新見未来

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エコノミストとして、シンクタンク、投資顧問会社などで経済分析、資金運用とアセットアロケーション業務に携わる。

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